第23話 俺の母さんはどうやら俺にビビっているらしい

「もしもし、私ですまなです」

どうやら電話がつながったようだが。

なにを話しているのかわからないがまなが少し顔を赤くしている。

「おい、まな母さんと話せるようになんとかしてくれ」

俺が小声でまなに言うと頷いた。

「えーとそれで花さん賢と一度お話してみては?なんも気にしていないよですし」

花とはうちの母親の名前だ。

「はい、はい」

スマホをテーブルの真ん中に置きスピーカーにした。

「少しならいいと言っているわ」

「お、おう」

「ごほん もしもし母さん?賢だけど」

「ひ、ひ、ひ、ひさしぶり賢」

母さんは動揺と緊張をしていてうまく話せていない。

「その、世間話は後にして今は許嫁の話をしようと思って電話した」

「そ、そ、そうなの」

「ああ」

「どうしてまなと俺を許嫁にしたんだ?」

「それは」

少し間があいた。

「あなたが心配だったの」

「俺の事が心配?」

「そう、私がいなくなってから賢の事なにもしらなかったし今なにしているのかもわからなかった」

「ちょうどその時北海道にいてそこでまなとであった」

「そのときのまなはちょうど賢と同じくらいの年だった」

「なのにすごく礼儀ただしくてね。私が悲しんでいたら元気つけてくれておまけに賢と会わせてあげるって言ってくれてほんとうにいい子だなって」

「そのときまなの顔を見てたら賢と結婚してくれないかなってついぽろっと言ってしまった」

「おい!なにぽろっと心の声をだしているんだよ!!!!そーゆのは心の奥にしまっとけ!!」

つい、いつもの乗りで勢いよく言ってしまい母さんの声が聞こえなくなり聞こえるのプープープー電話が切れた音だった。

「あ」

女子三人は俺の事を睨んでくる。

「ご、ごめんこれは俺が悪かった」

三人ともため息をする。

「まぁ、花さんとはこーゆ関係ってことよ」

「いや、どーゆう関係かわからないのだが」

「わかったのはまなが夜一人でいられないから母さんがつきそいでお前と電話してることしか」

まなはまた顔を赤くなった。

「それはもう言わないで”!!!!!!」

めずらしく大声で怒鳴った。

「ていうかこの許嫁解除することができないのかよ」

「そーゆことよ」

「仕方ないね」

「賢ちゃん!しょうがないよ!お互い頑張ろ!」

許嫁三人は一言ずつ言ってくるが俺はどうも納得いかない。

だっておかしいだろ普通に考えて。

許嫁ってなにか複雑な事があって起きるものだが俺らの許嫁は複雑ではなくただ恩返しをしたいが為になっている。

普通に考えれば他の恩返しをすればと思うが俺の家族頭がクレイジーだからな。

「とりあえず今日のところは解散!まなにもちゃんと許嫁が三人いるって言ったし」

「そうねもうこんな時間...」

まなは急に黙りこんだ。

「おい、どうしたんだよ」

なにか焦っているかのようだが。

俺は窓を見てみると空は真っ暗になっている。

まさかと思うがこいつ怖くて一人で帰れないってことじゃないだろうな。

「おい、まなまさかと思うが一人で帰れないってわけじゃないだろうな?」

「その、まさかよ帰れないわ」

「そんな堂々と言う言葉じゃねえ!!」

「おいおい、じゃあ誰かまなと一緒に帰ってあげろよ」

「じゃあ、私が送るよ!!!」

「七瀬さん」

「くるみでいいよ!!」

「ありがとう」

くるみはこーゆとき優しいよな。

「それじゃあね!賢ちゃん」

「おう」

こうして俺の許嫁二人は帰ったのであった。


ん?

二人?もう一人は?。

「賢少しいいか?」

後ろを振り向くと萌がまだいた。

「いや!お前ももう帰れよ!!」

「すまない、今日四人で帰っていたとき気配を感じていて」

「気配?」

「うん誰かに見られていたような、しかも賢の家まで」

「お、俺の家まで?!」

「どうしてそんなこと」

「わからない、だかろその」

萌がなにやらもじもじし始めた。

「こわいのか?」

「う、うん」

こいつ少しずるくはないか?こんな顔は可愛いから少し怯えているほうがいいのかもしれない。

だ、が、顔だけな!。

「しゃあない確かに暗いしな送っていくよ」

萌は安心したような顔をしている。

「ありがとう!」

か、かわいいな。

「やっぱりたよりなさそうな賢でも誰か男の人いたほうがいいもんね」

やっぱり取り消すかわいくない!!!!

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