第5話 それでも前へ

 まさかこんなにすぐに人が減るとは思わなかった。会社の方針すら決まってないのに。決まってなかったからダメだったのか?いや、みんなで決めていこうと先に伝えていたはずだ?自問自答しながらも前に進むしかない。

 「では、今日は簡単な自己紹介と面接、これにて終了します。2日後から勤務開始で、朝8時に事務所集合でお願いします。1ヵ月間はこちらで昼飯用意しますのでよろしくお願いします。』とつたえ解散した。

 2日後、今日から勤務開始。とはいえまだ何も決まってない。コツコツみんなで決めていく。しっかり7人来てくれたしここからがスタートだ。

 「おはようございます。今日から勤務開始です。ですが、根本的に何も決まっていません。この会社を土台に僕たちの生活をつくっていかないといけません。何をして利益を出すか、また何をしたいかを考えてほしい。後は

出勤時間と休日もみんなで決めましょうか?では、円になって話しましょう!」

 7人は円になった。休日は土日、出勤時間は8時から17時に決まった。だが、すんなり決まったわけではない。だれも、言葉を発しようとしなかったので、ちょこちょこ俺が入りながら決まった。というか俺が誘導して決まったような感じになった。

 「はい。次は大事な所ですね。なんでもいいです。利益をつくらないといけません。どうやっていくかみなさんで考えましょう。」

 見守っていると、加藤が口をひらいた。

 「僕たちが出来そうな事をやっていきましょう。」

 勇気をもって発した言葉だったが誰も反応しない。これはまずいな。仲間とも話せないならなにも進まない。少し早いが、飯だな。

同じ飯を食う。これに限る。

 「ちょっと早いけど飯くってからにするか!今日初日だし、焼肉行っちゃいますか?焼肉嫌い人いる?」

 さすがにいないだろ。満場一致で焼肉に決定!誰も反応しなかったけどいいだろ。

さぁ焼肉!盛り上がろうぜ。とはここでもいかず。闇は深い。コミュニケーションがとれないというのは初めてで、こんなに難しい事とは。でも、打ち解けない限り先はない。焦らず少しずつ。焼肉中俺も頑張って、

 「大島さん?」

って児嶋に言ってみたけど、児嶋からは、

 「いえ児嶋です。」

この状況でぶち込んだ俺が悪いのは百も承知なんだが、いつかはあのギャグで返してもらいたいもんだ。

 事務所に着き一息してから話し合いに戻った。話しが進まない痺れを切らして俺は言った。

 「とりあえず大きな利益出す必要ないから物販とかから始めてみる?俺も知識ないけど。7人もいれば大丈夫でしょ?」

吹っ切れた感じで気づいたらタメ口になっていた。でも、これがよかったのかなんなのか

物販に決まった。

 どんなモノが売れるかリサーチしてこの日は終わった。今日より明日明日より明後日。過去を振り返るはもうやめて、先をみよう。まだ見ぬ先はきっと輝いている。メイビー

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