第34話 攻略開始

 ダンジョン11階層。俺達は10人でまず足を踏み入れた。健太達が先行して用意していた地図を両方のパーティにそれぞれ持つ。11階層はゴブリンとでかいやつしか見てないらしいので基本でかいのを無視して進むことになると思う。


「ファーナ様その大きな魔物は本当に倒せないのですか?」

「一応試してみたんだけど、私達の火力では無理だったのよ」

「では人数が増えましたし、もう一度試してみませんか?」


 どうやらホルンさんはそのでかいやつに挑んでみたいらしい。確かにホルンさんの糸ならもしかするとかありそうな気はする。


「それならみんなの行動を確認しておかないとまずいんじゃないか?」

「はいはーい。私がまず浅めの落とし穴に落とすね」


 なるほどまずはファーナさんの落とし穴で足止めか。


「ではその後総攻撃になるってわけだな。私は剣で切りかかるつもりだが後衛の人は前衛の動きに気を付けてくれ。他に切りかかるやつはいるか?」

「俺短剣だからなー今回は大人しく裏から見てるわ」

「私は刀なので切りかかるつもりです」

「私は前に出ますけど、糸なので…あっ 他の方々の登録をしておきますね」

「ん、殴るっ」


 ユージンの言葉に健太、結奈さん、ホルンさんと返事をしている。みんな確かに前衛だしな。最後のリノの言葉にユージンが目を丸くした。


「…君は回復要員じゃないのか?」

「そう、だけど、殴る」

「つまり戦えると?」

「あたりまえ。そうじゃないと、中級、これない」


 まあ確かにその通りなんだけどな。リノはちょっと特殊な気がするわ。でもそれを言ったら俺もそうなのか。攻撃魔法も回復手段もあるし、一応剣も使える。だが、俺の剣なんて効果があるとは思えないので前衛として声は上げない。


「そ、そうだな…ん? ではヨシオも何か攻撃手段があるということか?」

「一応範囲魔法と剣が使えるが…大人しく見ているよ」

「そうか。じゃあ後後ろから攻撃に参加するものは?」

「私は弓です」

「魔法なら割とどの属性でもいけるわっ」

「私も魔法で援護します」

「じゃあ私は踊ってるね?」


 ファーナさんが弓、ミネとリリノアーゼさんが魔法、シーナさんは…攻撃じゃないだろうがっ


「では3人は前衛の動きに気を付けて攻撃に参加してくれ」

「「「はいっ」」」


 それにしてもユージンが仕切ってくれるから俺楽だわ。まあ特に緊急時の回復くらいしかやることもないし、俺は周りを見ておきますかね。


「では開始する! ファーナ、罠を頼む」

「ちょっ いきなり呼び捨て? ケンタだって呼ばないのにっ」


 文句を言いつつもファーナさんが角の手前に罠の設置を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る