自惚れ
ああ、酒のせいか‼
俺の貞操のなさか!
身重の美桜に手を出すのが恐くて
しかし溜まる物は
溜まるし・・・男だし、女の様に
出来ていない。
確かに100パーセント俺が悪い‼
なんやらかんやら、自分に言い訳
しても美桜の怒りが収まる事
は無い‼
仕方がない!
国家権力を使うしか美桜を取り戻す
手は、見つからない!
美桜が地球に出発したなど予想だに
しないレイモンドは、身重の美桜を
甘く見ていた。
身重だから、仕方なく帰って
来るだろう。
美桜も馬鹿じゃない、父親は、
必要だと、思っているはずだと
レイモンドは自信があった。
しかし顔を合わせづらく
そのまま2週間が過ぎた。
「おかけになった電話番号は・・・」
と、アナウンスが流れる
何回かけても同じ?
カフェに電話を掛けてみた。
「まあまあ殿下、お久しぶりです。」
マヤの明るい元気な声に怒りは
見られずホッとする。
「美桜は、元気にしておりますか?
殿下に会いに行ったまま帰ら無い
なんてヤッパリお城は
居心地いいんですねぇ━━
たまには帰る様に言ってくださいませ!」
Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!
・・・ってか‼ 帰ってないのか?
電話してる場合では無い‼
レイモンドが慌てて駆けつけ
カフェを探したが美桜は、本当に
居なかった。
「まあ、お城に殿下と居ると
思ってましたのに
あんな身重で何処に行ったの
でしょうね。」
ジュリアがエプロンで涙を拭き
ながら心配そうにする。
「そうだね、美桜の事だから
働いてるんじゃ無かろうか?」
マヤも遠距離操作しながら呟く。
「は、働く?美桜が?」
レイモンドは、思いもしなかった
事に不安を隠せない!
「働かないと食べれませんから
最悪、流産・・してるかも‼」
タニアもアリアも援護射撃
「え━━━━━働き過ぎで‼
流産━━━━━━‼」
「双子は生まれないって事?」
ピットも情けない声をだす。
「ウンウン、有り得る‼」
カフェの一同は、ガクッ、ガタッ
と、しながら椅子に崩れ落ちたフリ。
「やり過ぎじゃ?」
ピットがジュリアに囁く
シッ☝
「あの日、レイモンド様と
久しぶりに昼食をと、言い出して
楽しそうに出かけたのに
浮気現場に遭遇したと連絡を
して来た、それっきり・・・」
「そうですとも
てっきり仲直りして、お城に
レイモンド様と、暮らして
居ると思っておりました。」ウッウッ
アリアも嘘泣きをする。
「やはり殿下の愚業が
許せなかったのでしょうか?」
ジュリアもウッウッ
カフェの者達は、二枚舌を使い分け
ながら、レイモンドを追い込んで
行った。
レイモンドはフラフラと飛んで来た
季節外れの蝶の様に歩き出した。
魂が飛んでいた。
アリアがチャールズに迎えに来て
もらいレイモンドを支えながら
城へと帰って行った。
美桜とマヤは地球に着いて
美桜の実家の前にいた。
季節は冬、寒い寒い2月半ば
「うわぁぁぁ本物の冬だー‼」
美桜は空から降る白い牡丹雪を見
ながらはしゃいでいた。
「ああ、私も見た事があるよ
確か、魔法列車に乗って雪の国
を通った事がある。
真っ白な世界だった。
魔法使いしか入れない世界で
1時間くらい
みんな氷付いていたよ。」
お喋りする口から白い息が煙の
様にでる。
「やはりコートが入りますね
早く家にはいりましょう。」
\ピンポーン/\ピンポーン/
「ママー、ママー開けて寒い‼」
\ママー/\ママー/
中から美音が現れ(⊙⊙)!!
口をパクパク
「美音、誰なの?」
中からママが出てきてd(ŐдŐ๑)
次に一番下の美歌が飛び出して
来て(๑°⌓°๑)・・・
美桜はアレ?
黒い縁どりの遺影が見えて
「ん?誰か死んだの?
