アウトドア ライフ
ジュリア達に別れを告げ美桜は
前を向いて歩き出した。
5分くらい歩くと
美桜はパッと振り返った。
今までの時間が嘘の様に
この山に入った太陽の高さと
山の雰囲気がまるで同じ事に
気づいたからだ。
まるで来た時にタイムスリップ
したように思える。
あんなに沢山の見送りが
何事も無かった様に人々の姿は
消えていた。
唯、草木が本をめくるように
パラパラパラパラ歩いて来た道を
閉じていた。
それまで舗装された道が
広がっていたにも関わらず
まるでこの地区を丸ごと隠す
ように消えていた。
又草を掻き分け入ろうとしたが、
役目を終えたように
草木が邪魔をして1歩も進めない。
三百年、こうやって人の出入りを
拒んで来たのだろうか?
美桜は深い感謝と有り難さを
感じていた。
「😮オ────イ!!📣絶対、
元の身長に戻して普通の生活が
出来るようにしますからー」
木々が大きく揺れた。
美桜は叫んで約束した。
不思議な事が起こる世界、
だいたいこの世界が
存在する事すら不思議なのだ。
小人さんが教えてくれた川に出る道を進むと、大きな川にでた。
河原には人の背丈をこすような
岩があり真ん中には、
緩やかな川が流れていた。
肌色や黒や、茶褐色の石がゴロゴロしていた。
ちょうどいい座り心地の石を見つけ
ボーッと川面をみていたら・・・
ピョンピョン ・・・ピョンピョン・・・
ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ!! ウワッ 🐟🐟🐟
魚が跳ねた。
「う💦・・・美味そう💦」
美桜はバッと立ち上がりジーンズを膝まで捲りあげ
スニーカーを⌒。ポイッと投げ捨て
バシャバシャバシャバシャ川に走った。
流木を集め川を、堰き止め草を
サバイバルナイフで切り落とし
罠を作り上流から追い込んだ。
丸々太った鮎や、虹鱒、フナ
川魚がピョンピョンはねる。
美桜はシッカリ追い込んでいるのに
捕まえれない!
「あ﹏ん、もう‼」バシーンバシャバシャ棒で川波を叩く。
バシャバシャバシャバシャバシャバ
「ボブさんと 同じやり方なのに
な〜んで捕まんないんだー‼」
上流で馬に跨り水を飲ませに来た
若者が美桜の様子を見て
クスクスクス笑った。
「フフフツあんなにバシャバシャ
足突っ込んで暴れてたらクスクスクス
魚も逃げるワ」
若者は、ブーツを脱ぎ捨て川に入り
魚を捕まえ半〆にして⌒゜ポイッと
魚を川に投げた。
緩やかな流れに乗り魚はユルユルと
美桜の方へ流れて行った。🐟🐟🐟
フラフラとした魚が
美桜の堰き止めた罠にかかった。
しかもデカイのが3匹もっ‼
うひゃひゃひゃーやったああぁぁぁ
美桜は、大喜び口から自然とあの名曲が溢れる。
♩♬♪魚、🐟さかなぁー、
🐟をたべるとぉ♬
頭頭あたまがよくなるぅ〜っとぉ
足を片方ずつ上げつつ
手には魚を持ち
ピョンピョン跳ねる。
美桜は喜びのダンスを踊る
大きな口で歌い続ける、そりゃあ
もう大音量で。
誰も聞いていないと思いながら
ルンルン♬♪♩♬♪♩気分で
「やった、やったよ、捕まえたっ‼」
クスクスクスアハハハ
美桜の喜ぶ姿を堪能した身なりのいい若者はクスクスクス笑いながら
腹を捩らせた。
デカイ声で笑うのを抑えると
苦しかった。
「何やら楽しそうですね、」
「ああ、いい見物が出来たぞ‼」
チャールズは背丈が高く、腕もたつ
丸く細長い目をほそめて、あまりにも楽しそうな主人の顔を見ながら、下流を覗いて見た。
若い少年が飛び跳ねて魚を抱えている。主人が手を洗いクンクンと手の匂いを嗅いでいるのを見てさっしがついた。
「フフフツ、そうでしたか。」
「帰るぞ、チャールズ‼」
「ハッ‼」
迎えに来た数人の男達を従えて
ハッ ハッ ドウドウと
広がる野原地帯を沢山の馬と
勇ましい地響きを立てながら
走り去って行った。
川の音で何も聞こえなかった
食い意地のはった美桜は
石を積み上げ器用に
釜戸を作り流木を集め木の葉を集め
リュックにロザリーさんが入れてくれた着火マンで火をおこした。
子供の頃からキャンプ慣れした美桜には、簡単な事だった。
今、思えばスーパーで食材を買わず
現地調達、食材も自分達でゲット
する訓練をしていたら、
こんな魚取りの苦労も無かったと思う。
自然で自分を養うのは大変‼
竹を切り竹串に魚を刺す
またまたロザリーさんが入れてくれた塩をさかなにパッパッパーと
フリフリ
やがて香ばしい香りがそこら一帯に広がる。
よくよく見れば沢蟹🦀や、川エビ🦐がウロウロ、ポチャンポチャン
沢山捕まえて魚と焼いて食べた。
おーこれぞアウトドア、ライフ
バリボリバリ
やはり、果物や、野菜では取れない
カルシウムや、タンパク質
体にエネルギーが回り出す。
🦀よ🦐よ、🐟🐟🐟君よありがとう。
もう1つ贅沢言うなら
「あーコカコー〇、飲みたーい。」
アウトドアに炭酸は必須!!
お腹も満たされ、眠くなる。
暫く眠りについた、長く寝るつもりは無かったがかなり眠ったらしい。
明るかった川は、夜になり月が
ポッカリと浮かんでいた。
昼間の様な明るさに月見草の黄色やピンクの花が咲ほこって、昼間とは違う風景が広がっていた。
夏の終わりではあるが未だ川の水は
温い!寒い冬が来たとしても気温は
18度ぐらい。
寒い冬を過ごした日本と比べれば
この世界の寒い冬は3月下旬の気温。
「どっ、しょうかなぁ、
もう暗いし、山の中だシッ‼
エーエイッ‼ 」
美桜はバッバッバッと裸になり
ロザリーさんが持たせてくれた風呂
セットを出し身体の隅々を洗いだした。
「アッ‼そだそだ・・・ミサンガ、
ミサンガ」
美桜はミサンガを平らな石の上に置いた。
フワッ ポチャポチャ
「絶対前の私なら出来
なかったな〜w」
「フーッ、きもっちいい〜」
と背伸びをした途端、美桜の回りを
取り囲む様に虹が立ち始めた。
ビックリした美桜は
「ヤバイ、ケインが近くにいる‼」
放たれた光はケイン目掛けて飛んで
いる。
「ヤバイってえ〜」
美桜は慌ててミサンガを腕にはめた。
するとロウソクの日が消える様に
パッと消えた。
美桜は指輪に向かい
「時と場合考えようよ。
マッパだしっ‼ミサンガも
止めてよねっ!」
とミサンガを叱るが悪いのは月の
指輪でミサンガを離したから
虹の柱が立ちそうになったのだ。
悪いのは美桜だ!
ドドドド
ハッ‼美桜は耳をすせた、音は近くなる。
暫くすると、馬の嘶きが高く聞こえ
ドドドドドと土埃が上がるのがみえた。
沢山の馬の足音が聞こえたかと
思うと大勢の馬に跨る男達が
見えた。
美桜は慌てて服を着て
スルスルスルと木の上に上り
葉の茂みに隠れた。
20人ぐらいの群衆が丸い円になり
河原に集まった。
「探せー、探せー‼」
1人の男が必死で 叫ぶと右往左往に散らばって行った。
美桜は木の上から
「チッ、偉そうに何様かよ!
探すならウロウロしてないで
お前も早くドッカイケ」
美桜は1人になってから
独り言の癖がついていた。
然し彼には見覚えがあった。
ガラシアンのミシェル邸であの日
庭で振り返った背の高い男‼
「ナタリーさん家にいたイケメン〜
アイツだ‼」
そのイケメンは、馬からトンと降りて木の枝にかけた
洗ったばかりの腰巻を不思議そうに眺めながら首をクネクネ・・・?
「なんだ!?、」
と一言呟いた。低音の響きは
美桜の耳にもとどいた。
木の上から見ていた美桜は、
ハラハラ、┣¨‡┣¨‡
「2枚しかないんだってばぁ💦
お願い持っていかないでぇ﹏ 」
Tシャツを加え声を殺して呟いた。
彼は ・⌒ ヾポイっとまた木の枝にかけ
美桜の作った釜戸に手を当て暫く
釜戸の周りを偵察していたが
諦めたようにコッコッコッと
馬の方に歩いて来た。
┣¨‡┣¨‡๑ΘдΘ๑┣¨キ┣¨キ*
美桜の隠れている木をジッと
ながめて来た心臓は🫀ドキンドキン
(ㅇㅁㅇ)!!!!!!!ヒェッ…
切れ長の鋭さを増す眼に美桜
は口を両手で塞ぎブルブル震えた。
睨む様に木を見つめフッと諦めたように馬に跨り ハッハッと馬を走らせた。
ハア﹏
一先ずε-ホッ
スルスルスルと木を下り、
馬の蹄の音を土に👂をつけ遠く
なるのを確認すると、安心したように
崩れ落ちた。
明日此処を出よう、ロザリーさんのくれた調味料もわずかだし、チーズも肉も恋しくなった。
ちゃんと椅子とテーブルで食事を
取りたい。
しかし・・・この道は大丈夫かな?
白蛇氏の・・・💦
“思うまま進みなさい道は出来ている“
と言うセリフが脳内リフレイン‼
『神の使いらしいし、大丈夫‼』
明日の食事を楽しみに就寝‼
☀️🌱
ピチュピチュ キィーキィー
ピイーピーィ
鳥の鳴き声にうっすらと目を覚ます
空は高く青い
ふぅぅぅう〜ん.。oOウトウト
バサバサバサバサー
バサバサバサバサ
ヒエーッ
そこいらの鳥たちの羽音に驚いて
目が覚める。
異様な雰囲気がする‼
まだ眠たい体を起こすとヒッ‼
美桜の目の前に銀色の艶やかな光を放つ、良く切れそうな刃が✧"✧ギラリ
その刃に美桜の顔が鮮明に映り込んでいた。
真っ直ぐ美桜の顔面を捕え右にも
左にも動けない、唯硬直して自分にかかる影を見る。
黒い磨かれたブーツ、
ピッタリとした茶系の乗馬服下
更に上は、真っ白のシャッに
黒のスーツ下のベスト
太陽を背に受け長い手と、長い西洋剣を鋭い睨みの効いた目で美桜を
見ている。
美桜を上から見落とすギラリとした
眼と、美桜のビクビクブルブルした
視線が━━━バチン━━(✧"✧)━━━
💦﹏:◉ᾥ◉﹏💦
と合った!ひえぇぇぇ
腰が腰がガクガクブルブル
『ど、どぅどうしょう、に、逃げれない腰が腰がー‼』
男眼力で美桜は、
押さえ込まれてしまった。
チョコレートブラウンの生きた目に、マッシュウルフの髪が風に靡き、まるで若獅子の様だ。
如何にも女の子にモテそうな俺様、
男はニヤリと口元が緩み
「そんな無防備でなんとする💢
川で寝るなら気を張って居ないと
最悪死ぬぞッ💢💢」
カチャリ、短い音がして
剣を持ち替えた、西洋剣の
長い刃が方向を変え美桜に
向けられた。
鼻の頭ツンツンと挑発して
又ニヤリと意味深な笑いを
むけてくる。
キ、キモッ‼
なんやコイツ‼
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