闇の始まり

エミリアは嬉しそうな顔を上げると

レイモンドが頷く!

微笑ましいバカップル‼


「は!ああそうですか‼

百年の恋も一瞬で覚める

よく言ったもんねー

いや違った3百年ダッケ‼」


「ウ、グググ」

エミリアは美桜を睨みつけた

この時美桜は、エミリアの逆鱗に触れた。


「クフ、そのババアとお似合いじゃん。レイモンドには振り回されて

ばかりだし!

私と居ない方がえんでないかい‼

レイモンド殿下に申し上げます。

アンタなんか大、大、大キライデス」


ムカァ

「下町の娘の癖に‼俺に意見するのか?俺だってお前は嫌いだよ

もう俺の前に顔を見せるな‼


二度と会いたく無い‼」


ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)

「あーそうですかぁー

そうでございますか!

町娘のぶんざいで申し訳ありま

せ━━━━━━━━━ん。

初めて気が合いましたネ‼

じゃあコレにて失礼いたします。」


軽いキンと言う金属音が響いた。

美桜の足元にビューンと飛んで来た物は、シルバーの☀をかたどった

ネクタイピンだった。


「え‼ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、ハハハコレって‼」


意地の悪い顔を美桜に見せながら

レイモンドは言う。

「ずっいぶん、やっすーい

祝いの品だな‼

もう( ⊙_⊙)ビックリ‼

んなもんいるかよ

か・え・す‼」


そうそれは美桜が城を出る時

レイモンドの結婚祝いに贈った

ネクタイピンだった。


😰

「あーそりゃあ悪うございました!務め先の給料が安かったので‼」


💥💢💥( `´)

レイモンドも条件反射のように

言い返す。


「要らないならこうしてやるぅ💢💢」


落ちたネクタイピンをガンガン踏んでグリグリグリガリガリ

またバンバン踏みにじる

これでもカ、これでもカ‼


最後に蹴りあげシュートー

ピンはビューンと飛んで端っこの

ゴミ箱にパコーンと音を立ててin


美桜は、ガッッポオーオーズ

シャャャャャャーア‼

ナイスシュートーォオ‼


皆呆気に取られていた。

美桜は、テンション高めにバンザイ

バンザイバンバンザーイ

とヤケクソに叫びながら出て来た。


「もうアイツとは無理だわー‼」

振り返ると泣いているエミリアの

肩をポンポンしていた。


「ケッ‼

騙されやすいオトコ、バカジャン。ザブラルグルブは、どうなる?」


ドア越しに美桜が叫ぶとレイモンドも負けずと叫んで来た。



美桜も💢💢ムカムカしながら

ドアをバ━━━━━━ンと閉めて

バウンドで開いたドアの隙間から

レイモンドがエミリアの

嘘ナ・ミ・ダを拭き拭きしている

のが見えた。


ドアの隙間から唇だけを出して

と叫んだがレイモンドは、知らんフリをしていた。


エミリアが

「美桜さん何処に行くのかしら!」

心配していないのに心配そうに

レイモンドの顔を見上げた。


「相変わらずエミリアは、

優しいね。

どうせカフェだろ‼

アイツ行くとこ無いからね

ほっとけばそのうち謝りに来るサ

エミリア、その時は

許してやってくれ。」



「勿論よ!

謝られたら許すわよ。

勘違いは、誰にでもあるわよ。

フフフ謝リニコレタラの話。」


美桜は、考えていた。

マヤさんのカフェに帰れば

マヤさんが殺られる。

みんな殺される。

必ず大軍を率いて攻撃に来るだろう

カラスが見張っている。

マヤさんのカフェには帰れない!


迷惑かけれない。

考えた挙句美桜は、ハンナに電話した。

「ハンナさんお久しぶりです。

時間が無いので一方的に喋ります。私にもしもの事があればお願いが

あります。「モシモノ、コトッテ美桜‼」

ごめんなさい、聞いて下さい

時間が無いの!

犯人は、エミリアです。

アルベルト殿下に、クロード殿下と二人でレイモンド殿下を説得する様にお伝えください。

エミリアにレイモンド殿下は、騙されてます。

このままではザブラルグルブどころか世界が滅びます。!


多分私が死ぬ迄そう時間はかから

ないでしょう。


ハンナさん色々お世話になりました。

テリーさんにも良くして頂いて、

嬉しかったです。

ザブラルグルブの端にあるマヤと

言うカフェに知り合いがいます。


ありがとうと伝えて欲しいんです。

ハンナさん。

出会えて良かったです。

サヨウナラ!」


美桜は話すだけ話したら電話を切った。

ハンナは只事じゃないとテリーに

知らせテリーはアルベルトに

しらせた。


美桜はエミリアを敵に回した。

エミリアは必ず狙って来る・・

必ず・・・・





その後、美桜はホームにいた

行き交う電車を見ながら考えていた。

何処へ行こう。

なるべく知り合いの居ない所へ

アイツはヤバイ‼


美桜は来た列車に飛び乗り暫くウトウトしていたが時間があるので

本を読んでいた。

本を読み終えた場所で降りよう

そう思っていた。


ふとレイモンドを思い出す。

もう会うことも無いだろう。

美桜は死を覚悟していた。


フフフ喧嘩ばかりしていたなぁ。

レイモンドとの出会いから昨日

迄の事が走馬灯の様に駆け巡る。


ガタン・・ゴトンガーギギギー

物凄い音をだし列車が止まった!


ドヤドヤドヤと髑髏マーク集団が

入って来て美桜を取り囲んだ。


咄嗟に逃げようとしたら

小さい子を指差しクイクイと親指を曲げて美桜を見た。


《関係ない人を巻き込まないで!》

美桜はガタイのいい男を睨みつけ

声を殺して叫んだ!


あの夜ガラシアンで見た頬にキズ

のある男が睨みを効かせ


「お前次第だ‼

もし暴れたら向こうから来た順に

殺る‼」


美桜は「分かった‼」

と呟き男達に着いて行った。

目と口を塞がれワゴン車に乗せられ

1時間程走った。


坂を上り始めた

牛の鳴き声や鳥の声がする。


「山?そこでコロすの?

もう勘弁して、ひとおもいに

ここで殺せ‼」

口を塞がれながらも叫んだ!


「フッお前怖くないのか?

命乞いしない奴は初めてだ‼

惜しいな、度胸有るのにな‼」

美桜は命を諦めていた。


しばらくガタガタと山道を登った。



この髑髏集団は、烏丸集団より

マシだった。

蹴り落とさないし、ドアは開けて

くれたし、最低のマナーは

あるようだった。


大きな施設前で降ろされた。

看板には ”死刑囚収容所” と書かれて

いた。


長い暗い木の道を歩く

しかし美桜は見覚えがある、

懐かしい胸が押しつぶされるような

思いがする。


「お母様」

口からポロリと零れた。

ここの土地は知っている昔遊んだ

山や川や谷

随分、様変わりしているが懐かしい。





レイモンドは昨日の事もあり

何となく落ちつかずカフェに電話

した。


「美桜?帰っていませ・・んよ。」

マヤはガチャリと電話を切った。

事のあらましはアリアから聞いて

心配していた。



レイモンドもそれを聞いて流石に

心配になった。

「あのバカ、どれだけ心配かける

何処に行ったんだ‼」


エミリアも用事が出来たとバタバタ

と帰って行った。


さらにチャールズもアリアと妊活

するから2週間休みをくれと言い

出して、そうゆう事ならと休みを

取ることを許してやった。


夕方アルベルトから美桜はいるかと

電話があった。

続いてクロードからも・・・・


何故だ?・・・・?


「美桜はいるか?」


「何故そんな事をきく?」


「どーなんだ?居るのか居ないのか?を答えろ‼」


「何処にいるかわからない。」


「・・・・ヤバイぞ‼

美桜は命を狙われてんだそ‼」


「いやあれはマスカリッチ国で

ココはザブラルグルブだ、心配は無い‼」


「エミリアは?」


「今朝帰国した。」


「は?一緒に住んでいたのか?」


「部屋は別‼」


「お前何考えてんの?

美桜ヤバくないか?

今から行く、クロードもヴァルタンもロベルトも集合かけとけ‼」


アルベルトはヘリでやって来た。


そして、アルベルト、クロード、ヴアルタン、ロベルトがレイモンドの部屋に集まった。


アルベルトが、美桜の伝言を伝える。


聞いていたロベルトが

「やっぱりな‼」


ヴアルタンも

「な〜んか時々きもちわりぃんだよ

目付きとか、言葉の端々な‼」


アルベルトが顔を顰めてレイモンドに詰め寄った。

「お前‼ 美桜からのプレゼント

投げたんだってな!

しかも安物とか、言ってサ

さらに、もう関わるなとか、

言ったんだってな‼ ドン‼」


アルベルトはテーブルを叩いて

ギロリと睨んだ!


