マヤさん家に居候

マヤさんは部屋を貸してくれた。

木目調の階段を上がると一番

南の部屋を使うように言われた。


ドアを開けると部屋全体は

モスグリーンで統一されて

ベッドの布団と枕はピンク

色で枕カバーはフリフリの使い心地が柔らかな上質の布でつくられていた。


「わぁー絶対特注品だ‼

可愛い。」


クローゼットの中の服は好きなのを

選んで着なさいと言われたが

丸坊主に似合う訳もなくチンチクリン


仕方なく着てきた白のTシャッと

ジーンズに着替えた。


しかし風呂を見て心が踊った‼

何ヶ月ぶりのお湯

それだけで凄いセレブ感

リッチ 力半端ねー‼


ブラも用意してあるし

今時の物で使いやすい。

あー幸せ!



風呂を出るとマヤさんは、

サーロインステーキを焼いてくれた。


「ウワァォ〜

肉、肉やないかーい‼

バンバンザーイヤッター」


ダラッタラッ口から肉汁が出るように

ヨダレが飛沫を上げている。

久しぶりのお肉

コーンスープに焼きたてパン


「ウンマ、オカワリお代わり

くださーい。」

“ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙柔らかいパン

もっちもっちじゃゃゃ﹏ん。“



「ああ、しやわせ﹏💓」

デザートのAppleパイ

リンゴが、ぶ厚くてサクサク


「おいっしぃ〜」


もうレイモンドに捕まってもよい

お腹はポンポコリン

やせ細った体は暖かいベッドに

包まれ満足しながら野獣生活を

振り返る。


「ヤッパリ、夜は暖かい布団 の

中が幸せ、干し草も寝心地

良いけど、お布団が一番。。」


そんな事を考えながら美桜は久し

ぶりの熟睡、深い眠りについた!



クックグルグルグーコオケコッコオーオォ

グルグルグーコオケコッコーォォ

朝4時ニワトリの雄叫びで

目が覚めた。



まだ夜は開けていなく薄暗いが

どこからともなく朝の気配と

少し冷えた空気が肌を包む。

美桜はぴょんぴょん飛び起きた。



少し明るくなると庭の様子も分かっ

て来る。


「ウワッヒョコもいるし」


昨日は暗くてよく分からなかったけど外には遅咲きの向日葵が畑イッパイに咲いていた。


一年分の向日葵油を作る為植えて

あるみたいだ。


向日葵畑から放し飼いの鶏が

沢山の出てきた。


烏骨鶏 チャボ コーチン

種類は色々特にチャボは光沢のある

茶色の羽の中に青い羽がチラチラ

小さな体がまた愛おしい。



「可愛いカワイー」



美桜は腰に手を当て身体を屈めて

ニワトリダンス

するとあの名曲がフルコーラスで

♬♩♪

コッコッコッココケッ🐔ー

コッコッコッココケッ🐥ー

私は〇〇〇〇〇卵売り♩♪♬🐣

♩♪♬♩♪♬♪♩♬♪♩♬

♬♩♪♩♬♩♪

町中で一番の人気ものぉ〜

産みたて卵は〜



美桜がフルコーラスで独唱しているとニワトリもゲココケッコー

と羽を広げてバサバサバサバサ

騒がしい庭を見に来たマヤは



「あらあらあらあら

朝から何事かと思えば・・・

ブフフフフ“なんて楽しい子だろう。」


マヤは嬉しそうに微笑んだ。


「ナタリーさんの御屋敷はヤギだった けどマヤさんのお家はニワトリかー、お花がイッパイある所も

同じじゃん。」



ふと厨房を覗くと

マヤさんはカフェの仕込みを

やっていた。


一宿一飯の恩義を忘れては

大和撫子の名がすたる!


部屋に帰り昨日マヤさんがくれた

ウイックを付けると鏡の中には

ミシェル邸にいた美桜がいた。


マヤさんのカフェに手伝いに行く為

クローゼットの中のフリフリの

可愛らしい半袖シャツとスキニー

パンツにきがえた。




「おはようございます。

お手伝いします。」


と声をかけるとマヤさんは


「オオオー

まあ‼ 美桜なのかい?

