第3話 起業

 家が見つかったと電話がきた。ただ、事務所は会社の実績を積んだ後か、これからの事業計画書がなければ借りるのは難しいとの事。そんな事いわれても時間ないし、そもそもどんな会社をするかもきまってない。これは金の力を借りるしかない。大介に保証金2倍払うし、賃料も2年分一気に払うからどうにかならないか?聞いてもらう事にした。家の方は内見もせず決めた。なぜ、こんなに自分自身焦っているのかわからなかったが、きっと暇になるのが怖かったんだと思う。 

 実家が新しく建つのを待たずに実家を出た。家を出る前に親父からこう言われた。

 「巻き込んだ人間は幸せにしてやれ。」

んっ?どゆうこと?責任感を持てという事かな?軽く会釈した。当分実家に帰って来れないなと思ったら少し寂しくなった。

 事務所が決まらないと会社設立すらあやうい。祈るような気持ちで大介からの返事を待った。3日後連絡がきて事務所を借りれる事になる。即入金して欲しいとの事。800万前後飛んだ。すぐに会社設立の準備にとりかかった。会社名は決まってるし、資本金も決まってるんだが、1番大事な部分が決まっていない。事業内容だ。実に難しい。どのようにして利益をつくるかを説明しないといけないからだ。だけど俺は思ってる事をそのまま書いたし、伝えようとした。挫折したり、自信を失って無職になっている人の力になりたいしなってほしい。雇用してからどのようなことをするか一緒に決めていきたい。

 今思えば大まかすぎるんだが、会社を設立する事になる。とはいえ1番大事なのは人が集ってくれるかだ。色々な求人誌にお金をかけて掲載した。内容は無職、ニート、ブランクがある人大歓迎。手取り20万確定。仕事内容は何をするかみんなで決めよう。怪しい求人に見えてしまうが、逆にはっきりニート募集なんて求人もないから面白いかなとも思った。無事起業は出来たが、これからが波乱の幕開けだった…

 

 

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