え、皆元気じゃん。」
近づいたら美桜のハツラツとした
遺影が梅の花、桃の花、菜の花
チューリップで埋めつくされて
いた。
佇む家族はポカーン動かない‼
「Σ(ŎдŎえ‼私ぃ━━━━💢
勝手にコロすな━━━━‼
ピンピンしとるワ‼」
美音が
「もう3年やで━━━‼
どこおったん。
しかもデブっちゃってまるで
妊婦か、相撲取りじゃん。」
うぅぅうぅぅ
「生きていたら何で、帰って
こんの?何処にいたん。」
「あ、ああゴメン、心配させて‼」
「パパ、お坊さん迎えに行ってる。」
美桜の葬式で家族で盛り上がっているとママがマヤさんに気がついた。
「あ、すみません美桜の
お知り合いですか?」
マヤさんは玄関に佇み頭をさげた。
「申し訳ありません、私が美桜さ
《助けてもらったの‼マヤさんよ
私記憶無くしてて、知らない場所にいたんだ‼
それからずーっと記憶戻る迄
お世話になってて、やっと記憶が
戻って帰ってきたのよ。》」
ママは泣きながら丁寧にマヤさんに御礼を言った。
美桜は妊娠5ヶ月で旦那が海外出張
の為海外にいて3日前に記憶が戻り
姉であるマヤさんと実家に
帰って来たと嘘の報告をした。
美桜の義姉だと聞かされて、しかも
恩人、そう聞けばマヤさんは
他人では無い。
支障が無ければ部屋もあるし
美桜のお産迄いて欲しいと
ママは頼み込んだがマヤさんは
遠慮した。
「久しぶりの家族団欒を楽しん
で欲しい」
そう言っていた。
美桜とマヤの地球生活が幕をあけた。
美桜とマヤは、ピットの生家がある
イギリスに住んでいると話した。
イギリスの話はピットから良く聞かされていたし、逆にイギリス以外
マヤも美桜も良く知らない。
但し300年前の話だったケド
微妙。
連絡を受け、お坊さんに理由を話
パパは大泣きしながら帰ってきた。
マヤさんの話を聞いてせっかく
日本に来たのなら滞在しては
どうかと言い出して
パパは近所のマンスリーマンション
を借りマヤさんはそこに暫くは
滞在する事にした。
「せっかく身代わり人形も楽しそう
にやってるし、私も勉強したいし
地球を楽しむ事にした。」
そう美桜に言うと
美桜も嬉しそうに頷いた。
美桜も自分の家にはあまり居なく
マヤの処に一緒にいた。
美音も美歌もマヤを慕い良く来ていた。
1LDKのマヤの部屋には笑い声が
絶え間なく響いた。
マヤさんが向こうの
様子をマヤ人形の目を使いTVに
写し出してくれた。
「あれっ?ワインラックが・・
無い。」
美桜は必ずレイモンドの部屋に
ズラ━━━━━━━ッと並んだ
ワインラックもワインも消えていた。
「殿下?お酒は
辞められたのですか?」
マヤ人形が質問する。
「ああ💦禁酒をしている。
美桜が帰るまで飲まない!」
マヤは呆れていた。
美桜はマヤの顔を見て
「はあ💨
マダマダだねぇ~⤵もう酒辞めた‼
って言うまで帰らないで
おくか‼」
ポッンと呟くマヤに美桜はフッと
苦笑い😅。
アリアの提案で、子供の成長くらい
父親だから知る権利もアリかな
と言われ六ヶ月たった頃
ムービーを送った。
マヤの見たままが、マヤ人形に
送られる。
アリアとチャールズがレイモンドに
見せるか見せないか決定する。
反省が足りなく遊びに行くなら
もう見せない。
しかし確り反省するなら
見せる事にした。
レイモンドは最初は
「出て行った奴は、関係無い
美桜の話はするな‼」
そう言っていた。
「ハッ、失礼致しました。」
チャールズはレイモンドの
部屋を出ようとした頃
都合良くクロードがやって来た。
「ん?何を、レイモンド怒ってんの?」
クロードはチャールズを見ながら
不振な顔?
「ハッ‼クロード様、実は・・・」
「オーオオ俺が見る
客室へ案内しろ‼」
「ハッ‼」
勿論客室のドアは開けたまま
ソファーにチャールズとクロード
が腰掛けた。
後ろから視線を感じる。
「アリアさーん、カフェの皆さん
今日は海に来ましたよー」
スタイルど━━━━ですか?