ったく本当に女の子だったんだね‼

可愛らしいよ。

似合ってるよ。」



マヤさんは嬉しそうに騒いでくれた。

チョット恥ずかしい、こんなに

可愛いを連呼してくれたのは

マヤさんだけだし〜w


それからお店は満席になり

美桜も飲食店のバイト経験が

あったからか、ホールも

ラクチンにこなせた。


厨房はさすがに異世界、やり方が

分からない。


マヤさんは

まるで魔法使いのように

なんでもパパパっとこなし

オーダーが止まることは無かった。


仕事しながらも珈琲とパンの焼ける

匂いは美桜を幸せにした。


朝のピークを過ぎた頃

厨房の近くのテーブルでマヤさんと

美桜は、朝食を取っていた。


甘さ控えたカフェオレと

バターをタップリ塗ったこんがりパン


バターの上にはアップルジャム

重ね塗り(๑˙ت˙๑)おいしー

マヤさんは苺ジャムを塗る。



ポテトサラダに焼きたてベーコン

エッグ、マヤさんは朝食を

しっかり取ると決めている。


昨日迄は食べたり食べれなかったり

なんて贅沢なんだろう。


「ヨシッ‼➷

しっかり食べて働くゾぉ﹏」


美桜の意気込みにマヤさんは大笑い

“カラン カラン“

カフェベルが鳴る


「マヤさん、飯お願いします。」

そう言ってノッタリと入って来た

青年はどうやらマヤさんの

常連さんらしい。


「あらあらいらっしゃい。」

と声をかけるとマヤさんは、

美桜に向かって言った


「私が行くから食べてなさい。

あの子城務めだから、昨日の事

聞いてくるよ。」


💦💭


「心配要らないよ。

美桜はどうみたって女の子

可愛い私の孫娘さ‼」



マヤさんはそう言うと飲みかけの

ブラックコーヒーをテーブルに

置いて立ち上がった。


「あの〜私見つかったら・・・」


「探してるのは男の子だよ。

美桜は女の子じゃないか‼」


マヤさんはポンポンと肩を叩くと

水を持って注文を取りに行った。



大きなリュックを椅子に置くと青年は、

と深い溜息を吐いた。


「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙💦

しまった、魂がぬけるw」

と慌てて口を両手で押さえた。


マヤさんは呆れながらお冷を出し


「馬鹿だねぇー、

魂が出るわけなかろう。

自分のきもちにリセット‼

リセットかけているんだよ。

いいかい

溜息はリ、セ、ツ、ト‼」


背の高い人の良さそうな青年は

「あ、あああ!そうなんですか?

いやぁ知らなかったな〜」


苦笑いをしつつ青年は

卵サンドと野菜サラダ、コーンスープ、ホットミルクを頼んだ。


注文の品を運びながらマヤさんは


「昨日からやけに町が騒がしいけど

何があったんだい?」



青年は椅子に身体ごと凭れ

ダランと伸びていた

余程つかれているらしい。


「何がってもんじゃありませんよ〜

聞いてくださいよ、みんなウンザリしているんです。」


彼はゴクリと水を飲んで



彼はマヤさんしか居ないのに

小声で喋りだした。





〃マヤさんだから話しますけど〃

「昨日殿下が少年に一目惚れ

したらしく・・・しかもキョロキョロ

ククク、少年に逃げられて


シカモコテンパンにやられたらしく

国をあげて探しているのです。

クスクス


殿


「そーなんですよ!

昨日から事務処理も忙しくて

ナンヤラカンヤラ、兵士の食事も

あちこちで経費、経費

非常線まではったりして、軍隊迄

出したりして、疲れましたよ。」



「へえええぇぇー

殿下がお熱かい∑(°口°๑)エッ?!

そんなにいい男なのかい?」


「いや、いい男とゆうより

女より可愛いらしいですよ。

護衛の話だと殿下の気持ちも分かる

程、可愛い系らしいです。」


青年はコーンスープをアチチチと

飲みながら卵パンにかぶりついた。


「で‼

それだけで罪人あつかいかい?

罪名はなんなんだい?」



突然青年の肩が揺れだした。

「罪名は?」


「ククク ブッ`,、 '`,、ブブブー」


「汚ーい、唾飛ばすな‼」

マヤさんはペシッと頭をこづいた。


「ウハハハハヒャハハご、ごめんなさい‼

ブハハ、でっでっ殿下をぉー

ブフフフフ」


「殿下を?」


「も、もモモモ」


「も?イライラ」

マヤさんは早く喋れと


言わんばかりに急き立てる。


「も‼イラッ💢早く言え‼」


「でっ、殿下をぉーも、弄んだ罪

ー‼ハァハァアハハハハ


今度は

マヤさんが深い溜息を付いた。


「で‼捕まえたらどうなるんだい?」



「殿下の付き人で傍におくそうです

よ。つまり、多分ですけど

アレですよ。アレ?」

アハハハハ!


ドンドンバタバタ

彼はテーブルと足を叩きながら

くるしそうに

ヒーヒー笑っていた。


「まさかの・・・男妾かい?

レイモンド殿下も大人気ないねぇ」




マヤさんは青年を眺めながら

「何を想像したら・・・あんなに

笑えるのかねぇ!


外でその話はNGだよ

下手したら、あんた侮辱罪だよ‼

気をつけな‼」


それまでコロコロ笑っていた

青年もさすがに青くなった。


「お待たせしました。」


デザートの牛乳プリンを美桜が

テーブルに置くと青年の目が大きく

開いた。


「❤あ、この子はね私の孫娘でね

私ソックリだろう﹏

可愛らしいだろう﹏

デモ‼許婚がいるから手ださないでね〜w

しばらく此処に居るから城の男達にも言っといておくれよ!


もう売約済みってね。」



「あ💦ああ‼ そうなんですか?

わ、わかりまし・・・た。」


と力なく呟いた!
















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