第12話 沙夜という少女
僕と後輩(沙夜)は屋上に向かった、今日何回屋上に来たのやら
。俺はため息をしながら階段に上った。
そして屋上に着き話を始めることにした。
とりあえず、まなにも言われたし先に謝ったほうがいいのかもしれないし。
なにか撮らないといけない理由があったのかもしれない。
だってこの子すごく震えてるし、なにかおどされてたのかもしれない。
「あ、あの沙夜さん」
「あ、はい」
沙夜のその返事はまるで子犬が吠えてる感じのあれだ。
俺は腰を曲げて謝った。
「その、まず謝っとくすまなかった!」
沙夜は戸惑っている表情をしている。急に謝ってくる先輩戸惑うに決まっている。
「そ、そのなんですか急に謝ってくるなんて」
沙夜は震えながら言ってきた。
「俺は、沙夜さんが落とした紙袋の中身を見てしまったんだ!」
俺がそのことを告げると間が開いた。
俺は顔を上げて沙夜を見た、沙夜は焦っている顔をしていた。
なにかあったのではないか、そんなことを考えている自分がいた。
沙夜は少したってから話した。
「すいませんでした!勝手に撮ってしまって!」
沙夜は今日初めて話した中で一番声をだして謝った。
俺は驚きながら沙夜の謝っている姿を見てすごく罪悪感がでた。
(なに俺は後輩に謝らせているんだ!でも、謝らせようとしたのは俺だし!
でもまさかこんな子だとは思わなかった)
そう、俺は思ってしまったのだ、こんなか弱い女の子とは思わなかった。
彼女はとてもスタイルがよく、赤髪で髪は短くそしてか弱い感じの子だとは思わなかった。
「沙夜さん、もう大丈夫だから謝らなくて大丈夫だから!」
俺は焦りながら言った。
沙夜は顔を上げたら少し涙目になっていた。
(おい!、なに少し涙目になっているんだよ!そんな顔してたら俺が悪ものみたいになるじゃねえかよ!でもよかったわ屋上で誰もいないし)
沙夜は涙目になってた目を拭いた後笑顔で言った。
「はい、ありがとうございます」
(な、なんてこった!!今までこんな可愛い笑顔をみたことがあっただろうか)
俺は頭の中がお花畑になっていたのだが、話をもとに戻した。
話と言うのは何故写真を撮ったのかそれを聞かなければ話が進まない。
「沙夜さんなんで写真なんて撮ったのか教えてくれないか?怒らないから」
俺は教えてもらうために言った。
沙夜はうなずき話を進めた。
「まず、私は写真部同好会に入りました」
俺は写真部同好会なんてあったのだと初めて知った。
「そして、入った時に課題を出されたんです」
「課題?それはなんの課題だ?」
「それは、スクープになれる写真、後はレアな写真です…」
レアな写真、スクープになる写真どんな写真なのかとても気になる感じだった。
(でも、なぜその課題に俺らが入ってたのかすごく疑問だ)
「それでなんで俺やまながその課題になる写真だったんだ?」
俺は疑問だったので沙夜に聞いてみた。
沙夜の顔はすごく困っている顔をしていた。
「沙夜さんなんでそんなに困った顔しているんだ?」
俺は問うと沙夜は言った。
「それは、先輩にすごく言いずらい話なんですが」
沙夜は震えた声で言ってきた。
(言いずらい話?そんな言いずらい話なのか?まさか俺があんな美人な人と帰れる はずがないとか?それとも俺がまなと許嫁なのが知られたとか?)
俺は頭の中で二つその他の事を考えたがどれも当てはまらなかった。
いや、一つは浮かんだが。
「いいよ気にしなくてさ!」
俺はそんな事気にしてたら話が進まないと思っていた。
「わ、わかりました、実は桜先輩が転校してからすごい噂があって美人が転校してきた、話しかけてくるなオーラだしてるとかです」
俺は少し鼻で笑った(だろうなあいつ友達作らないとか言ってたしそりゃ噂になる)
沙夜は話続けた「それでそんな人が唯一仲良さそうに話してるのがあの、坂木 賢 先輩ってことです」
「あの、平凡な人がなぜ親し気に話せるのかと、それを同好会に先輩に言われてその写真を撮ってこいって言われました」
俺は呆然としていた。(ま、まさかみんなにそんな風に言われてたのかと思うと笑えないな...しかもそれを後輩に言われてしまったとは)
沙夜は申し訳なさそうな顔をしていた。
俺はこの子が悪かったわけではないと確信した。
「話してくれてありがとう沙夜さん」
話がひと段落ついたところで昼休みが終わるチャイムがなった。
「あ、チャイムなったな話してくれてありがとうそれでこの写真は僕にくれないかな?」
「やっぱり、これはまなにも悪いし同好会の人たちに俺から伝えるからさ」
俺は沙夜に伝えた。
沙夜は、すごくほっとした顔をしていた。
やはり、申し訳なさと怖さがあったのだろう。
「はい、わかりました」
沙夜はほっとした顔で言ってきた。
「では、私は先に教室に戻りますね。また」
沙夜はそう言って屋上から出て行った。
これで終わったと思っていたのだが沙夜の言葉が少し思い出す。
『では、また』これがすごく気になった言葉。
俺は外を眺めながら言った。「まさか。またなにかあるわけではないだろうな」
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