傷付けた償いはしてもらうけど [205文字]

 俺は、秋の公園のブランコに揺られながらドングリを弄んでいた。


「ユミコは、あいつには勿体ないくらいいい女さ」


「なーに言ってんの幼稚園児の分際で!」


 ケラケラ笑う中学生の従姉妹、ユミコは、俺にデコピンをして隣のブランコを漕ぎ出した。


 ブランコが揺れるに従って、どんどんと顔色が翳り、大粒の涙が降り始める。


 ユミコは今日、彼氏にフラれたのだった。


 あぁ、本当に、馬鹿な男。

 でも、助かったよ。


 悪い虫を追い払う手間が、省けてさ。






お題:弄ぶ・秋の公園・あいつにはもったいない

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