第16話  俺に彼女ができるかもしれない件について

姉さんは辺りを見渡していると俺に気づく。

「あー賢くんじゃん」

姉さんが言うとクラスのみんなは俺を見てきた。

「坂木先生お知り合いかい?」

この老人やろう名前で俺と一致するのわからないのかよ。

「はい、先生私の弟です」

あらー嫌だそんなに見ないでよ〜みなさん。

「驚きね、あなたのお姉さんが来るなんて」

まなは冷静に言ってきた。

「なんでお前そんな冷静なんだよ」

「確かにさっきは驚いたけどよくよく考えたらそんな驚くようなことでもないわね」

「強いて言うならあなたのお姉さんとあなたの顔割りに合わないことね」

こ、こいつ俺の顔を遠回しに傷つけてないかー?。

まあいい、それより朝田さんは...。

あらなんとまぁ喜んでらっしゃる。

久しぶりにお会いできて嬉しいのだろう。

それに気づいた朝田さんは指で何やら合図をしている。

ひ る や す み い つ も の ば しょ

なるほど昼休み屋上に来いと。

俺は頷き席についた。

「では皆さんこれでホームルームを終わります」

そして姉さんと先生は教室を出ていった。

一体どうなっているんだよ。

「ねぇ、賢」

「なんだよ」

「私後で挨拶でもしてこようかしら」

「だ、誰に?」

「あなたのお姉さんによ」

な、こいつは何を言っているのかさっぱりわからなかった。

何故俺の姉さんに挨拶などをするのか。

たしかに許嫁だが、俺は許嫁が三人いることを誰にも伝えていないのだ。

知っているの俺の家族だけ。

もし、姉さんがまなに許嫁が三人いることを伝えたらえらいことになるに決まっている。

「なぁ、まな」

「なにかしら」

「別に挨拶なんてしなくていいと思うけどな~」

「どうしてかしら?」

「ほら、急にその許嫁の話とかしたらさ」

「そんな話なんてしないわよ?」

「は?」

「じゃあ、どうして挨拶なんて」

「あなたこれからお世話になる担任なのよ」

うぅ、なにもいえねえ。

「挨拶ぐらいしとかないと」

「た、たしかにそうだな」

ひとまず安心をした。

「あと、あまりその許嫁という単語を学校で言わないで」

「誰かの耳に入ったらどうするのよ」

「ごめん」

なんか今日俺めちゃくちゃ政倫言われまくっているきがする。

朝から特大イベントが開催されたが今日もいつもどうりの日常が始まった。

だがしかし、それは午前中までだった。


昼休み


俺は席を立ち上がった。

「あらどこか行くの?」

「まあな」

「そう、今日は午後の授業に遅れないようにしなさいよ」

「わかってるよ」

まなは俺に伝えながら弁当を開けた。

俺はその弁当の中身を見てみるとてもうまそうな弁当だった。

しっかりバランスもとれている弁当。

俺がまなの弁当を眺めていると。

「なに、さっきから私の弁当見てきて」

「いや、別にうまそうだなって思っただけ」

「そう、ありがとう」

「でも、あなたにあげる食べ物なんて一つもないの」

よほど俺にあげたくないのであろう。

「はいはい、それじゃ俺行くから」

「うん」

俺は教室から出て屋上に向かった。

もう先にいた朝田さん。

「悪い待たせたかな?」

「いえ、そんなことないよ」

「そ、そうか」

やけに今日は静かだな。

何かあったのだろうか。

まあ早く話を聞いて飯が食いたい。

「それで話ってなにかな?」

俺が聞くと少し様子が変わった。

「坂木くん...」

「な、なにかな」

「あなたのお姉さんなんで今日ここの学校の先生になるのを教えてくれなかったのかな」

朝田さんはすこし怒っているのかな。

「お、俺だってしらなかったんだよ」

「ま、まさか来るなんて」

あれ、少し興奮してる…?

「あぁ!!!私本当にこの学校に来てよかった!!!!」

笑顔でそして今まで見たことのないような口調。

「あ、あの朝田さん?」

「なに、坂木君」

あ、この人もうわからない謎の人だ。

「どうしてそんなにはぁはぁしながら言っているのかな」

「どうしてかって?そんなのお姉さんが来たからに決まっているじゃない!!」

「そ、そうか」

「それで決めたの私、雄二くんとはもう、付き合わない」

な、な、なんだと!!!!どうして急にそんな。

「な、なんで?」

「そんなの決まっているでしょ?」

「お姉さんがこの学校にきた以上他の男の人なんて交際できるわけないじゃない」

「だって私と坂木君許嫁なんだから」

そ、そーゆーこーとーか!!!!!!!!。

つまり俺はもう手伝う必要がなくなったわけだ!!!!。

俺は後ろを向いて軽いガッツポーズをした後また朝田さんの前を向いた。

「たしかに、雄二君はいい男だったけどしかたないよ」

俺は苦笑いするしかなかった。

でもこれで俺も晴れて自由の身に...。

「あと、それから坂木君はこれから私とお付き合いをすることになるから」


は?。


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