落ちこぼれニートの異世界転生~奇妙な世界と不思議な住人~
月野 灯花莉
第0話 俺は死んだのか…?~いつの間にか異世界に転生~
ある日、俺は久しぶりに外出した
空は明るく凄く眩しかった
着ている服は外出用に妹と母が見繕ってくれたものだ
今朝、俺は2人に"汚い格好して出ないで!にぃ様はかっこいいんだからちゃんとした服を着て出てよね"と妹の魅麗に言われボサボサで伸びた髪を母が切ってくれた
父は朝ごはんを作ってくれていて俺の分もわざわざ追加で作ってくれた
「悟の分だよ。たべなさい」
「ありがとう。父さん」
しばらくして食べ終わると
「ごちそうさま。行ってきます!」
俺は元気よく自宅を出た
そして今に至る。
俺が外に出た理由は欲しいゲームを買うためである。
今日は土曜日だから学校は休みだし母親からもらったお金で気分転換に出たが季節は夏の為か外はめちゃくちゃ暑い
「外の日差しやばいし暑いし最悪だな」
するとズボンのポケットに入れていたスマホが鳴る
『にぃ様、どこ行くのかだけ聞きたいんだけど新作ゲームを買いに行くならついでに夕飯の材料も買ってきて』
「わかった。行く場所は近場のゲームショップだ」
『そっか…』
そして通話が切れた
俺はスマホをしまい再び歩き出した
しばらくして目的地のゲームショップに到着した
ここのゲームショップは地元の人しか知らないコアなショップで最近では繁華街には無いゲームも置いてあると噂が広まったが今ではお客さんは少ない
おかげで欲しいゲームが予約しなくても手に入るという穴場なのだ
「おじさん、アレある?」
俺が中年のショップ店員に尋ねると
「あるよ~、アレだろ?」
とニヤッと笑い「ちょっと待ってな。特典付きの在庫まだあっからさ」と奥から大きめの箱を出てきた
「サンキュ!おじさん」と言いゲームソフトの代金を支払い受け取った
店を出た俺は来た時とは逆の方向から帰ることにした
なぜならスーパーは自宅とは逆方向にありゲームショップは中間地点である
少し歩くとスーパーの目の前にある信号機と横断歩道が見えた
ちゃんと青(緑)の時に出たはずなのに勢い余って飛んできたトラックが突っ込み俺は突き飛ばされて轢き逃げにあった
そして意識が遠のくなか手にしていた買ったばかりの新作ゲームもお財布もズボンのポケットにあるはずのスマホも消失
"このまま意識がないとヤバい"そう感じたのか抗おうとしたが既に遅く意識は無くなり目を瞑った
しばらくして意識が僅かながら戻ってきた時に目覚めると見たこともない景色と共に見知らぬ人物が3人いた
「あっ!目覚めたよ、レイカちゃん」
「そうね。良かった」
「心配性なんですから2人とも」
「しかし見たことない服装ね」
「ですね…。どこから来たんでしょう」
「もしかしたら"異世界からの転生"とかじゃない?」
「まさか…ありえないって」
「そうでもないわよ。今回は特別に"アレ"が作用してるんだし異世界から来てもおかしくはないわ」とレイカと呼ばれていた姿形は人間のような小さなしっぽを持った種族が目の前にいた
「ここは…?そして君たちは?」
と質問すると
「ここは"ハジマリの村"そう呼ばるてる"サクサラ村"だよ」
そう答えたのは丸くて白いしっぽに黒いクマのような耳を持つ獣人
「そう!ササメの言う通り」
と少し誇らしげに言ったのは小さな体をした茶色く焼けたような肌の少女
「君は?」俺が彼女に聞くと
「私は"スズコ"雀の獣人なの、よろしくね」
続いて目の前にいる赤い髪のボーイッシュな子が「アタシは"レイカ"ペンギンの獣人。メスよ」
「ボクは"ササメ"パンダの獣人です。見た目はこんなですがオスです」挨拶が終わると「あなたの名前は?」と逆に聞いてきた
「俺は"サトル"人間だ。よろしく」
「人間…珍しい。やっぱり君は異世界からの転生者か?」
「そうなんじゃないでしょうか…」
「そう。なら話は早いわ」
「スズコ、ササメ、サトルを仲間にして役所行くわよ」
「そうしよう!さすがレイカちゃん」
「ナイスアイデア!」
2人はレイカの言葉で動き
「サトルさん、ボクらと一緒にこの世界で暮らしませんか?」とササメが言ってきた
「え…。あっ、はい!」としか言えず早速、俺にも仲間ができた
『異世界転生したのか、上等だ!いいぜ、生きてやる!!』と心の中で呟く。
そして元ニートの落ちこぼれはこの少し変わった異世界で転生生活を始めることになったのだった
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