第20話 それぞれの思い

「これから私は隠し事なしで話すね」

くるみがすべてを打ち明けようとしてくれている。

今までの態度や言葉使いはどうやら嘘のようだ。

「私は昔賢ちゃんと毎日のように遊んでてすごく仲がよかった」

俺と萌は頷くただただくるみの話を聞いていた。

「でもある日賢ちゃんが私の前から消えようとした」

前も言ったと思うが公園でくるみが男と楽しく遊んでいたことに不満をいだいていた。

俺はくるみは俺の許嫁で俺と結婚する相手だから他の男と話しているとこと遊んでいるところが嫌だった。

中学の時他の男と帰っていたのも嫌で泣いていた。

「だから私はもう賢ちゃんと関わっても嫌われるフリをしていた」

「でもそんなある日雄二が私が裏の姿で関わっていることを気づいてくれた」

「そんな雄二の事が好きになっている私がいた。でも私は賢ちゃんと許嫁だしお父さんには色々恩もあるからお父さんを悲しませたくはないの」

くるみは涙をこぼしながら話した。

「くるみそれは悪かった、俺がさけてたのは小さいころくるみと許嫁になってうれしくてくるみが他の男子と関わっているのが嫌だったんだ」

「自分でも気持ち悪いと思っている」

俺は謝罪しくるみに頭をさげた。

「本当にすまなかった」

「頭を上げて賢ちゃん私こそごめん嫌われる態度をして」

俺はこの時だけ昔を思い出した。

お互いが悪いと認め合ってちゃんと最後は仲直りする。

これこそが幼なじみってものだ。

そんなこんなで打ち明けたがそこで萌が言いたげな顔をしている。

「あの~少しいいですか?」

俺とくるみは萌の顔をみた。

「なんだよ」

「言いにくいのですが許嫁の話にしません?」

俺はくるみと仲直りができて肝心なことをわすれていた。

許嫁、そう今俺の部屋に許嫁が二人いるのだ。

それは許嫁なのに俺にまったく興味がなく二人はいろんな思いがあり俺と結婚しなければならない。

そこに坂木 賢は許嫁を解除したいと思っている。

はたしてどうなるのか。

後ついでに後一人桜 まなも許嫁なのだ。

くるみは微笑みながら萌に言った。

「許嫁の話って朝田ちゃんには関係ない話でしょ?」

「いや、関係はあります。次は私が話しますね」

「私も賢と許嫁なの」

その時くるみは固まってしまった。

無理もない、許嫁がもう一人いるなんて知ったらそうなる。

「う、うそでしょ?!朝田ちゃんも許嫁?!」

固まったと思ったら次は声を出し驚いた表情をしている。

萌は頷いた。

「残念ながらそーゆことだ」

俺が暗い声で言ったら萌がそれに反応して俺に怒りながら言ってくる。

「ちょっと!どーゆこと?!残念って!こんな良い女性めったにいないよ!」

萌は胸を張って言ったが俺からしたらこんなスタイルの良い女がヤンデレでバカ力女なんてめったにいないと思ってしまう。

俺は萌が俺にぐちぐちと言ってくることを流しながら話を進めた。

「それで後もう一人いて俺の隣の桜 まなっていう人なんだけど」

俺が言うとくるみはさなり驚いた声をだした。

「さ、三人もいるの?!?!許嫁が?!」

俺は頷く。

「それはおどろくしめったに三人なんて許嫁できないよ?」

それもだが俺は三人も許嫁がいるのに三人は別に俺の事が好きでもないって事が驚きなのだが。

そんな話をしてたら萌がまだぐちゃぐちゃと文句を言ってくる。

「うるさいな~わかったよ可愛いですね」

俺はお世辞を言うと萌は大満足な顔をしている。

「それで、まなちゃんは三人許嫁のこと知っているの?」

「いや、しらないよ?」

「それはそれで問題のような気もするけど」

(もともと話す気なんてさらさらなかったんだけどな)

俺はまなにも言うべきか考えた。

「よし、明日まなにも言うよ」

俺は二人に告げた。

二人もなっとくした。

「そーいえば七瀬さんって賢の事昔は好きだったの?」

萌が唐突にくるみに疑問をいだく。

俺も気になってしまいドキドキしている。

「いや、昔から賢ちゃんは友達として好きだったよ!」

「小さいころは許嫁ってよくわからなかった」

くるみは笑いながら言った。

俺はわかっていても内心は少し寂しかった。

「そうなの~、なら今も結婚したいのはお父さんのため?」

くるみは頷いた。

「そう、お父さんかなり賢ちゃんのこと気にってるし二人が結婚するのも楽しみにしているしそれで恩返しできるなら安いもんだよ!あはは」

(あははじゃあねえよ!!こいつバカなのかどいつもこいつも感謝していて恩返しするのはいいことだがなんでよりにもよって結婚なんだよ!しかも安いもんって結婚はそんな半額になっている野菜とは違うんだよ!!)

俺はため息しかなかった。

だが俺は諦めないなんとしても説得して許嫁を解除しなければ。

「まて!お前ら俺は許嫁を解除したいんだ!」

「いや、無理だけど」

二人は同時に合わせて拒否をした。

「なんでだよ!!お前ら別に俺の事好きでもないだろ?!」

二人はまた同時に頷く。

俺はがくりとなり声もでなくなった。

そうすると萌が立ち上がり「それじゃ私は先に帰るね」

萌が言うと次はくるみが立ち上がり「私も~賢ちゃん後でうちの家来てね!お父さんたのしみにしてるから!」

お前は楽しみにしてないのかよ!。

二人は部屋から出て行った。

なんでなんでいつも俺ばかりこんなことになるんだよ!!!!!!!




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