懺悔の術
這いつくばって泣いているレイモンドを4人は椅子に座らせ
「はあ、これに懲りて浮気は
するな‼」
「全く、王になろうともあろう
者がなんてザマだ‼」
「ホントに、子供に
笑われるぞ‼」
「ふう、もう浮気は封印しろ、
もう取っかえ引っ変えする
歳じゃねーだろ‼」
4人の友人達は身分を超えた
兄弟のようなもの、自分の事の
様に情けなく美桜に申し訳なく
思っていた。
「良くこれを見ろ!」
ヴアルタンがセットして飛ばし
美桜の写る所を見せる。
「ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あはははは
な━━━━━んてね!
今お腹6ヶ月でーす。
ほら動いてるの分かりますかー‼
順調に育ってまーす。
レイモンドはあの女医さんと
結婚した頃でしょうねー!」
i|lilΣ( @Д@∥;)i|lil|み・・お?
レイモンドは画面に飛びつく!
美桜3姉妹はお腹を撫でながら
さあて━━━━━とおっ
いい男探そうねーえ!
マヤさんカフェの
皆さ━━━━━ん、彼氏出来たら
紹介しますねー。
産んだら直ぐパパ候補を探しますよ‼
カッコよくて
ウンウン
男らしくて
そうそう
女医さんとン千万の椅子で交尾
しないひと━━━━━━‼
パチパチパチパチ👏👏
美音の義兄になる人って
ヤッパリイケメンで
ウンウン
ナーンでも買ってくれて
オーオオ
部屋に女を連れ込まない人━━━━‼
パチパチパチパチ👏👏
勿論美歌の憧れる義兄ちゃんはー
思いやりがあって━━━━
ハイハイハイ
背が高くて、ヤッパリイケメンは必須
賛成━━━━━‼
な━━━━━んたって嫁意外と
交尾しない人━━━━━━✖
アハハハハ
ガックリと項垂れたレイモンドは
「酒をやめたら帰ってくるのか?」
ヴアルタンは
「イヤイヤ、酒より浮気を
やめ無いと帰って来ないと思うぞ‼
酒を控えろ
酒が浮気を唆すのだ
父親になろうと言う男がそんな
事してどうする‼」
「本当に帰って来る・・・か?」
「はぁ、お前、自覚するのが遅いぞ!
美桜の性格だからな━━━━━?
どうだろうなぁ」
アルベルトが窓から空を見ながら
呟いた。
「そうだな!
もう手遅れかもしれんぞ‼」
4人はポトン、ポトンと腰を落とし
ながら又動画に釘付けになる。
美桜の妹達可愛すぎ💓💞
レイモンドは安定剤を飲んで眠って
しまった。
深い深い眠りに落ちて行った。
「あ‼パパだ━━━」
双子の1人が、俺に飛びつこうと
走り出した時
「ダメ‼ パパはパパじゃなくて
おじさんになるんだよ!」
もう1人が大声を出して止めた。
走り出していた娘の足もピタリと
止まった。
「聞いていた?ママがパパは
女医さんの彼氏なんだから
もうパパじゃないってグスン
言ってたでしょ。」
もう1人の娘はスカートの
裾を力いっぱい握って
「うわ━━━━んうわぁぁん😭😭」
「パパは、私達より
あの女医さんが良かったの━
パパ、パパ、どーして💦」
「ママがパパは女医さんのだから
取ったら泥棒猫なんだってー😭💦」
「パパじゃなくなったから
会えないんだよ😭」
「会いたかったよー😭」
「ママがね、婚活して新しい
浮気しない優しいパパを
探してくれるって約束して
くれた。」
「パパは私達より
女の人の方が好きだったの?」
「自分の娘より、女の人がいいの?」
「ママを嫌いになっていたの?」
「ママ、泣いていたのに
ママ、パパに会いたがっていたのに」
2人の娘は白いワンピースを
着ていて美桜そっくりの
寂しそうな顔をして並んで
立っていた。
そして2人に駆け寄ろうとしたら
地が半分に割れて娘達は
小さな手をゆっくりと振りながら
消えて行った。
「パパ・・・さよなら」
「パパ会いたかった•・・バイバイ」
一言の弁解も出来ず
目が覚めてもレイモンドは
泣いていた。
━━━━あああアアア悲痛な叫び声が
月まで届きそうだった。
その夜は何時に無い冷え込みで
寒さを増した冬の夜
レイモンドの声は、静かな満月の
夜に高く高く悲しみを
おびた遠吠えが響く
まるで丘に立ち家族を探す
オオカミの様に・・・
静けさが余計悲しみを費やすように
その夜は更けていった。
その夜まや1人地球から帰って来た。
アリア、タニア、ジュリア、マヤ
はレイモンドの反省が見て取れた
ので、最後の仕上げをする事に
した。
出ないとレイモンドの気が狂って
しまい国が暴落寸前だと危機を
感じていたからだ。
自業自得とはいえ、懺悔の術は
レイモンドには効きすぎたようだ‼
星型の円の真ん中に丸い茶色く
輝く時計を置いて四人は
北、東、南、西の方角に立ち
1箇所づつ呪文をつぶやき右回りに
5回回る。
時計は歪み星型の周りは左回りに
回転し始めた。
グルグルグルグルグルグル
やがて渦と渦が左と右でぶつかり合い、雷が鳴り響き、朝昼夜、朝昼夜
を早送りの様に繰り返し
地響きを繰り返しイナズマが走り
やがて静かになった。
4人はレイモンドが浮気する朝に
時間を戻した。
リザが消えて最高の魔術が使える。
今だからこそ出来る技だ‼
この魔術は、500年に1回しか
使えない!
