第2話 おもいつき。
とはいえ40億まるまる入るわけではない。宝くじなら税金かからないが、税金取られる事を考えると半分の20億といったところか。
20億で何しようか?そんな事を考えながら何事もなく仕事を辞めた。
とりあえず実家にかえろう。俺の実家は東北の雪深いとこにある。もう4月なのに雪が残る。いきなり帰ったらびっくりするだろうな。実家に着くと母親がいた。
「ただいま」
満面の笑みでいったよ。
「はっ何しに帰ってきた?」
まぁね。孫の2人でも連れて帰ってこれば喜んでくれただろうけど、俺1人では疑いしかないだろう…。
「家を建て替えにきました。」
母親はポカンとした顔でこっちを見ている。
「夕方にはお父さん帰ってくるから。」
一言残して買い物に出かけて行った。俺は相変わらずお金の使い道を考えた。家に5000万、車に…あっ免許ないから却下。時計に400万、財布小物に100万。後は…。ねぇな。意外に一億も使えんな。欲しいものがない。無理に使う事もないか。
夕方になり親父が帰ってくる。顔を見るなりお決まりの一言。
「何しに帰ってきた?」
何度言われても傷つくわソレ。
「この家、築90年ちかいでしょ?家を建て替えようと思って。」
親父はすかさず、
「悪い事して稼いだなら返してこい。」
俺そんなに信用ないのかな?たしかに派遣社員だったけども。偏見だろ。たしかにバツイチで孫も見せれないけども。大丈夫……。さとってくるわ。ほんとに信用無いんだな俺って…
その日の夜は親父と酒を酌み交わした。投資でお金を稼いだ事。住所を実家に移すこと。莫大な住民税が来る事。最後は俺も親父も育ったこの家を建て替える事を伝えた。誤解も解けて親父から、
「ありがとう。」
今考えれば親父は涙目だった。長年住んだこの家を取り壊す悲しみと、息子が家を建ててくれる喜びもあったのかもしれない。
明くる日、家を建てる話しを業者とした。予算5000万でバリアーフリー、オール電化、カラオケが出来る防音部屋、全面鏡ばりの体鍛えれる部屋は欲しい…。後よろしく!だけ伝えた。家が出来上がるまで半年といったところか。それまでどうしようか?毎日ジョギングしよう。筋トレしよう。久々の地元。飲みに出かけよう。
週末は隣の市で飲むのが日課になった。俺の友達は結婚してる奴らばっかりだったが、全部俺おごるよといえばすぐに出てきた。
だが、所詮田舎のスナック。頑張ってお金を使っても1時間3000円では会計5万もいかなかった…。
こんな生活を3ヶ月は続けただろうか?毎日充実感が無いことに気付く。何やってんだ俺?一生暮らせる金あるのに。これからどうする?同じ生活を繰り返す?
んっ?俺ってちょい金あるニートぢゃん。
たしかに!?目標もない…。の前に無職。毎日をやり過ごそうとしてる。やばいメンタルやられそう。本場のニートはやばいな。こんな生活無理だ。なんか目標ないと生きていけない。競馬に10億ぶっこんだるか?いやいやそれ配当なくなる。意味ないやーつ。ニートやべー!ニート様様やぁ。
んっ?ほんとにそうか?これを望んで生活してる奴いるか?一度は会社とか人間関係知らない限り好んでこの生活してるやついる?居たらかなりのファイターだぞ。
社会復帰したい奴絶対いるはず…。力になりたいし、俺も今の生活から抜けたい。
やるか!!
俺はすぐに行動した!だって金はあるし笑
東京で不動産の仕事をしている大介に久しぶりに電話した。
「もしもーし久々!また都内に出たいから家探して!ついでに家賃30万くらいで、10人くらい入れそうな事務所も!」
高校の同級生だった大介はこんなんいきなり言っても、当時から破天荒だった俺の話しをいつも受け入れてくれる。
「家はわかったけど、事務所って何?」
今回ばかりはすぐに話しは通らなかったけど…。金ないイメージの俺は色んな投資で財を成した事を伝えた。流石にここでも競馬で当たったとは言えなかった。そして、初めてニート達を集めて会社を作ることを伝えた。
大介からは当たり前の反応がきた。
「悪い事したならまず金返してこい。会社つくるのいいけどなんの会社?」
前半聞き覚えある事言われたけど……。わかりません。そうただニート達を集めようとして漠然としてるんだよね。。今は真っ白。集まってくれた仲間たちで染めていくのさっ!気持ちはこれで。だけど、その反応は当たり前だよな。無知な俺は最後に気になったから大介に聞いてみた。
「資本金って大事?」
呆れた感じで大介は言った。
「資本金は元手だから会社の体力みたいなもん。あればあるだけ信用される」
あればあるだけねー。
会社を立ち上げる。こんなおもいつきでも俺は自信と期待しかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます