第262話 後始末とセリカ

数日後、ベレゼレストリア王国に向けて出発する

「ヘリセウス陛下、国は預かりますが、いつか帰ってきてください」

女王が真剣に言う

「次に来る時は、妻と子供を連れてくるね」

エターナリアが笑顔で言う

「え? 子供いたのですか? それなら!! 子供にこの国を継がせますか?」

「え? ダメかな? 先約が有るよ! 子供が増えたら、その中で国王なんか、したい人がいたらね」

エターナリアが笑いながら言う

「考えていましたが、面倒だから、私を女王に?」

「そうだよ!! 国王なんか、やりたい人がやれば良いからね」

エターナリアが笑顔で言うと、イゼローレンが苦笑いする

「ヘリセウス陛下・・・数日で国を調べる能力・・・国王になったら、凄い王様になれそうです」

女王が真剣に言うと、全員が爆笑する

「国民を頼んだよ」

エターナリアが笑顔で言うと、出発する

「ヘリセウス様は、ビレストニカ王国征服王陛下と思われます・・・優しいが、怒ると1日で国を滅ぼせる実力者」

イゼローレンが真剣に言う

「名前より、実際に会えば解ります。王の中の王です。」

エターナリアを、見送りながら、女王が呟く


セリカは、クレーセルク王国王都に到着すると、使者を送る

「あれは・・・やり合うつもりの様ですね」

セリカが呟くと、門から軍隊が出てくる

「我こそは、クレーセルク王国最強の勇者だ! 弱虫じゃなければ一騎討ちせよ!!」

男が大声で言うと、後の兵士が歓声をあげている

「雑魚が何を吠えているのですか? 弱虫ほど煩いですね」

セリカが微笑みながら歩いていく

「ハッハッハッ!! 威勢が良い!! 後でタップリ楽しませてやる!!」

男が笑顔で言うと、セリカに近付くと、剣を抜き、セリカに斬りかかろうとすると、セリカは、殴り腕を掴むと、グルグル回してから、兵士目掛けて投げ飛ばすと、兵士に当たり転がっている

「雑魚が何万人集まろうと、対して変わらない!死にたければ、前に出て来なさい!!」

セリカが微笑みながら言うと、兵士達は唖然と立ち尽くす

「何している!! 早くあの女を殺せ!!」

城門から男が怒鳴ると、兵士達が迷いながらセリカに近付くと、エメラルドがブレスで門を吹き飛ばす

「我らが主に、喧嘩売った事を、後悔するがよい!! 消し炭にしてやろう」

エメラルドが大声で言うと、兵士達が震え出していると、ドラゴン達が壁や門を破壊して、飛び回る


「皆さん、町中に入ったら、貴族や王族を全員捕らえてください! あの兵士達も捕らえてください」

セリカが兵士達に言うと、兵士達は町中に向かう

「狐耳族の2人も、判断する為に、国王を捕らえに行ってください」

「畏まりました。セリカ様」

狐耳族達が走っていくと、セリカは、兵士達に聞き取りを始める


「セリカ様王族は、拘束しました。こちらへどうぞ」

狐耳族が笑顔で言うと、セリカ達は、王城に向かい、謁見の間に入ると、貴族と王族が縛られている

「御主人様の命を狙った事、一生償いなさい」

セリカが微笑みながら言うと、玉座の前に立つ

「この様な侵略許されると思っているのか!!」

国王がセリカに睨みながら言う

「人殺しの依頼は、良いのですか?」

「何を魔族と手を結び、世界を滅ぼそうとした者を、粛清して何が悪い!!」

「誰に吹き込まれたのですか? 御主人様は、魔族から喧嘩売られたから、魔王を倒しただけですよ」

セリカが微笑みながら言う

「何を嘘はすぐにバレる!!」

「嘘では無いので、好きに言っていれば良いですが、魔王を倒したのは、ドラゴン達が知っています。私達がドラゴンより強いのも、知っています」

「嘘を言うな!!」

「これは、魔龍の牙です」

セリカが大きな牙をアイテムボックスから出す

「ヒェーーーー!! くくく空間から物が!!」

国王が青ざめている

「鑑定出来る者はいますか?」

セリカが言うと、数人が近付いて鑑定を始めると、震え出す

「どうした!!」

「こここっ国王陛下!! これは魔龍王の牙です!!魔龍の魔王です!!」

「馬鹿な・・・本当に魔王を倒したのか!!」

国王が青ざめている

「ところで、私達を魔族の手先のように、言ったのは、誰ですか?」

セリカが微笑みながら聞くと、国王達が数人の男達を見ている

「神のお告げです!! 本当だ!!」

神官が慌てて言う

「神様の? それとも女神様?」

「え? 神は神だ!!」

「お告げに勇者の誕生は、有りましたか? 何人ですか?」

セリカが微笑みながら聞く

「え? ゆゆゆ勇者!! えーと、一人の勇者が現れ、魔族に与する者を倒すと有ります。」

司祭が慌てて言う

「有ります? 勇者は男ですか?」

「え!! 勇者なので・・・男です・・・」

司祭が慌てて言う

「残念です、いい加減な事を言っても、ダメですよ、あなたの妄言で、国が動くなんて、国民が可哀想ですね」

セリカが、聖剣を抜き、剣圧で司祭の帽子を吹き飛ばす

「この様な事!!神への冒涜!! 許されないぞ!!」

司祭が激怒する

「黙れ!! 恥ずかしい! 偽司祭が!! 」

セリカの横の女性が言う

「何を!! 」

「教皇の権限を持ち、汝に審問を行う」

女性が魔法を唱え始めると、司祭と神官の回りに魔法陣が出来あがる

「これで嘘は付けません!! 神の名を名乗り、悪行全て吐きなさい!!」

女性が言うと、司祭達が嘘をつくと、激痛がはしり、悪行を泣きながら、全て話し始める


「国王! これが信じた内容ですね」

セリカが微笑みながら言う

「騙された・・・しかし、その女性は何者?」

「御主人様の元で仕えている。回復魔法担当です。強くなったので、教皇までなってしまいました。」

微笑みながら答える

「は? きょきょきょっ教皇様!!」

国王が青ざめながら、叫ぶと、周囲の人が全員唖然としている

「国王どうするのかな? 早く終わらせて、御主人様の元に帰りたい!!」

セリカが真剣に睨む

「大変申し訳ありませんでした・・・如何なる罰も受けます・・・出来れば、子供達と国民を許していただきたいと思います・・・」

国王が涙を流しながら言うと頭を下げる。王族と貴族も頭を下げている

「国王、あの元凶を全てを公表して、処分してくださいね」

セリカが笑顔で言う

「はい、畏まりました」

国王が真剣に言う

「次は、御主人様に、敵対した事に対する、対価でも、貰いましょうか?」

「従属しよう・・・」

国王が真剣に言う

「そうですか・・・面倒ですが、御主人様が次に来訪するまで、御主人様の代わりに国民を導きなさい・・・」

セリカが考え始める

「御主人様は、面倒事が嫌がるので、王太子! これを期に即位しなさい!! 国王も責任を取って退位するから」

「え? 畏まりました・・・国王陛下宜しいのですか?」

王太子が苦笑いする

「ウム・・・責任は取らないとならない、退位する」

国王が真剣に言うと、セリカは、全員の拘束を解く


セリカは、話し合いをしてから、宝物庫の宝物を貰い、商業ギルドと同じ権限を貰う約束をする。そして、キシルトリセルク王国に向けて出発する

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