第227話 孤児院設立
商人が帰ると警備隊隊長が商会の前で待っている
「隊長久しぶり」
「エターナリア殿! 賊狩りはしないでください!! 隊員を配備しますので」
隊長が苦笑いして言う
「定期的にやりますね、子供が安心して遊べるようにね」
「絶対にしないでください!! 何故か、この頃警備隊詰め所の前に、賊が転がっているのは、エターナリア殿の仕業では無いですよね?」
隊長が真剣に言う
「え? そうなのですか? 捕まえたら、新しい警備担当に遊ばせるのに」
「やっぱり違うか・・・廃人になってから連行するからな・・・誰の仕業だ?」
隊長が苦笑いする
「次に見付けたら、練習台にしますので、譲ってください」
エターナリアが微笑みながら言うと、苦笑いしている
夕方になるとエターナリアが歩いて帰ろうとする
「隊員が後ろを付いてきます」
ケシルが笑顔で言う
「つまらないね」
エターナリアが微笑むとアーナが苦笑いすると市場で色々見ていると、建物の影に子供がいるのを見付けると、エターナリアが歩いていく
「こんな所で何をしているの?」
エターナリアが微笑みながら言う
「金持ちそう・・・」
男の子が呟くと、女の子が少し震えながら男の子の裾を掴み不安そうにしている
「あの・・・妹を一晩買ってください・・・何をしても良いのでお願いします」
男の子が涙目で言う
「え? どうして」
エターナリアが驚いて言葉に詰まる
「お・・・ねがいします・・・幼い妹のために」
少女が震えながら言う
「どうして? 御両親は?」
「お父さんはいないです・・・お母さんは、しばらく前に・・・死にました」
少女が涙を流しながら言う
「仕事を探して・・・だけど何も出来なくて・・もうこれしかなかったの・・・」
少女が泣き始める
「人買いに捕まらなくて良かった・・・」
エターナリアが呟く
「ダメですか・・・」
男の子が震えながら呟く
「辛かったね・・・君にとってこの少女も大切な妹かな?」
「大切な・・・うぁーー」
男の子が泣き始めると少女を抱き締めている
「御主人様、どうなさいますか?」
アーナが真剣に言う
「隊員さん、孤児院は余裕無いの?」
エターナリアが真剣に聞く
「エターナリア殿、かなり逼迫しています」
隊員が真剣に言う
「浮浪児は沢山いるの?」
「多少いるのは知っています」
隊員が真剣に答える
「クリス、エリスナにすぐに孤児院を設立する様に言って! 未来を担う子供達をしっかり教育するように伝えること」
エターナリアが真剣に言う
「はい! 御主人様!」
クリスが笑顔で言う
「え? 設立する?」
隊員が驚く
「何か悪い? この様な子供が、盗賊になるんだよ!警備隊ならしっかりしなさい!!」
エターナリアが真剣に言う
「エターナリア殿・・・」
隊員が苦笑いする
「君たちは、孤児院に入っても良いのかな?」
エターナリアが男の子が泣き止むのを待つと聞く
「孤児院・・・食事が出来て、妹と一緒なら」
男の子が少し震えながら言う
「この町の孤児院の院長先生は、優しいから大丈夫だよ、仕事も教えてくれるから、妹を売るような事はしなくて済むと思うよ」
エターナリアが微笑みながら言うと、少女が震えながらエターナリアを見ている
「お兄ちゃん・・・」
「幼い妹のお迎えに行こうね」
エターナリアが微笑みながら言うと、男の子が頷き、案内してくれると、物影で女の子が寝ている
「本当に大丈夫ですか・・・」
少女が震えながら言う
「大丈夫だよ、院長先生とは知り合いだから」
エターナリアが微笑みながら言うと、男の子が幼い妹を背負い、孤児院に向かうと、隊員が先に知らせに向かう
「エターナリア様、話しは伺いました、私共で養育します」
院長が笑顔で言う
「宜しくお願いします」
エターナリアが笑顔で言うと男の子と少女が驚きながら職員に案内されながら建物に入っていく
「院長先生、孤児がかなり増えているのですか?」
エターナリアが真剣に聞く
「実は、増えています。子供を捨てて別の町に行く者が増えた様です」
院長が悔しそうに言う
「孤児院の余裕も無いのですね」
「残念ですが、その通りです」
「解りました、孤児院を設立しますので、出来れば、養育に対して、相談に乗って欲しいです」
エターナリアが真剣に言う
「え! 本当ですか!! 相談などいくらでも乗ります! しかし利益など出ませんがよろしいのですか?」
院長が真剣に言う
「子供達の未来の為です。育って立派になってくれればそれで良いです」
エターナリアが微笑みながら言う
「そうでしたね・・・エターナリア殿は自己の利益より、人を助けましたね」
院長が呟く
「急ぎますが、それまであの子達を頼みます」
エターナリアが笑顔で言うと帰ることにする
夜になると、エリスナ達が帰ってくる
「エリスナ、孤児院の件だが」
エターナリアが真剣に言う
「クリスから連絡受けました、現在の孤児院の近くに良い土地が有りますので、そこを買い取ります。」
エリスナが微笑みながら言う
「流石エリスナだね」
エターナリアが笑顔で言う
「運営役ですが、屋敷に居るものから選んだ方が良いと思います。」
エリスナが真剣に言う
「マタリーナ、カシタリーナの方で確か家族で残っている者が居たよね」
「はい! 数組居ます。選んでおきます」
マタリーナが笑顔で言う
「後は、警備役から何人送ろうかな?」
「御主人様、4人居たら十分です。」
エリスナが微笑みながら言う
「4人選んでおきます。交代で任務についても良いと思います。」
クリスが笑顔で言う
「エリスナそれで良いかな?」
エターナリアが笑顔で言う
「手伝いは必要ですが、屋敷には余剰な侍女が居ます。それに孤児院出身者が喜んで手伝ってくれます。」
エリスナが笑顔で言う
「教育担当も育てないといけないか・・・文字の読み書きに、礼儀作法、物事の良し悪しの判断に・・・色々教えられる人材を育てよう」
エターナリアが真剣に言う
「エター何の企みしているの?」
エニスとレインが笑顔でやってくる
「エニス孤児院設立するよ、それに教育担当を育てようと考えていた所だよ、娘達にも教えないといけないからね」
「エター! 必要だよね、誰にやって貰う?」
エニスが笑顔で言うと、マルスがジーナを見て微笑む
「家の娘の成人した子から選ぼうか? 少し鍛えてから、子供達を守れるようにして、色々教え方を学んで貰おう」
エターナリアが笑顔で言う
「妹達から! 重要な役目を与えて貰えるのですから、喜びます!!」
マタリーナが笑顔で言う
「エター! 無茶させたら怒るからね」
エニスが真剣に言う
「御主人様! 絶対にみんな喜びます!!お願いします!!」
ジーナが笑顔で言うとみんな微笑んでいる
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