第228話 孤児院とレイン

翌日、キキラと4人の少女がやってくる

「妹達が話を聞いて喜んでいます。是非やりたいそうです」

キキラが笑顔で言う

「少し鍛えるけど、自分の身と子供達を守れないといけないからね」

エターナリアが4人に言う

「はい! 御主人様!! 一生懸命頑張ります!」

4人の少女が笑顔で言う

「沢山の家族が出来たから、お姉さんとして色々教えてあげてね、勿論趣味で革細工や裁縫もして良いからね」

「御主人様! 本当に幸せです。」

少女達が笑顔で言う

「礼儀作法は、アーナに習うと良いかな?」

「アーナ御姉様、宜しくお願いします」

少女達が笑顔で言う

「任せてください」

アーナが照れながら言う


数日間、孤児院設立の関係者を中心に、迷宮で鍛練を続ける

「御主人様、お帰りなさい」

レインが微笑みながら言う

「レインただいま、今日はレインがお出迎え?」

エターナリアが笑顔で言う

「御主人様とこんなに離れたのは、初めてで少し辛かったです」

レインが真剣に言う

「いつも一緒に居たからね」

「御主人様の事を、こんなに愛していたなんて、思ってなかったです」

レインが赤くなりながら言うと、腕を組ながら歩き出すと、キャスカが微笑んでいる

(御姉様嬉しそう)


ヘラが報告に来る

「御主人様、商人ですが、いくつかの盗賊団と会っていましたが、クエールバスコを離れて帰っていきました。会った盗賊団は全て叩き潰しておきました」

「警備隊何か文句言ってくるかな?」

エターナリアが苦笑いする

「ついでに盗賊団の盗賊に、商人の依頼だと、聴こえる様に話をさせたので、商人に怒りの矛先が向いています。」

ヘラが笑顔で言う

「ヘラは容赦ないですね」

レインが微笑んでいる

「ヘラだからね、商人が可哀想に思うよ」

エターナリアが微笑みながら言う

「アーガナルド商会の倉庫を襲うつもりだったので、許す気は有りません! 盗賊達はアーガナルド商会と聞いただけで、及び腰になっていましたが」

「公爵家面倒だな」

エターナリアが呟く

「屋敷や商会の様子を伺っていたものを、締め上げましたが、公爵家の手先でしたので、逆にこちらの密偵にしてありますが、油断はできません」

ヘラが笑顔で言う

「完全に敵視していますね・・・公爵家潰さないと安心出来ません」

レインが真剣に言う

「何か手を考えないとね」

エターナリアが呟く

「公爵家側の貴族間を疑心暗鬼にさせます」

ヘラが笑顔で言う

「何か手を打ったの?」

「公爵家が塩の代金を滞納しています。貴族側は、相当困っているので、噂は流しておきました」

ヘラが笑顔で言う

「ヘラは凄いね、ありがとう」

エターナリアが笑顔で言う


「浮浪児の方は、かなりいます。食事にかなり困っています」

「御主人様、食事の支援してはどうですか?」

レインが真剣に言う

「孤児たちに対しては、孤児院の院長と相談した方が良いかも知れない、食事をただで与えて良いか解らないからね」

エターナリアが真剣に考えて言う

「御主人様、何故ですか? 困っているですよ!」

レインが驚いて言う

「院長先生の方針は、知っているよね、居るだけで、何でも与えるのは、良くない! 働いたから、与えるのであれば、良いけど、何もしてないのに与えるのは間違っている」

エターナリアが真剣に言う

「御主人様、その通りです」

ヘラが笑顔で言う

「そうですね・・・以前、聞きましたね、孤児の事を思って出過ぎた事をしようと、思ってしまいました・・・いつの間にか、家族以外の人をただ養う事しか考えてなかったです。」

レインが落ち込みながら言う

「レイン・・・母親になったね」

「え? 母親に?」

「子供達の事しか考えてないから、子供を守りたいと思い過ぎただけだね、いつもの冷静なレインも子供事だけ、冷静さを失ったね」

エターナリアが笑顔で言う

「うっ・・・御主人様申し訳ありません・・・完全に冷静な判断が出来ませんでした」

レインが苦笑いしている

「レインが横にいると、安心するよ」

「はい、御主人様」

レインが赤くなりなから嬉しそうにしていると、ヘラが苦笑いする

(御主人様、自分で追い込んで、自分でフォローした? )


エリスナ達が帰ってくる

「御主人様、孤児院設立は、建屋の完成が5日後になります。領主様に許可も得ました。」

エリスナが笑顔で言う

「運営費は、どのぐらいにする?」

「最低限の食事と、手伝いをした場合、支援の量を増やす方向で準備をしています。」

「エリスナ完璧だね」

エターナリアが笑顔で言うと、レインが落ち込み始める

「領主様が運営する、孤児院より待遇を良くする事は、ダメですから、当たり前です」

エリスナが真剣に言う

「後は用意するのは・・・古着かな?」

「既に用意しました」

「準備完了だね」

エターナリアが笑顔で言うと、エリスナが頷く


エニスと2人になると

「エター、レインの様子がおかしいのは何故?」

エニスが真剣に聞く

「倒れた後から、冷静に物事を判断出来なくなっている・・・多分焦りかな? 後は子供を大事に思い過ぎて、物事の判断に影響しているね」

エターナリアが真剣に考えて言う

「レインも、先を読み忘れるなんて・・・やっぱりおかしい!! 今日は3人でゆっくり寝るからね」

エニスが真剣に言うと、レインの部屋に向かい、エニスが真剣にレインの悩みをエターナリアの前で話し合い始める


「レイン!! 何考えているの!! エターがレインを見捨てる分けないでしょ!! 私がレインに負担を掛けないように言ったから、悪いの? レインの代わりはいないだから!!」

エニスがレインの話を真剣に聞くと、エニスが真剣に言う

「エニス様・・・エターナリアが好き過ぎて、会えなかったから・・・子供とエターナリアの事で何も考えられないだけです!! どうしたら良いかも解りません!!」

レインが涙目で言う

「全部、戦闘狂だから悪い!! 戦闘狂が迷宮に行ったら、帰って来なくなるから、悪い!!」

「え?ここで自分が悪いの?」

エターナリアが苦笑いすると、レインがエターナリアを見つめる

「戦闘狂だから悪い!!体調崩して寝ている人を置いて出掛けたから悪い!! 罰として、数日間外出禁止です!! 文句有りますか?」

「え? 数日間甘えても良いのですか?」

エニスが真剣に言うと、レインが笑顔で呟く

「沢山甘えましょうね、エターに嫌と言わせません」

「はい!エニス奥様」

レインが笑顔で言う

(何か言ったら、何を言われるか解らない・・・レインの為なのか? エニスの為なのか?)

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