ジュリアと美桜


美桜は歩くどっちこっちアッチ

前に進むしかないじゃないか!




蛇氏は、道は出来た。

思うまま進みなさいと言っていたが

地図もなく道標も無い。

何処へ行くかも分からない

ガラシアンを出て直ぐ四門に呆然と

立ちつくす。


右には、大きなカシノキの並木道が立ち、左には大きな楠木の並びがある。

前の道幅には向日葵街道があり

、分かっている事は後ろの道がガラシアンから続いていた道だと言う事だ。


必須と向日葵に誘われるかのように

前に前にと足をすすめる。

美桜の背丈を越した向日葵は

静かに鳥の声をかき消す様に

揺れた。


美桜は向日葵畑を抜けた所で

ロザリーさんの弁当を開いた。


ハム巻、サンドイッチ、

オムレツ、ナポリタン

ロザリーさんのご飯はこんな離れた

所で食べても


「美味しい。」

地球の親も心配しているんだろうな!ママのタコさんウインナーや

おにぎりも恋しいなぁ


寂しくなると諦めていた事も

思い出す。

「地球に、帰りたい!

剣道したい。」


暫く、休憩したら又美桜は腰を上げた。

もう夕闇が迫って来ていた、

初めての野宿、塒を探しながら

歩く。



広い野原に出るとリュックに入れて

いたサバイバルナイフを取り出し

草を刈り取りベッドを作り草の中に

潜り込んだ。



最初は冷ややかな

若草のベッドだったが時間が経って

ヌクヌクして、美桜も疲れていたから直ぐ眠ってしまった。

青草の甘い様な爽やかな様な

そんな香りに癒された。


静かな夜は満天の星

そんな暗闇に抱かれながら

美桜は又ケインとすごした穏やかな

日々の夢をみていた。


2人で川岸を走り魚を捕まえ

食事をする・・

ムニャムニヤケインzzzZZZ


ピチュピチュ、キーキー

沢山の動物や煩い程の鳥の声で目を覚ます。


「フアアア、なんか良く眠れたー。」

青々と高ーい空はもう9時位だろうか?

時計がない不自由さを思い知る。

「さあってとーっ」

「ん?何する!?」


💦・・・あ、兎に角、川を探そう

顔を洗いたい。


然し川は現れず、美桜は歩く

自生している野菜や果物を木に登り

ちぎりパクパク

ポキパキとセロリを見つけ口に

運ぶ、みずみずしい野菜や果物ばかりを朝から口にしていた。


しかしなかなかお腹はたまらない。

やはり肉、魚が食べたい、後

炭水化物も欲しい。


ある程度の空腹は収まるものの

成長期の美桜には、物足りない。


段々畑を登りつめると道が細くなり

遂に終わった。


道の終わり?



かろうじて獣道があるだけだ‼

美桜の背丈ぐらいの草薮は人の侵入を拒むかのように立ちはばかっている。


高く伸びた草を足で踏み倒し

ながら前に前に進む。


ジキタリス、シルクジャスミン

スイカズラ、背丈の高い草から

花々に変わっていった、後ろを

振り返ると美桜が踏み倒した草は

グルングルンと元の薮に戻り美桜の

通った後すらもかなかった。

まるで美桜以外の人の侵入を

阻んでいるようだった。


不思議な事もあるもんだと思いながら美桜は又前に進む。

ココは、時間の流れが違うのかな?

季節はバラバラ

木々は秋の始まりの花をつけ

そこら一帯野ばらが甘い香りを放っていた。そしてその野薔薇の取手を

抜けると、想像を絶する世界が現れた。


ササササー ササササー

=͟͟͞͞( 'ω' =͟͟͞͞( 'ω' =͟͟͞͞)==ササッ


何かが動く気配にバッ‼ 振り返る。


又前に進むと

ササササーササササー


「な、何?」

さすがの美桜も見えない敵に

警戒する。


美桜は近くにあった、藁こずみに

隠れた。



✤藁こずみとは新藁を貯蔵する為

円筒系に積み上げたものだ

昔から日本に、家畜の餌用に田んぼなどに沢山見られた。

草を刈り取ったものも、この要領で

積み上げてあり、やはり家畜の餌

として扱っていた。✤


そんな藁こずみに隠れチラチラ

美桜は様子を見ていた。


向こうもチラチラ草薮の中から

警戒しながら覗いてくる。

そんな事が1時間続いた頃


美桜は慌ててお腹を抑える

「ああ💦・・・ヤバイやっや!」


gu


www


笑われ者になり クスクスクスクスクスクス

美桜は恥ずかしくなり クスクスクス

何処らそこらから聞こえる、クスクスクス

小さな声がザワザワと美桜の事を

笑っていた。


この状態に疲れた美桜が遂に声を

出した。


「許可無く立ち入った事は、

ごめんなさい、あやまります。

直ぐ出て行きますから・・・」


そう言うと小さな女の人が出てきて


「貴方私達の言葉が分かるの?」



「え‼あ、はい。

分かりま・・す・よ。」

美桜は不思議そうに小さな彼女を

見た。

すると又小さな声がザワザワしだした。



「ねぇ男の子だょ。

おかしいな?女の子のはずだょ。」


「間違えた?」

「え?間違い?」

「人違い?」


「女の子のはずだょ・・・?」

そう言いながらゾロゾロと小さい人が出て来て取り囲んだ。


「男の子なら人違いだよ。」



ワイワイガヤガヤ!声は高くなり

沢山のどよめきに変わる。


1人の彼女が口を切った。

「おかしいわね?