「ち、痴話喧嘩だよ‼

美桜だって、本気にしてないサ‼

(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…多分」


「いやいやいや‼

可也やり合ったらしいじゃないか‼

城中の噂になってたぞ‼

エミリアを庇ったんだってな‼

それにエミリアは、もう我が物顔で

メイドや使用人に当たり散らしてる

らしいじゃないか‼」


ロベルトが呆れた顔でレイモンドを

チラ見する。


「レイモンド、エミリアが

我が物顔で城にいる事

知ってるよな!」


ヴアルタンも以前と変わった城の

雰囲気を感じていた。


レイモンドはハッとした顔をした。

「は?お前サイテー」

アルベルトも呆れた様子。


「普通、好きな女を庇うよな‼

しかもエミリアと婚約したのか?

噂は結婚間近らしいじゃん。」

クロードも呆れ返った様子で

レイモンドに確かめて来た。


「もしそうなら俺が美桜を連れて

帰る。」

アルベルトが叫んだ!


「いや、俺が貰う。」

クロードも譲る気がないらしい。


何馬鹿な事を言ってると言う顔で

クロードとアルベルトを睨んだ‼


「はァ…💨

レイモンド、お前美桜に

美桜が襲われた日エミリアと

一晩中一緒に居たって宣言した

らしいじゃん」

クロードが呟いた。


「おう、あの日隣国の舞踏会に

エミリアもルチアマンダ国の姫として呼ばれていて、ただ一緒に居たんだ。

それだけ、意味は無いダロ‼」

レイモンドはドヤ顔で皆を見た‼


「一晩中一緒に居たって

美桜に言ったのか?」


「ああ‼言ってやったよ

ギャフンとな‼」

ふんぞり返るレイモンドを見て

呆れ返った4人だった。


アルベルトが

「お前、最低な馬鹿だな‼

何行っちゃってんの?

お前美桜が一晩中男と居たって

聞いたら、納得できんの?」


「勘違いすんな‼

パーティ会場には沢山居た

俺達は2人っきりにはなって居ない‼」


「エミリアといたんだろ‼」


「そ、そうだ、そう言ってるだろ‼」

それを聞いていたクロードが

ひつくり返った。


「(▼皿▼)アホちゃうか?」

4人は呆れ顔‼

「美桜はエミリアに狙われたって

言ってるんだろう、そう聞いたぞ

お前なに考えているんだよ!!」



レイモンドはまたまた自己弁護

「あの日エミリアは、シーソ地区まで行ける訳無いだろ‼

ヘリ飛ばしても2時間かかるし

二、三分で移動出来るわけない!」



「じゃあ美桜が嘘ついてる事に

なるな‼ そう思うのか?」

クロードが頭をガシガシ掻きむしって詰め寄ると


レイモンドはタジタジしながら

「いや、そんな事は言って無い‼

勘違いと思う。」


「じゃあ‼ 美桜が居なくなって

エミリアも帰国したっておかしく

ないか?


アイツずーっとお前といたよな‼

だいたいその辺からお前はバカ‼

美桜が居なくなったのとエミリアの

帰国は?偶然か?」

アルベルトも不審に思っている。


レイモンドは頷きながら

「偶然に決まっているし

俺はそう思っている。

エミリアがいたのは俺を看病して

くれていたからだ‼

変な詮索はす・る・な・‼」


アルベルトはつかさず

「俺の密偵のテリーの話だと

美桜は偉く急いでいたそうだ、

そして、ハンナとテリーに

別れの挨拶をしたそうだ‼」


「≧(´▽`)≦アハハハ考え過ぎ‼

美桜思い込むトコあるからな‼

お・お・げ・さ!」


ヴアルタンも呆れながら

「レイモンド、お前本当にそう

思っているのか?💥💢💥」


「勿論だ‼」


クロードも声を荒らげて レイモンド

にくってかかった。


「美桜は人の為に身を引く

ガラシアンにいた時も母や俺や

使用人の事を考えて

居なくなったんだ、美桜のいた

カフェのマヤから聞いた。

そんな美桜が大袈裟に嘘をつく

なんて考えられん。」


クロードはスックと立ち上がり


「無理だ‼

レイモンドは話を聞かん‼

これ以上は時間のムダ‼

ロベルト、ヴアルタン、アルベルト

帰るぞ‼


レイモンドお前はエミリアと

仲よーくヤレ‼」


アルベルトも

「ダメだ‼ コリャー」

その言葉を合図に四人はガタガタガタと席を立った。


「じゃあな!」


四人は城を出た。

振り返った城を見て何かドス黒い

雲に覆われた様な異様な雰囲気に

包まれつつある様なそんな恐ろしい

気を四人とも感じていた。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る