第30話 テスト初日でやらかしてしまう

というわけで俺の家に集まった許嫁と親友。

「私行かないって言ったのに無理やり来させられてこれ軽い犯罪だと思うのだけど」

まなは俺の家に来て約十五分たったのだがまだ駄々をこねている。

「もう諦めろよ。もう俺の家来ているんだし」

「そ~ゆう問題じゃないわ!」

「どーゆう問題だよ」

「だいたいなんなのこのメンバー」

「なにか問題でも?」

「問題ありありよ!。この男誰!」

まなは雄二に指をさして言った。

「初めまして!俺の名は谷雄二っていいます!くるみと同じクラスで賢とは親友だよ!」

笑顔で雄二はまなに挨拶をする。

「そう、初めまして私の名前は桜まなよろしくね!・・・じゃないわよ!!」

まなは挨拶をしたのかと思いきやその後切り替えの早さのツッコミをする。

これはさすがに俺もみんなも驚いた。

まさかまながツッコミをするなんて思いもしなかったからだ。

「おいおい、めずらしいなお前がツッコミをするなんて」

「私も驚いたわ。まさか私がツッコミをするなんて・・・じゃなくて!」

どうやら今日のまなは騒がしいらしい。

いつものまなはクールでいつも冷静なのに今日は何故か騒がしい。

「ねぇねぇ、ここの計算わからないだけど萌ちゃんわかる?」

「あ~ここはね」

こちらも切り替えの早さで驚いたはしたがすぐ勉強に集中する二人。

雄二に関してはペンを持って止まっている。

俺は騒がしいまなの相手をしている。

もはや勉強会ではなくなってしまった。

そしてまた数十分たったころようやく諦めたのかまなは静かになりカバンからノートと教科書をだした。

「しょうがないわね今回だけよ」

まなが言うとみんは微笑みながら「うん!」と言う。

そしてテスト当日。

みんなハラハラドキドキとした表情。

一番ドキドキをしているのは俺だ。

ここ一週間まなに勉強を教わり頑張ってきた。

ここで赤点なんてしたらますます嫌われバカにされてしまう。

ここは俺の本当の力発揮させ!驚かせてやる!。

そしてテスト一日目が終わり俺はかなり焦りを始めた。

「賢テスト初日どうだった?」

隣の席のまなが俺に尋ねてくる。

「あ、うんよかったバッチリ!」

「そう、今回は一番力を入れた科目は数学だったし勉強したところはかなり問題出てたからよかったわ」

その言葉を聞いて俺はビクっと肩が上がった。

それに気づいたのかまなは怪しげな顔をした。

「賢もしかしてちっともわからなかったってことはないわよね?」

威圧をかけてくるまな。

俺は焦り始め汗まででてきた。

正直に言うとさっぱりわからなかった。

だってたしかに教えてもらった問題は出てきた。

だけど難しすぎた今回は!。

正直言って赤点の可能性が極めて高い。

だが、ここでわからなかったなどと言うとまなに怒られてしまう。

あんだけ勉強会は嫌だと言っていてそれでも一緒にしてくれたのにこれで赤点だったら殺される可能性も。

想像するだけで恐ろしい。

「まぁ、いいわ結果はすぐわかるもの」

「それにあれだけ私は一緒に勉強するのは嫌だと言ってそれでもさせてしかも一番聞いてきたあなたが数学で赤点なんてとらないわよね?」

最後に重い言葉を言われて帰って行った。

初日の科目は数学、国語、社会だったのだが数学以外は少し自信がある。

なぜ一番教えてもらった数学がわからなかったのか。

俺はいっそりと落ち込みながら帰宅をする。

はぁ、雄二たちはどうなんだろうな。

一方雄二たちは満足そうな顔をしておりどうやら問題は分かったらしい。

はぁ、明日最後のテスト頑張ろ。



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