魔女から魔女へ言い渡しで
その技術は伝えられていた。
マヤもアリアもジュリアもタニアも
使ったのは初めてだ。
この国の為、沢山の民の為
2人は結ばれ無ければならない。
神が決められた事なのだ‼
レイモンドは執務室で寝ていた
ボロボロと涙を流しながら
まるで命をすり減らす様に
眠っていた。
「殿下、殿下、殿下︎💕︎💕
オ、キ、テくださいませウフン💓」
甘い声でレイモンドは目を覚ました。
すると女医のアンが居た!
ウワ━━━━ッ‼
「あら?どうされました?
近くに来たから、お顔を見に
来ました、美桜様はお変わり
ありませんか?ウフン❤」
レイモンドはハッとした
あの日と同じだ・・・!
「今日は何日だ?」
「2月9日です・・・けど?」
『2月9日?あの日だ‼
正夢か?予知夢?か?』
レイモンドはじっと執務室の電話を
見た。
『ここで美桜から電話が来る‼』
すると執務室の電話がなった。
レイモンドはバタバタしながら電話
を数回落としつつ
「美桜、美桜か?」
「あ‼ お仕事中?」
「美桜━━━━━愛してる♥
大好きだ♥
美桜が居ないと俺は、俺は‼
会いたい、直ぐ会いたい♥」
「う・・ん?キャラ違う気する?
お昼ご飯一緒にと思って来たの!」
「む、迎えに、迎えに行く
動くな、じっとしていろ‼」
「え‼」
「先生来てるから見てもらえ‼」
レイモンドはドタバタと執務室を
飛び出て、エレベーターの前で
じつと佇む美桜に駆け寄り
キスの雨を振らせた。
そりゃーもうしっこいくらいに・・・
ギャーギャー叫ぶ美桜の奇声に
何事かと皆が出てきて高みの見物
に来た者達は・・・
(⊙⊙)!!
びっくりしたのは城中の人達より
美桜だった。
浮気を疑いやって来たのに
この歓迎ぶりは恥ずかしい。
「美桜無理しちゃダメだ
俺は美桜以外愛さない!」
「え?ヤダ恥ずかしい‼」
「何が恥ずかしいんだ?」
「先生も見てるし•・!
み━━━━━━━んな見てるし💦」
先生は冷たい顔をしてフンツと
顔を背けながら出て行った。
プンプンプン
「先生なんの御用だったの?」
「は?さあね!」
美桜の心配をよそにレイモンドは
本当に嬉しそうだった。
「美桜から来てくれるなんて
幸せすぎる。
夢じゃないよな‼❤」
と何回も聞き返した。
それからレイモンドは国民の前で
ピンクや赤や白、青のヒヤシンス
を100本抱え美桜にプロポーズした。
「俺と一時も離れず、生きて
欲しい。」
甘い香りに包まれて美桜は
「はい。」
と返事をした。
そして2人は直ぐ協会へ行き
生涯の誓いを立てた。
国民へのお披露目は来年になったが
2人の中睦ましい姿は
良く見かけられていた。
それから四魔女は、美桜の
全てをレイモンドに話
美桜の家族を天球に呼び寄せた。
父親と母親は有給を取り
妹達も有給をとった。
俄に信じられない話だったが
そこは、ちちんぷいぷい
魔法使いで良かったと感じる今日
この頃‼
アルベルトとクロードも、それは
それは楽しみにしていた。
レイモンドの執務室での夢は
アルベルトもクロードも共有
していた。
三人共、同じ夢を見ていたと言う
事だ‼
翌年可愛らしい子供が生まれた
成程美桜によく似た可愛らしい
双子だった。
レイモンドは、大喜び
「ああー娘達よ
やっと会えたな!💕
俺が父親なんだぞ、父親、父親‼
パパの座は誰にも譲るものか‼
愛が止まらない、誰にも抱かせ無い‼お、俺様の家族だからな!」
見舞いに来た四人の友人達を
睨みながらレイモンドは上機嫌‼
優しい微笑みを、なげる美桜に、
レイモンドは
「美桜、大事にする。
俺の愛する妻だ‼」
美桜に確認するように呟く。
「はい。」
その返事にレイモンドは又喜んだ。
結婚式はその後盛大に行われた。
美桜の一家もザブラルグルブに
来てもらった。
クロードは美音をエスコートし
アルベルトは美歌をエスコートした。
クロードは結婚式後ナタリーの居る
ミシェル邸に連れていき、その後
父親のいる王邸へと連れて行った。
アルベルトも美歌を連れて
マスカリッチ国へと帰って行った。
勿論美音にはジュリアが付き添い
美歌にはタニアが付き添った。
2人は大事な預かり者、
何かあれば我が主、レイモンドの
落ち度となる。。
レイモンドから、義妹達から
目を離すなよ
と命をうけていた。
この王太子らの、しつこさは
レイモンドも経験済み、
奴らに気を許すはずも無い‼
やがて義兄弟になるとしても
美桜の両親に申し訳がつかない。
清い付き合いをしろ、
クロードにも、アルベルトにも
しつこく伝えた。
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