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 その後一度は警察に保護され、監禁中のことを聞かれたり、数枚の写真を見せられ犯人について聞かれたりしたが、どれも幼い仁には分からない話ばかりだった。

 結局何の情報も無いまま仁は家へ帰され、父母に泣きながら抱き締められ、周りからはしばらく腫れ物のように扱われた。

 半月以上振りに家に帰ったその日は、とうに誕生日も過ぎ、知らぬ間に、祝いもせぬ間に仁は三歳になっていた。

 これは仁が物事を理解出来るようになってから聞いた話だが、この時、犯人は捕まらず逃げ出していたという。そしてかの刑事によって見ることを阻まれたあの部屋には、他の子供たちの遺体がマネキンのように並べられていたらしい。胸を一突きして殺したあと、身体を拭かれ傷を塞がれて、子供向けながら豪勢な衣装をそれぞれに着せられて。

 後にそれは『幼年コスプレ殺人事件』と呼ばれるようになったという。

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