ビキニ似合ってますか━━━━ぁ
Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!レイモンドは
美桜の写るお腹に御注目‼
美桜ソックリな美音にビキニを
着て出演依頼‼
美音は美桜のフリしてレイモンド
に訴える。
「子供居なくなったから安心して
女医さんと結婚してねえー‼」
妹達にはレイモンドの浮気の事を
話してある。
ガタッガタガタガタ━━━ドンッ
凄い音に2人が振り返ると
(⊙⊙)!!Σ( ̄□ ̄)!
ドアが開きレイモンドがブッ倒れて
いた。
チャールズは、このムービー
は視聴済み慌てない‼
余りの予想を裏切らないレイモンド
の有様にクロードも(⊙⊙)!!ビックリ‼
医者を呼び、レイモンドは自室で
ウンウン唸っていた。
「な~んてね!」
その後に立派なスイカに成長した
美桜が現る、
「これ妹の美音でぇ~す。
ソックリでしょう。」
「エエッ、全然似てないぞ‼
美音の方が数倍可愛らしいし
愛らしいぞ‼。❤」
「どっちが美音でしょーか‼」
「こっちが美音だ‼︎💕︎」
チャールズとアリアはクロードが
ムービーを見ながら興奮して
いるのをアングリとして見ていた。
その後アルベルトがやって来て
しばらくクロードの馬鹿っぷりを
堪能して長い脚を組、珈琲☕を
飲みながら楽しんでいた。
「オネエちゃーん。」
青いビキニを着てアイスを持ち
はしり来る美歌にアルベルトの
目が止まった。
「かぁ~かぁ~かあ~」
チャールズとアリアは?
「かぁ~??!?(´꒪⌓꒪)カァ?( °᷄д°᷅)?」
「カワイイイッ💕💕」ガシャーン
アルベルトは珈琲を落とし
すっ飛んで、クロードの横に興奮
しながら座った💞
チャールズとアリアは‼
Σ( ̄□ ̄)!(๑º ロ º๑)!!
美桜が
「妹の美歌でえ~す。
似てるでしょう。」
「全然っ似ていない!
美歌の方が可愛らしいいーっ‼」
アルベルトも美歌にウットリ‼
この2人を使い、アリアは、
レイモンドを追い込む事を
手伝わせる事にした。
「手伝って貰えましたら
美音様と美歌様に、お二人を
合わせるとお約束致します。
2人は🐒猿がシンバルを持って
ウンウン言うように頷いた。
レイモンドがブッ倒れたと連絡を
受けたヴアルタンとロベルトが
すっ飛んできた。
4人はレイモンドを取り囲み
見合いを進めた。
「レイモンド‼
又見合いでもしてみないか?
今度は我々4人がコレぞと言う
令嬢を探して来よう。」
クロードがニヤニヤするのを
泣きそうに抑えて言う。
「子供は居ないんだから
いいんじゃないか?」
アルベルトも呟いた。
「美桜様が帰られる保証は
無いし」
ヴアルタンもボソッと呟く。
「ムービー送って来たのは
幸せな証拠だ、現に楽しそう
じゃないか‼
記憶が戻ったんだな‼」
ロベルトも下を向いて苦しそうに
肩を揺らしている。
何も知らないレイモンドを
いたぶるのはなんか楽しい😊
美桜が流産したと思い込んでいる。
お前ら💥💢💥
「もう一度、言って見ろ⚡」
レイモンドはショックの余り
爆発=͟͟͞͞💣💥
クロードが
「お前が自分で家庭崩壊の道を
選んだんだろうー‼
美桜が可哀想だぞ‼ククク」
「助けてくれ━━━‼
俺が悪かった、酒も辞める‼
美桜を探してくれ、俺の力じゃ
見つからないんだ‼
子供は死んだとは思え無い‼
なにかの間違いだよな、な‼な‼」
レイモンドは( ,,>з<)ブッと吹き出し
そうなアルベルトに飛びつき又
クロードに飛びつき懇願した。
「俺のせいなのか?」
四つん這いになり泣き叫ぶレイモンドは、今まで見た事が無いくらい
哀れで悲しげで
何度も何度も床を叩いて掻きまくり
爪が割れていた。
それを見た4人は唖然とした。
『やり過ぎじゃない?(笑)』
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