第33話 よろしく

 それにしても勇者とかって本当に魔王倒すのが目的なんだな…意外性がなくてちょっとつまらないとか言ったら怒られるだろうか? とにもかくにも理由は聞かせてもらったわけだし、パーティに入れるかどうかを話し合わないといかんな。


「ホルンさん、結奈さんどう思います?」

「ダンジョンの攻略事態は一緒に行動しても問題ないと思います」

「そうですね、魔王討伐に参加を頼まれたら断るべきですね」


 なるほど、つまり上級ダンジョンになった後の攻略はやめた方がいいってことか。そもそも俺達がこの中級ダンジョンを攻略出来るかがまずわからないんだけどな。11階層ですらすでに厳しかったし。


「リノとミネは?」

「私もいいよー」

「魔王は、無理」


 どうやら問題なさそうだな。


「じゃあパーティ…」

「うをいっ よっすーなんで俺には聞かないんだよ!」

「私も聞かれてないよっ」

「よろしく」

「よっすーーー!!」

「最近あつかいひどいっ」


 うるさい健太とファーナさんを放置して俺は勇者(願望)に手を差し出した。相変わらず健太をからかうのは面白いなとか思っていないよ? 2人は最初から反対していなかったから聞かなかっただけだし。それといつまでも俺の適当な呼び方を変更しないといけないな。勝手に(願望)とかつけてたし!


「ああ、よろしく頼む」

「ところで名前聞いていい? 聞いたことない気がするんだよね」

「それはすまなかった。私は勇者ユージンだ」

「私は賢者リリノアーゼ」

「踊り子のシーナよ、よろしくね」


 ユージン、リリノアーゼ、シーナね。忘れないようにしよう。

 …となると合計10人で2パーティか。予定通り俺、健太、結奈さんの3人とファーナさん、ホルンさん、ミネ、リノの4人に分けると…俺たちのほうに賢者じゃなくてリリノアーゼさんには来て欲しいところだ。こっちは後衛が俺一人だからな。後2人はどっちが来てもいいが…踊り子って何するんだろうか? やっぱり踊るの?? というか踊るだけだったらマジいらんのだが。


「とりあえずパーティの組み合わせなんだけど、シーナさんって何が出来るのかな?」

「踊り子は踊るのが仕事よ??」

「その踊ることによって何か効果は…」

「気分が盛り上がるわっ まあ応援的な効果ね」

「……」

「それと剣舞が得意よ」


 剣舞って…武器を持って踊るってことだよな? 危なくね? …うん、シーナさんはあっちに押し付けよう。


「とりあえず11階層はボス部屋まで一緒に行動するから、仮のパーティってことで俺、健太、結奈さん、ユージン、リリノアーゼさんの5人とファーナさん、ホルンさん、ミネ、リノ、シーナさんの5人でいいかな?」

「11階層はなんでもよさそうだし、いいんじゃないかな?」

「ボスの、前、で調整」


 ミネとリノは問題なさそうだな。他のみんなからも特に文句も上がっていないし、今回はこのメンバーで11階層のボス部屋の前まで進むことが決まった。

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