美桜vsレイモンド。

「レイモンド、アラール?

お前が・・・レイモンド?」


「そうだ‼

怯んだか?」


美桜は顎をつきあげて、

「フ、フン(˘^˘ )プイッ

どんだけ、

お偉いかしんないけどォ〜

えっらそうにすんなぁ」


「は?」


「だからァ! いい歳こいた

オッサンが子供脅して、たのしいか‼

ってんの‼」

ꉂꉂドッꉂꉂハァーハッハッハッハハッハッハッハ!!


殿下がほんの一瞬美桜から目を離し

た時、スルスルスルと美桜は木に

登った。毎年G.Wで祖父の実家の阿蘇山のふもとの竹山で、タケノコ堀に行った時竹山の竹で登り棒して遊んだ経験が物を言う。


山菜を取りに行った時、クヌギの

木のぼりしながらも木渡りして鍛えた。


猿にも負けない身のこなしは

山の神でさえ呆れた事だろう。


その時レイモンドが大声で叫んだ。


「おい‼ 小僧危ないから

降りろ💦・・・‼」


その一言を聞いた美桜は

・・・「は?」


「怪我する前に、


「は?ハハハ危ない?


え?お前に狙われてるのは

危なくないってか?


アンタが一番危なくね?

誰が見たって


一番あぶねーんだよーっ‼」

俺は未だ ド変態に捕まえられたく

ねーーよ。」

ぶぁぁぁーか!



「んだとぉ〜💢

ごらあああああああ!」


レイモンドが頭から湯気だして、

怒り爆発💣


レイモンドも美桜の登った木に

ペッ、ペッ、ペッ、必死に登り始めた。


《‼《くーっ‼ ヤバイヤバイ》》

そう思った時、

ズル・・・ズル・・・ズル・・ズルルルル

ドッテ━━━ン

イテテテテ、イテテテテ

ꉂꉂキャハハハハꉂꉂ


レイモンドはズルズルと滑り降ちた。


ꉂꉂアハハハハ)笑ヘッタクソー

「まじでーっ‼ うそォ

うけるんですけどォ

幼稚園の登り棒から、やりなおーし

バッカッカ殿下‼」


美桜はてっぺんの枝まで登り

べら〜ん べら〜んと揺らし棒高跳びの様に体を浮かせ枝伝いにピューン

ピューンと、木を渡り歩いた。


💥💢


美桜はてっぺんの枝を揺らし

ブラ〜ンブラ〜ンと弾みをつけ次の枝

又次の枝と渡って行った。


レイモンドの悲鳴に似た声が、遠くに聞こえて来た!

下の林は馬では通り抜けれない

勿論、人さえ遮る様な薮もある。



美桜は敵に塩を送るつもりで

レ、レ、レレレエロモンド♪♩➷♬

エロエロエロな♬➽♩♪

レイモンド➷♩♪♬

バーカ、バーカな人さラーい➷♬♪♩


滅茶苦茶な即興曲を歌い出した。

それは、もう大音量で‼


風に乗って、“特別班“ “特別班“

と緊急事態を知らせる様な無線の

声が微かに聞こえた。

レイモンドの奴、ヤバイ💦


美桜はもっと、からかいたくなったが自分に危機が及ぶのを恐れ木を伝うのをやめスルスルスルと木をおりた。


正直田舎のおじいちゃんおばあちゃんに感謝してもしたらない。


なんせ山猿も負けない、おてんば娘

に育ったのは夏休み冬休みGW

シルバーWに山にこもったおかげだ。


姉妹、逞しく育てと鍛えてくれた

おじいちゃん。御歳89

おじいちゃんおばあちゃん

会いたいな!


急にホームシックになってしまった。

体育座りをしてクスンクスン

知らない土地から知らない土地へと

渡り歩いて心細くなっていた。


すると、ブルンブルンとデッカイ音がして風が吹いてきた。

かなりの低空飛行をし

レーザを飛ばしながらヘリコプターが何台も飛んで来た。


運良く美桜の居る反対方向へとパラパラパラと音は小さくなって行った。


山は危険だ・・・

仕方ない、

リスクはあるが町へと足を進める

木の上から見た町は賑やかそうだった。


レイモンドに起こされ、立ち会いして、木登りして、ベソかいて

・・・腹減った。


ああオニギリ食べたい。

南高梅の入ってノリで巻いたオニギリ、おかか、昆布、明太子


この世界には、あるだろうか?

米が、🌾🌾日本人は米‼


食い物の事を考えながら足は進む。

“道は出来ている“

白蛇氏の言葉を信じて進むだけ‼


「あーあ米ないなら

🍖🍖🍴肉食いてーぇ

ゴクリ…🤤」




あ、あ

あ〜バタリ

「も﹏う、げんか﹏い‼

あるけな﹏い。」


美桜がフッと頭を上げるとギザギザの長い葉っぱが一面に揺れていた

🌽あ、あ、トウモロコシ

ジュルツ ジュルツジュルツ


おじいちゃんが育てていたトウモロコシの匂い。

ガバッと立ち上がり回りを見る。


クンクンクン完熟トマトの匂いもする

ん﹏ス、スイカ‼


ここは農園・・・

まだ夏野菜が沢山育っていた。


当然 “ガシッ“ とトウモロコシを掴む

モグッと もいで食べたい


しかし・・・美桜は野菜を育てる苦労も

知っていた。


握ったまま目を瞑り口はムシャムシャ

トウモロコシを食べている鑑賞に浸る!


“美味しい“ 今まで食べてきたトウモロコシの味が甦る。



クンクンクン今度は匂いを嗅いでみる

モジャモジャした毛で

“ヘッヘッ ヘーックショーン

フッフッフェークショーン


美桜は諦めたように、

“ฅやめよ‼ 余計お腹空く!“


「あら、面白いのに終わりかい!

食べなよ‼」


「はい。もう充分に

堪能しました。」


遂に妄想までしてきたか‼と振り返るとヒエ﹏

あの有名な アニメに出てきそうな

目がデカくて鼻が高くてちょっと

少女が着るような服を着た、背が少し低い80代位のおばあちゃんが

野菜カゴを持って立っていた。

おばあちゃんが・・・いる💦



「死にそうなんだろう。」

そう呟くとグリッともいで

「ほら‼ 遠慮は要らないよ‼」


“グワサッグワサッ“

トウモロコシのクリーム色のツブツブがニョッコリと丸裸。


「美味しいょー私が育てたんだ

いっぱい食べなさい。」


美桜は畑に正座して

「ありがとうございます。

いただきます。」

と両手で受け取りムシャムシャ

ムシャムシャガツガツガツガツ

と芯だけ綺麗ーに残し、もいでもらった6本をたいらげた。


おばあちゃんはスイカを抱えパリン

と割ってくれた。

スイカ独特の甘い香りがする

少し落ち着いたお腹はそれでもサッカーボール位の大きさのスイカを

ペロリと食べてしまった。


朝から何も口にしなく飲み物も無かったせいか、スイカの汁は美桜の干からびた体の隅々まで染み渡る気がした。

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