言い伝えは女の子のはず・・・。」


そんな首を傾げる彼女にポッリと

美桜は言った。


「オンナです。私は女の子です。

訳あって、少年の様な容姿をしてい

ますが、私は美桜といいます。

れっきとした女の子です。」



一瞬水を打った様に静かになったが

💦

美桜は女の子なの━━━っ‼」

ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ!!皆ビックリΣ(゚д゚;)


「おい‼女の子だったって・・・。」

「え‼おんな?」

「オンナだってサ」

「ヒエ〜女‼」


「まああああっ‼

美桜は女の子なのねー

あなたはシャロンなんでしょう。

ねぇ、答えて、

そうなんでしょっ‼﹏」


小さな彼女は50歳くらいだろうか?

美桜の回りを嬉しそうに目を輝かせ、グルグルまわりだした。


「300年後の9月3日、午後三時

月の乙女この地に降り立つ


ああー神様。


・・・月の乙女貴方は神より使わされた

救世主です、皆でお待ちして

おりました。

シンデレラに出てくるような

小人さん達はナンジャラ、カンジャラ訳わかんない呪文を唱えだした。



「宗教?ち、ちがいますよ‼

日時、ピッタリ‼

私達はずっとここで貴方を待っていました。

貴方は月の指輪を持っていますよ

ね。」


「え、は・い。」

美桜は??クレッションマーク全開で

答えた。



「私達と会話が出来ていることが

立派な証拠よぅ。


私達の言語はこの国の人には

話せ無いの!私達の存在すら

誰もしらない。


私達は隠れて生きてきたの・・・

もう、長い事・・・。

月の指輪があなたを話せるように

しているからよ。


神の子にしか出来ない業よ。」



「えーっ‼

またまたまたぁ〜w

神の子?違いますよ。

私は普通の両親から生まれました‼

普通ですよっ てば‼。」

神の子?ありえません。美桜はケラケラ


・・・亜然とする小人さん達‼


「そう言えば・・爬虫類の方にも

同じような事言われました。

あなた方は何なんですか?

もしかしてエイリアン?」


「爬虫類って・・もしかしたら

ピット❢❢ ピットでしょう。

白い身体のヘビの‼」


「《えーッお知り合い?》

そうです、そうです・・白いヘビさん

デシタ。その方に、思うまま進め

と言われ進んだらここについたんで

す。

別に信じた訳ではありませんよ。

半信半疑ですから・・・」


目を潤ませ聞いていた彼女は


「 ああ💦神様〜

乙女様は地に足をつけらまし

た。」


と天を仰ぎ指を組みながら

方々に聞こえる様に叫んだ。


美桜はドン引き d(ŐдŐ๑)


彼女ジュリアは50歳

美桜を月の乙女と言い張る人物

何を根拠に、ややこしそうな事に

関わらそうとするのか?


納得するのは彼女ばかりで美桜は、

未だ納得出来る訳もなく


「めんどくさい‼」


そんな事を思っていた。



ジュリアはそんな美桜の心を

見透かした様に言った。


「貴方の左手薬指、うっすらと

オレンジ色の輪が見えているわ。

その光は太陽の指輪を探す為

光っているのよ。


良くご覧なさい!

月の光よ。」


それは、ジュリアの言う通り

今更よくよく見ると丸い月のデザインがうっすらとオレンジの薄い光の中に浮かんでいた。


昨日迄は唯、輪っかにしか見えなかったのに今日は薄いけどしっかりと

デザインが見えていた。



「この指輪はね、ついこの間迄は

私達が管理していたのよ。

見間違うはずは、ないわ。


ある日、虹の光が現れて

光の音がしたの。

九月三日午後三時、乙女がこの地を

踏む。指輪は七月三日ミシェル邸に

落ちるだろう。

月の指輪は乙女の手にある。

そう言って消えたのよ。」


そう言ってジュリアは自分の知る事を話始めた。


「あなたがケイン殿下と婚約?って

言うか口約束だけど、結婚の約束を

していたのは?ご存知?」


「《えーっ‎⊙⊙‼️》しっ、知らない‼

彼、彼とだけ聞いてます・・けど‼」



ジュリアはもっとビックリして、



「《エーツ‼》

ヤッパリー記憶が無いのね!

なんて事・・・‼」


美桜はしっかり頷いた。


2人のやり取りを小人さん達は

体育座りで興味津々に聞いていた。


「貴方と殿下は恋仲で、貴方は、

子爵の三女として生まれたのよ。」


「あ、白蛇氏に少しだけ

聞いています。」


「そう、何処まで聞いているかは

知らないけれど、

リザが交換条件を出したのは聞いてる?」


「あ、はい。

騒ぎを収める変わり結婚の条件を、出したのだと聞いています。」



「そうなのよ。

誤解しちゃ駄目よ

殿下はちゃんと断ったの‼

リザは怒り何万の命を奪った。

仕方なく殿下は承知したのよ。


シャロンも泣く泣く、受け入れた

と聞いているわ。」


「なんだかなー!」

美桜は納得できない顔をした。



「でもね、ケイン殿下は

シャロンと約束をしていたのよ。


結婚するだけだ、俺の妻はシャロン

君だよ‼リザには、指1本触れない‼

シャロン約束する。


国を護る為、仕方がない事」


それは、誰もが納得していた。


そして殿下はおっしゃいました。

「この世の愛しき妻は

シャロンだけだよ!

リザとは名ばかりの夫婦だ‼」・・・と。


٩(๑`ȏ´๑)۶なんじゃそりゃ

キープしつつの裏切りじゃんか!

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