小さな人達と、ミサンガの訳。

シャロンも苦しんでいる民の為と

意を決し、泣く泣く承知したものの


殿下とリザの婚姻を見届ける気持ち

には、なれなかった。


何も知らされていない国民は

ケイン殿下とリザの結婚を祝福した。


町は花で溢れパレードは盛大に

行なわれた。


何もかもリザの計画通りに進んだ。


1ヶ月経つ頃に、ケインから

シャロンを妾にすると、

申し出があった、

勿論シャロンは断った。


ケインの隣にいるリザを毎日

見ながら正妻のリザに毎日挨拶に

行かねばならない!


しかもシャロンを妾にと

聞いたリザが怒らぬ分けが無い‼


案の定リザはシャロンに呪いを

かけ消そうとしたが信心深いシャロンを神様が天に召された。



そのままシャロンの魂は地球へと

飛ばされた。


リザがシャロンに呪いをかけた時

その場所に私達が偶然居合わせた。


その町の全員がリザの呪いの

煽りを受けた、身長はみるみる縮んで竜巻が起き、


私達は上へ上へと飛ばされ

目が覚めたらこの地にいた。


そしてピットが現れた。



ピットは虹の柱と同じ事を言った。


九月三日、月の乙女がこの地に

降り立つ。


それ迄に貴方達は香りの花を集め

繊維一本一本に香りを染み込ませ

ミサンガを作りなさい。



そしてそれを、乙女に捧げなさい。


それは、この天球を守る糧になる

皆で乙女を守りましょう。


ミサンガは隠れ蓑になる。


ピットはミサンガの作り方を教え

私達は同意した。


私達の三百年の始まり長い長い

人生をかけて、貴方を

待つ日々が始まったのよ。


それは、もう気の遠くなるくらい

長い月日の始まりだった。」


それからピットは暫く留まって

御身隠しのミサンガの作り方を

おしえた。


神の使いのピットが言うには、

リザは指輪の伝説を知っていても

月の乙女がシャロンとは知らない


10年前に太陽の指輪が

ザブラルグルブ、レイモンド殿下の

元に下った事を聞きつけ

リザは自ら殿下に会いに行った。


リザは震えた!


なんと三百年前の自分の夫、

ケイン、前にも増して容姿が良く

リザは、又惚れ直してしまった。



リザは、名を変えルチマンダ国

王女エミリアとして、

仮の王を立て魔法を使い行倒れの

浮浪者を自分の父とした。


浮浪者は用意された過去を

刷り込まれ何の疑いもなく

娘エミリアを、我が娘と思い込んだ。


20年前からエミリアはその男の娘

王女エミリアと名乗り、

新しい人生の準備をしていた。


リザに美桜がシャロンとバレ、


ましてや月の乙女と知られたら・・・


何人もの刺客を放ち

殺し屋を従えて襲撃に来る・・・それは、誰にも止められない。


まだ時期では無い‼美桜は無防備すぎる。


御身隠しのミサンガで、

美桜の正体を抑えているうちは、

指輪は光を上げない、

よってリザの目には止まらない。


美桜、貴方を守る為

御身隠しのミサンガは

必要不可欠な品


美桜あなたが、ケインいや

レイモンド殿下に近ずいたり、

すれ違って、

距離が近ずけば指輪は光を上げ

お互いを知らせ合うだろう。



前世でその約束を交わしておるのだからね、しかし探さずとも太陽の指輪の主はレイモンド殿下と知られている。


まだリザに月の指輪の主が美桜と

知られてはまずい。


このミサンガで封じなければ!

ミサンガを付けていれば光は抑え

られる。



仲間もバラバラだし体制も整って居ない‼まだ早すぎる、時を待たねば

計画は、成功しない・・・。」


一通り説明したジュリアさんは、


「神は言われた。

ケイン殿下が再び生まれ落ち

嫁取りをした時ケイン殿下を

世界の王とする。


シャロンもケインの手助けをして

騙され安いケインを従わせよ‼

月の乙女がいて王となる‼」


美桜は少し考えながら口を開いた。

「詳細は・・・何となく

でも三百年前の話ですよね。


こんな私を待っていてくださった

皆さんには、申し訳ありません。

まずは貴女方を元にもどしたい。


貴方達を戻してくれる人を探します。


ミサンガは有難く頂きます。

本当に有難う御座いました。」


虹色をしたミサンガはまるで7色の

ネジバナのようで美しく可愛らしい。


美桜の手をくぐらせるとスルスルスルとまるで生きている様にクネり

美桜の手首に巻き付いた。


美桜もジュリアも小人住人もビックリして動けない。


美桜が腕をあげると皆ひれふした。

乙女様、乙女様





ドッコオーイショッ‼

美桜が腰をあげると一面の

風景が広がる。


ピーターラビッ〇の絵本に出て来そうな可愛らしい家、家が並ぶ!


そこに広がる街並みは沢山の背の高い花々に囲まれ向こうの方に目をやると農村地帯が広がっている。


まるでドールハウスの様な可愛らしい家には、ちゃんと人々が暮らしていて田畑も生きている。

美桜は沢山の住人に迎えられ

暫く何日かを過ごした。


刈り入れを手伝い、種まきを手伝い

木の実を集め、薪を作った。


美桜のベッドは住人総出で作ってくれた。 楽しい時間はアッとゆうまに過ぎ美桜は、この町を出る決心をする。



「ジュリアさん皆さん

ありがとう。」


「長い別れじゃないわ美桜、

必ず会いましょう。

その時、私は元の姿に戻る時よ。

気をつけて、お行きなさい。」



そう言われ、小人さん達に見送られ

小さな町のエリアを出た。


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