第10話 もう2階層とか気持ちが付いていかない
「由雄様1階層が終わりましたけど、2階層へはどのようにいけばよいのですか?」
結奈さんが困惑した顔で俺のほうに視線を送った。うんうん…俺たちも最初わからなかったからね。
「タッチパネルの…ほらここ」
「なるほどここを選択すると行けるのですね」
「ヨシオ様時間もまだ十分ありますし、このまま2階層へ行きましょう」
「そう…だね…」
俺はタッチパネルを操作し攻略状況の項目を開いてそこから2階層へ移動を選ぶ。なんていうかさ…俺ただの荷物持ちじゃね? いいんだけどさ…だんだん重くなるからこの階層でさっさと帰りたい。
一瞬だけ視界が暗転したのち俺たちは2階層へと移動を終えた。相変わらずの開けたマップだ。
「ヨシオ様ここのボスはどこに…はっ」
ずずーんと重そうな音がしたかと思うとホルンさんのすぐそばに大きな獣が横たわっていた。大きな毛玉のコロンだ。
「それがボスなんだけど…もう倒しちゃったの」
「そうだったんですね。向かってきたので倒してしまいました」
再びずずーんと大きな音がすると結奈さんの傍にも見覚えのある生き物が寝そべっている。
「大きな犬ですわね」
うん…大きいけどリトルウルフって言って一応ボスだったんだよ、それも…倒された後にはそれぞれ3個の宝箱が転がっていた。
「宝箱が出ましたからこっちが本物のボスですわね」
「あら? こちらも宝箱はありますよ。ユイナさん」
「どっちも本物だからもめないでね?」
宝箱の中身の回収は『鑑定』も出来るホルンさんに任せることにした。これには結奈さんは文句が出ない。まあ手間がかからないほうがいいくらいは理解してくれているみたいだね。よかった。
「まず魔法が『ストーンバレット』『ファイアバレット』ですね。あとスキルが『居合切り』『アタックブースト』です。装備が皮の胸当て、武器は…なんか剣ですね」
「剣?」
「なんか難しくて読めません」
ホルンさんが手に持っている武器を眺める。鞘から出して見ると緩やかなカーブをした長い刃が出てきた。どう見ても刀だと思うが…これはあれか? レイノアールがしでかしたか?? 一体どこから見ているんだ…
俺はキョロキョロと周辺を見渡すがレイノアールの姿は見えなかった。でもまあ刀は結奈さんが使えるしいいかな。俺はそのまま刀を結奈さんへと差し出す。
「刀みたいだし結奈さんが使えばいいんじゃない?」
「これは…中々すばらしい刀ですね! ちなみに名称は?」
「だから私じゃ読めなかったんだってさっき言いましたよね?」
まあ後でマーケットで確認すればいいだろう。それよりもホルンさんが今にも結奈さんに怒鳴り散らしそうで怖い。さっさと俺は帰りたいよ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます