サキュバス夢想H(アッシュ)~超絶な俺が世界を救う~
ハイロック
第6話「ポストホックハラシーという悪魔」
プロローグはこちらから https://kakuyomu.jp/works/1177354054892973390/episodes/1177354054892974498
□ ■ 学園編 □ ■
咲羽シルアを名乗るサキュバスは当然のように俺の後ろの席へと着いた。確か後ろの席には田中が座っていたはずだけれど、なぜか田中の席は一番前に変更されていた。
後ろの席についたシルアは、トントンと指で俺の背中をつつく。
「ねっ、ちよっと目をつぶって私のことを想像してみて、話したいから」
ひそひそと耳元にささやく。
その仕草だけで周囲から注目を集めてるのを感じる、そりゃそうだ突然現れた転校生がこんな美形なら誰だって気になるわな。
とりあえず俺は言われるがままに目を瞑った。
まぶたを閉じる、シルアがうつる。
ずいぶんはっきりした像だ。まるで本人が目の前にいるようだった。
さっきまで身につけていた制服ではなく、いつもの布面積がバグってしまってる服を着ている。
「話したいことがいっぱいあるからね、ここに来たわ」
さっきまでいたはずの後方ではなく、目の前に映るシルアから声は聞こえる。
「大丈夫よ、安心して。もうすでにここはあなたの夢の中だから、声を出しても誰にも聞かれないわ」
夢の中?
さっき俺は目をつぶっただけのはずだが、眠ってしまったのか。
「・・・・・・これもおまえの力なのか?」
「もちろん、触れることさえできれば眠らせるくらいは簡単よ、そしてあなたの夢の中に入っていったの」
何でもありかよ、そういえばさっき指先で俺の背中に触れたな。
「やはり、本当にサキュバスなんだなシルアは、夢かもって思っていたがこうして現実に現れるなんて」
「あの痛みや快楽を受けて、現実じゃないと思えるあなたもなかなか疑り深いわね。そうね、その辺から話さなければいけないかしら。私は確かに現実の存在ではないわ、夢の中の存在。だから本来今みたいに現実で私が認識されることはないわ」
「だがシルアは実際に、教壇で皆に挨拶をした」
「そうよ、だから本来あるべき現実に今は歪みが生じてるといえるわ、私が現実に現れることができるようになったくらいにね」
「ひずみ、そういえば最初にあったときもそんなことを言っていたな」
「夢と現実の間には境界が必要なの、現実を現実としてるのは因果関係、わかるかし
ら?」
「何かをしたら、何かが起こるみたいなことだろ」
「そうよ、あなたと私でそれを崩壊させてしまったの」
「そんな大それてことしてないだろ、シルアとエッチしただけだ」
「それが問題なのよ、現実世界のルールではサキュバスとHした男は精液を搾り取られて死ななければいけないの、それは絶対の掟」
「いやいやそもそも、現実世界にサキュバスがいることがおかしいだろ」
「そんなことはどうでもいいのよ、悪魔や妖怪の2,3くらいはその辺にいくらでも迷い込んでるものなのよ」
そうなのか・・・・・・見たことないけどな。
「で、俺は死ななかったわけだ」
「・・・・・・そうよ、あなたが絶倫すぎて、いくら精液を吸い取ってもいくらでもあふれ出てくるじゃない。あのときは久々に燃えたわ、いえ萌えたのかもしれないわね。イッテもイッテも盛り上がるあなた、何ならその都度大きくなっていた気さえするわ。あぁどうしよう思い出した、したくなってきちゃった」
そう言うと、シルアは舌で上唇をなめ、そして自らの秘部に手を当てながらこちらに迫ってきた。え、えろい。いや、
「ばか、やめろここは学校だぞ、それより話しの続きをしろ」
「・・・・・・ふふっ、まあどっちみちこの状態じゃできないのよ、あなたの夢に入ってるだけだからね。話に戻りましょうか、それで、あなたが絶倫すぎて私はあなたの精液、そして生命エネルギーを吸い取ることができなかった。そして朝を迎えてしまった」
そうか、どおりであんなにだるかったわけだ。
「その瞬間が、因果の崩壊よ。あってはならないことなの、サキュバスとHをしたあなたは死ななければいけない、生き残ってはいけなかった。その掟が壊れた以上、あるべき現実の世界には歪みが生じてしまうのよ」
「あの、俺にひょっとして死ねっていってますか?」
「そうよ、死ぬべきなのよ、なんで死ななかったの」
うわっ、なんか本気のトーンで怒ってる、字面だけ見たらひどいヒステリックな女にしか思えないじゃないか。
「なんでもなにも、全部俺悪くねーじゃねーか。サキュバスの使命を果たせなかったおまえのせいだろ?」
それをいうと、シルアは急に目を涙で潤ませた。
「ひどいこと言うのね・・・・・・そうよ私はサキュバス失格だわ。自分の使命も忘れて目の前の快楽に溺れてしまった、あの瞬間私は欲情にまみれたただの肉塊にすぎなかったわ」
いやいやひどいことって、おまえ俺に死ねとか言ってたけどな。それに何を急にエロ小説みたいなこと言い出してるんだ。
「・・・・・・話を戻すぜ、でひずみが生じるとどうなるんだ、それのせいでこないだの化け物が・・・・・・」
「いいわ!もう私を肉便器として使うがいいわ!私はサキュバスの誇りを捨てて、惨めに生きていくんだわ」
「情緒が迷子か!」
話を聞いてくれねぇ。
サキュバスなんだから、まともなわけないんだけどシルアの相手は大変そうだった。
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