第219話 マニタと引き継ぎ
翌日から、ゆっくり資料を確認しながら、孤児院の設立準備と、行商人との話や取引を活発に行い始めると、同時に周辺の村の情報も集めていく
大きな商隊が商会の前に到着すると、カシムが呼びに来る
「御主人様!」
マニタがエターナリアを見て笑顔で言う
「マニタ、呼び出してすまない」
「手紙を見て状況は何となく解りました。私の仕事は、タニタと教育していた支部長候補に預けて急いで来ました。」
マニタが真剣になり言う
「詳細は中で話そう」
エターナリアが真剣に言うと、支部長候補達と応接室にいくと、レインが詳細を説明を始める
「凄いですが、呼ばれた理由も解りました。」
マニタが真剣に言う
「エリスナと直接話せて、支部長候補達に指示を出して、責任も取れる人は、中々いないからね」
エターナリアが苦笑いする
「はい、御主人様頑張ります。」
マニタが真剣に言う
「支部長候補達には、交易担当2人に、屋敷や奴隷達の教育担当と、宿屋と職人関係と、金貸し関係に別れて担当して貰うしか無いが、結構大変だと思う」
「それなら大丈夫です。エリスナから、貴族と交渉を担当で勉強していた者と、4人の業務を担当していた助手を付けてくれました。」
マニタが笑顔で言う
「エリスナだな・・・業務経験者を送ってくれるなんて・・・」
「元々支部長候補として預けてくれていた、5人も連れてきたので、ここで経験を積ませます。」
マニタが笑顔で言う
「御主人様、完璧ですね」
レインが笑顔で言う
「明日から、一気に片付けて、ブロスカと交渉だな」
エターナリアが微笑むとレインが笑い始める
3日後
「この金額だと・・・」
ブロスカが貸し出す、領主の館と兵舎と詰所と門や城壁の価格を見て苦笑いしている
「資産からして、妥当な金額です。買い取りでも良いですが、借金が増えるとどうなりますか?」
マニタが真剣に言う
「もう少し安く出来ないですか・・・」
ブロスカが真剣に聞く
「本来なら、この金額でしたよね、商会に国内交易権と国内交易権発行許可と税の優遇と門の通過の優先等で、ここまでにしたのですが、他に何か条件が有りますか? 更に本来なら領主様が運営しなくてはならない、孤児院までこちらで用意始める状況です。それに貸出したら、賃金を払っている間は、強制的に退去は求めない約束ですので、かなり安いと思います」
マニタが真剣に聞く
「それは・・・領主様どうでしょうか」
ブロスカが苦笑いして言う
「仕方ないだろう・・・これ以上はどうにもならないだろう」
レインの兄が苦笑いして言う
「解りました、この価格で契約します。」
ブロスカが真剣に言うと、マニタが契約書を手渡し、ブロスカと領主が確認して、契約を結ぶ
「これで、強制徴収のこの領地の分は終わりですが・・・親戚の資産の方は、又隊長経由で連絡します」
王国兵士が真剣に言う
「え!! まだ有った?」
エターナリアが苦笑いする
「小さい領地ですが、強制徴収しています。その他に王都の屋敷や別の町の屋敷などが有ります」
王国兵士が真剣に言う
「面倒だな・・・専門の人を育てるか・・・」
エターナリアが呟く
「かなり面倒ですから、その方が良いと思います。」
レインが苦笑いしながら言う
「マニタ殿ぐらいの実力者がまだいるのですか?」
ブロスカが苦笑いして言う
「本店を仕切る、幹部だからまだいるよ、エリスナが育てているからね」
エターナリアが笑顔で言うと、ブロスカが苦笑いしている
(勝てる訳が無いか・・・)
エターナリア達が帰ると、ブロスカとレインの兄が真剣に話し合う
「完全に負けでした・・・」
ブロスカが苦笑いして言う
「ここまで高くなると、無理なのか?」
「ギリギリ足りませんが、努力でどうにか出来る範囲を狙われました。」
「完全に調べられたと言う事か・・・」
「交渉で、こっちが出せる条件を完全に読まれて、これ以上何も言えない事も、読まれていました。マニタ殿が来るまでの時間稼ぎされている間に、先手を打たれ過ぎました。ゆっくり、やり始めた時にレイン殿の体調が原因と読み違えました。」
ブロスカが反省しながら言う
「孤児院の設立を宣言され、兵士達の不安を払拭させる為に、兵舎の貸出しや門の貸出しまで宣言されたら、打つ手無しか」
「商業ギルドも強制徴収する事も宣言され、行商人達との取引に、トドメは商隊が定期的に来ると宣伝されたら、もう打つ手無しです。町中でアーガナルド商会が有れば、安心だと噂まで流れてしまい、手がつけれません」
ブロスカが真剣に言う
「エターナリア殿が領地を貰ってくれないから、預けられただけだから仕方無いが・・・」
レインの兄が苦笑いする
「この領地が繁栄しても、次期領主様は、エターナリア殿の子息しかあり得ません・・・何もせずに任せた方が良かったと反省します。」
ブロスカが真剣に言うと、レインの兄が苦笑いする。
エターナリア達は屋敷に帰ると全員集まる
「マニタご苦労様、予定より高く出来たね」
エターナリアが笑顔で言う
「予定より、条件が出てきませんでした。ヘラの情報と収支が全部解っていましたので、簡単でした。」
マニタが笑顔で言う
「次は商業ギルドと商会関係かな?」
エターナリアが笑顔で言う
「先に商業ギルドマスターの商会を、強制徴収に行きましたので、逃げ道は塞ぎました。明日から商業ギルドを調べます。」
マニタが笑顔で言う
「残っている商会との交渉は、どうなっている? 」
エターナリアが真剣に言う
「老舗5軒が、味方になってくれています。次期ギルドマスターも選定が終わっています。」
レインが微笑みながら言う
「他の商会も不正を知っているので、文句は無いようです。それに全部の商会が借金が有るので、敵対不可能です。」
クリスが笑顔で言う
「完全に乗っ取った?」
エターナリアが苦笑いする
「商業ギルドは、アーガナルド商会の支配下です。クエールバスコと同じ様に、面倒な交渉は任せますが、決定事項は、マニタの承認が必要になります。」
セリカが微笑んでいる
「エターどうして、商業ギルドは、敵対出来ないの?」
エニスが真剣に聞く
「借金とアーガナルド商会が、商業ギルドと同じ権限を持っているからね」
エターナリアが微笑みながら言うとレインが説明する
「凄い・・・マニタがブロスカと交渉している間に、商業ギルドの反撃不可能にしたの?」
エニスが苦笑いする
「その前に時間を稼いでいる間に、クリスが密かに、他の商会と交渉して、ヘラが情報で、商業ギルドの不正の証拠も集めたから、反撃不可能だね」
エターナリアが微笑みながら言う
「エター! ずるい!!」
エニスが真剣に言うと、みんな笑い始める
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます