第1話 奇妙な世界と不思議な住人たち~拠点となる場所の詮索vol.1 拠点の街-City of base-までの道のり~
俺たちは"仲間"になった訳だが俺はメス2人(2匹)の後ろでササメと並んで歩く
途中でレイカがササメに
「サトルに今から行く場所の説明してあげて」と言ってきた
「わかった。サトル、歩きながらでいいなら説明するよ」
ニコッと笑いかけながら優しい眼差しでこちらを見つめてきた
「宜しくお願いします…来たばかりで何にも分からないから説明してくれるのは有難い」遠慮がちに言うとスズコが俺に近ずき「これからは色々と説明しなくちゃならない事があるから分からないことはササメに聞くといいよ。なんでも知ってるから」と耳打ちで言ってきた
俺は唾を飲み「了解した。」とだけ返事をすると再びスズコはレイカの居る所へ戻って言った
俺は早速ササメに「とりあえずササメ、これから向かう場所の説明をしてくれ」
と言うとササメは胸ポケットにしまっていた地図を広げ説明し始めた
「いまボクらが居るのはこの"儚げな森-Fleeting forest-"と呼ばれている森林地帯"シュトレバンの森"ここはさっきキミが倒れていた村は"ハジマリの村"と呼ばれている"サクサラ村"でその手前にある村が"半獣人の村-Half-Beastman Village-"と呼ばれている半獣人の暮らす村"ケルトランド村"ボクたちの生まれ故郷で育った村だよ」
「なるほど…それで今から行く場所ってのは役所って言ってたが村にはないのか?」
疑問に思ったので聞いてみた
するとササメは「あそこにあるのは村役場だから正式な役場(役所)じゃないんだ。ボクたち住民は皆、これから向かう"拠点の街-City of base-"と呼ばれている"カルトラス王国"っていうところにある本役場で住民登録や冒険者の登録をするんだよ。あと旅人のお尋ね場所かな」
「へぇー、なるほど。」
俺はそれを聞いて思い浮かぶのは生前に遊んでいたゲームたちのシステムだ。
死ぬ直前に買っていた作品にシステムが似ていたがアレの本編は完全に未プレイだ。
死んだ日が発売日だったんだ…だから体験版しかやった事がない。
だが体験版で冒頭の村役場ではなく町役場となる"本役場(役所)"でプレイヤーは先ず倒れていた村で出会った獣人たちを仲間にして連れて行くという場面があった
そして俺はあの時、パンダの獣人を選んでいたはずだ
しかし3人(3匹)いっぺんに仲間にはなれなかったはずだ…となると似て非なる世界線ということか!?
じゃないと説明が付かない…などと考え込んでいるとササメに声を掛けられた
「サトル?考え込んでどうしたの??」
「すまん。ちょっと分かんなかったから」などと言ってみたが本当は違う
「もう少し分かりやすく説明すると村役場は本役場の出張所みたいな役割の場所なんだ。あそこでは迷い人や不審者とかを連れてきたり"何でも屋"みたいな感じかな」と丁寧に説明してくれた
「ありがとう。何となくわかった…
要するに村役場じゃ住人登録も冒険者登録もできないってことだよな」
「そうだね。あと1つ加えておくと街にある本役場は位の高い獣人たちが管理してるから色々と問題はあるけどレイカちゃんのお父さんとお母さんがそこで働いてるからボクたちはきっと大丈夫」
「あいつの親ってあの村の出身だろ?なんで位が高いんだ?」俺は関係ないことも聞いてみた
「レイカちゃんは生まれ故郷はあの村だけど両親は街の住人だたんだけど彼女を育てる為に引っ越してきた言わば"部外者"なんだよ。なんで引っ越してきたか知りたい?」
そう聞かれて俺は「いや聞かないでおく」とササメに伝える
「そう、それが賢明だよ。」と苦笑いした顔で言う
やっぱりあの"レイカ"とかいうペンギン娘には何か秘密があるようだ…
しばらく4人は草が生い茂る場所からモジャモジャした木がたくさん生えている森の中を直進していた
「それからもう直ぐ目の前に素敵な場所が現れるよ。"休憩所"みたいな場所が」
「まだ街じゃないのか?」
俺が不安そうな顔で聞くと「そこを超えた先に街があるからゆっくり行こうよ」と満面の笑みで言われた
というかレイカとスズコ、歩くの超はぇーな…追いつけん。見失いそうだ。
だが、かろうじて見える位置に2人が居る為か眼が良いササメがちょいちょい声を掛けていたらしい。
そんな中で俺たちの視界が明るく開けたところには湖のある場所に出た
そこにはヤシの木みたいな高い木がたくさん生えていたが日差しが強く照りつけていて白い砂と青い湖があった。
見た感じは"砂浜海岸"ってところか。
しかしなんでまた急にこんな場所が?
異世界だから仕方ないかw
とりあえずササメに聞いてみよう。
「ササメ、ここはどういう場所なんだ?」
はてなマーク浮かべて聞いた
「ここは"楽園の砂浜海岸-Paradise sandy beach-と呼ばれている海岸地帯"サンドロスビーチ"だよ。一応、冒険者や旅人の休憩所さ」
「そうか…説明ありがとう。」
すると先に居たレイカとスズコが手にヤシの実のような果物を持って俺たちに近づいてきた
「2人とも遅い!私たちは"ルルの実"を採って来ちゃったんだから」とプリプリしながらレイカが言った
「レイカちゃん、そんな言い方ないよ。私たちサトルたちにもあげたくて採ってきたでしょ」と慰めるように優しく言う
「はい。これ、ササメとサトルさんの分です。めっちゃ美味しいので」とスズコが俺たちにそれぞれ手渡してくれた
「ありがとう、スズコ。というかこれどうやって食べるんだ?」と聞いてみるとスズコが「これは殻を少し割ってから割れた箇所からこの棒を使って汁を吸うんです!汁がなくなったら割って中に残った身を食べます!かなり栄養が高いからエネルギーの補給にもなるんですよ」と教えてくれた。
そして俺とササメにも例のストローのような棒をくれた
明らかに食べ方が"ヤシの実"と似てるが形はザクロみたいな赤くて硬い感じの色合いで毛は生えていない…
そして近くにあった岩に乗せてササメが持っていた原始時代にでも使われていた石器のような石のナイフで殻を少し割る
割れた小さな穴にストローのような棒を刺して飲んでみた
すると味はザクロのような甘い味がした
汁の色もほんのり赤色で酸味がある。
だが後味はスッキリしていた
「なんだこれ!?めっちゃ美味しい!」
俺は叫んでしまった…
しかし周りには俺たちしか居ないのかレイカとスズコとササメが笑っていた。
「でしょ?めっちゃ美味しいのよ。
でもここでしか飲めないし食べれないから貴重なのよね…」とレイカが言う
「そうなのか?こんな美味いなら市場に出ててもおかしくないんじゃ?」と俺が言うとスズコが「この実は街の市場で売れない理由は気温に敏感でこの場所から出すと黒くなってしおれてしまうの。だからここでしかダメなんですって」
「そうなのか…不思議な食い物なんだな」俺はちょっと知識を得た
そして数分間、砂浜にある石に座っていた俺たちはレイカの指示でここをでることになった。
何故なら明るくなると彼らは喋れる動物
の姿になってしまうからだ…
サトルはまだその事実を知らない。
周りは真っ暗の中、俺たちはまた歩き出した
改めて見るとレイカは魔術師が着ているローブのような服装をしていて髪の毛はツインテールで下だけが巻いていたしスズコは手には杖を持ち女神のような衣を纏っていて髪の毛は茶髪でセミロングだったからだ。
ササメはスラッとした感じの顔は可愛らしいイケメンで髪の毛は黒くて短髪だが背がデカくてガタイもいいスポーツ選手のような見た目に鎧を纏い腰には2本の剣があった。剣士みたいな感じだ。
俺は武装など全くしていない異世界の服のまま…大丈夫なのだろうか?
"サンドロスビーチ"を後にした俺たちは砂漠のような場所にいた
「ササメ、海岸の次は砂漠か?」
「そう!砂漠だよ。正式名称は"枯れた砂漠-Withered desert-"と呼ばれている砂漠地帯"サンドロスデッド"名前の通りここで干からびて亡くなってしまう人たちがいたからこの地名になったんだ。
一応さっきの海岸とツイになってる地域だよ。
そしてここはさっきみたいに食べ物もなくて日陰もない砂漠地帯さ。
だからさっきの場所で持っていける食べ物(ルルの実以外のもの)や水を補充していたんだ」
「なるほど…理解した。
とりあえず街までは後どのくらいかかるんだ」
「そうかからないよ。もう直ぐ着くよ」
ササメが指さした先にはうっすらと街の明かりがある塀に囲まれた街が見えた。
しばらくして地面は砂漠からコンクリートの石が敷き詰められたヌメった感じの地層に変わり目の前に大きな門があった
そこにはササメとは違う軍のような顔が見えない鎧を着た門番らしき人たちがいた
「マジかよ。でかい街だな…」と呟くと「サトル、もうレイカちゃんたち中に居るって通信が来たから中に入ろう。」
ゲームのようにステータスが見れたりするデジタルなやつを出して閉じた。
本当にゲームみたいな世界だな…
でも違うをだろ?
そして門番らしき人物にササメが通行証を見せて何やら説明をしていた
「さっき小さめの女の子と中くらいの女の子が通ったと思うのですが仲間なんです。
あともう1人いるのですが彼はまだ未登録者で仮の通行証が村役場でもらったのがあるので大丈夫ですよね!?」と話していた
門番が「問題はない。未登録者でも仮の通行証があれば通行は可能だ。
しかし入ったら直ぐ本役場まで行って本登録をしろ。そうじゃないと捕まるからな。」と1人に言われた
ササメは「分かりました。大丈夫です、その件で来たので」と怯えながら言っていた
俺は彼らに「俺が未登録者だ。もうチェックが終わったなら入らせてくれ。」と言う
すると門番が「おまえ変わった格好をしてるな…さては異世界からの転生者か!」と言った
俺は「そうだが?」と言うと「久しぶりに人間を見た。ありがとう兄ちゃん、もう通っていいぞ」ともう1人が言ったので「「ありがとうございます!」」と2人で言い中へと入った。
ここが今から俺たちの冒険の拠点となる街、"カルトラス王国"
ここで住む場所や宿屋などを経営したり商人が商売をしたり冒険者たちがクエストの報酬をもらったりする最初の街である。
何とか予定通り日が昇る前には着けたようだ…問題はこれからだ。
理由は俺がこれから彼らの奇妙な姿を目撃しそれに慣れなければならないということだった。
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