第11話 3階層の水溜まり
2人が早々にボスを倒してしまったため、俺たちは中央の地面にあるタッチパネルを探すことにした。もちろんその間リトルウルフが駆け回り襲ってきたりするのでそれを処理しながらだ。
「健太様、3階層はどのような場所になりますか?」
結奈さんが3階層について聞いてきたので俺は知っている情報を話す。いきなり水の中から始まること、木々で区切られたマップだということ、魔物は猪みたいな魔物と子豚だということ、それと水たまりには襲ってくる魚がいることを教えておいた。もちろんボスのもっくんのことも忘れていない。
「ということはいきなり水中ということですか…」
3階層の開始が水中だと知ったホルンさんは若干顔を青ざめた。これはもしかして例のごとく泳げないということだろうか。逆に結奈さんは涼しい顔をしている。
「荷物も多いから3階層に移動したら今日は引き返したんだけどいいかな?」
「そっ そうですわね。早いに越したことはありませんが、まだ初日ですものね。このペースならあっという間に11階層まで行けそうですし、私もその意見に賛成いたします」
「まだやれそうですが…そうですね健太様方もそろそろ戻っているかもしれませんし、私もそれで構いません」
2人とも納得してくれたので早速俺はタッチパネルを操作し、3階層へと移動をした。先に行って2人が帰るのを見届けるので、まずは俺から行くのが当然のことだろう。
待っているとまずは結奈さんがやってきた。俺のほうを見て軽くうなずくとタッチパネルを操作し、姿が消える。次はホルンさんの番なのだが…中々やってこない。息が持たないので一度水面へと上がり大きくお気を吸い込んだのち再び水中へ。まだホルンさんはいない…いや、もしかしてすでに戻ったのかも??
自分の部屋へ戻ってみるといるのは結奈さんだけだった。彼女は紅茶の準備を始めていた。再び3階層へと戻ると目をぎゅっと閉じたホルンさんを発見。ちょうどすれ違ってしまったみたいだ。でもそれだとタッチパネルの場所がわからないと思うんだよね…まあファーナさんの時と同じようにタッチパネルを操作し、ホルンさんの手で触れさせ帰らせた。続いて俺も移動をする。
水浸しの3人が部屋に戻ったが足元にたまる水は順次乾いていく。どうやらダンジョンの性質のようで、掃除をしなくても勝手に綺麗になる。でも乾くのは床だけで自分は拭かなければだめなので、ホルンさんにタオルを差し出す。結奈さんはすでに着替えすら終わらせていて、なぞな行動が多いよくわからない人だと思う。
「どうぞ」
「…ども」
まあ紅茶はうまいんだけどね…紅茶を飲み始めると丁度健太とファーナさんも帰ってきたみたいだ。
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