第二話「始まりは唐突に」

今日は月曜日。例のことがあった翌日だ。あの事がゲームだったら確実にフラグ立ってるな。

そんな事を色々考えながら登校をしていると背後から大きな声で話しかけられた。


「…はよう。おはようってば‼︎」


夢中で考え事をしていたから気が付かなかった。


「お、おう。おはよう」


無愛想な挨拶を返しながら歩く。


「あのさ、本当に返さなくていいの?あのお金があれば悠人が好きなグッズとかを買えるんじゃないの?」


しつこい奴は嫌いだ。今更返してとか言えないし。


「大丈夫だ。そこまでお金がないわけじゃ無い」


とかカッコつけて言ったけど結構痛い。

だが、彼女も引き下がる訳がなく代わりにクッキーをくれた。

手作りだろう。

 俺がクラスに着いた頃にはもう、すでに周りはざわついていた。


「お前、あの朝日奈と一緒に学校まで来た挙句手作りクッキーまで貰ったんだって?」


話しかけてきたのは俺の唯一の男友達の斎藤春樹だ。


「お、おう。昨日ちょっとあってな」


春樹は後で詳しく聞くわ。と去って行ったが他の男子の目線がとても痛い。

そんなやり取りをしていたら予鈴が鳴り周りの男子はこっちを睨みながら席に着く。

めっちゃ怖い。

 ホームルームが終わり一限目が始まる前の時間に彼女は色々と周りの女子から質問をされていた。

 

 昼休みになりごはんを食べながら春樹に昨日の事を説明した。


「なるほど〜だからお礼にクッキーか。気を付けろよー。男子達に奪われないようにな!」


恐ろしい冗談を言いながらおかずを口の中に入れる。  


「それでさ、俺のメッセージ教えたのお前だろ?」          

春樹はあっ、バレた?なんて言いながら舌を出してくる。

バレた?じゃねえよ。

内容も聞かせずに連絡先だけ聞いたらしい。

美少女も少し抜けてるな。

 そんな事を考えていたらもう、放課後になっていた。

そして、春樹と別れ電車で家に帰っている途中の事だった。

朝日奈からだった。


〈今週の土曜日、一緒に出掛けない?〉


俺は何故こんな文章が送られてきたのかが理解できなかった。 

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俺から始まる恋愛物語 結衣 @gomatarou-yuito

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