第218話 ヘラの報告

翌朝

「御主人様おはようございます。ご心配お掛けして申し訳ありません」

レインが真剣に言う

「レインもう大丈夫なのか?」

エターナリアが心配そうに言う

「はい、もう大丈夫です」

レインが微笑みながら言う

「考えたが、レインに負担を掛けすぎて、悪かった」

「御主人様の為なら、何でもします」

「今日から、引き継ぎの資料は、アーナとキャスカにやって貰う、レインはゆっくりして欲しい」

エターナリアが真剣に言う

「え!! 私もやります!!」

レインが慌てて必死に言う

「レインは、自分の横で、みんなの意見を求められたら、教えてあげて欲しい」

エターナリアが真剣に言う

「・・・御主人様が言われるなら・・・」

レインが少し悲しそうに言う

「レイン無茶しすぎ!!」

エニスが真剣に言う

「エニス様!」

「私みたいにゆっくりしなさい!!」

エニスが笑顔で言う

「エニス・・・何もしてないね」

エターナリアが考えて言う

「え!!・・・私何もしてないの? えーと・・・あれ? 反論出来ない」

エニスが苦笑いする

「御主人様の横にいらっしゃるだけで良いです」

レインが笑顔でフォローをする

「そうだね!! 横で・・・いつもレインがいるね、私の役目無い? だからレインが忙しいの!!」

エニスが真剣に言う

「申し訳ありません」

レインが慌て出す

「レイン本調子じゃないね、今日はゆっくりキャスカの成長を見ようね」

エターナリアが笑顔で話題を変えようとする

「エター私は何をすれば良いの?」

エニスが真剣に言うとレインが苦笑いしている

「みんなのお姉さんになれば良いかな?」

エターナリアが笑顔で言う

「それなら出来る!!」

エニスが笑顔で言うと、レインがホッとしている


領主の館に向かうと、クリスとセリカとアーナとキャスカが真剣に書類を見ていく

「キャスカまで・・・」

レインのお兄さんがキャスカを真剣に見ている


「御主人様、これですが、これと金額が違います。」

キャスカが真剣に言う

「単なる間違えだね」

エターナリアが読んで答えると、印を付けると、キャスカが戻っていく

「御主人様、これなのですが・・・村が奴隷になっています。この場合どうすれば良いのですか?」

アーナが真剣に聞いてくる

「村ごと、奴隷だね・・・村の収支を見ないと何とも言えないね」

「村の収支は・・・これです。」

「返済不可能で、奴隷落ちか・・・アーガナルド商会奴隷にして、村を養わないといけないか・・・村に行ったら、確認しよう」

エターナリアが真剣に言う

「村の状況も心配ですね、再建出来れば良いのですが・・・」

レインが横で見ながら言う

「引き渡しで向かったら、確認しよう」

エターナリアが微笑みながら言う

「はい、御主人様」

アーナとレインが笑顔で言う


「御主人様、色々絡んでいますが、商業ギルドは完全に機能していません。借金だらけですね」

クリスが真剣に言う

「ブロスカ殿は?」

エターナリアが言うと侍女が呼びにいく


「エターナリア殿何か?」

ブロスカが真剣に聞く

「商業ギルド機能してないのは、何故かな?」

「実は、商業ギルドと重臣が結託しておりました。その為、商業ギルドに貸付が沢山有ります」

ブロスカが真剣に言うと、資料を取りに向かい、持ってくる

「完全に機能してないね、借金返す気も無いのかな?」

「商業ギルドマスターを呼びますか?」

ブロスカが真剣に言う

「商業ギルドを呼ぶのは、調べ終わってからかな?恐らく返す資金は無いからね」

エターナリアが真剣に言うと、レインが頷いている

「その通りです。商業ギルドマスターの店もかなり負債が有りそうです。」

「ブロスカ殿、かなり苦労したか?」

「調べ始めたら、不正ばかりで、どうしようも有りません。王国兵士達も調べ尽くす間に、重臣を片っ端から調査して、処分しましたが、残ったのは、子爵から遠ざけられていた者達だけでした」

ブロスカが苦笑いすると、出ていく


「町中が心配ですね」

レインが呟く

「そうだね、だけど今日は、ゆっくりしてね」

エターナリアが微笑む

「はい、御主人様」

レインが笑顔で言うと、エターナリアの腕を抱き締めて幸せそうにしている

「あ! 御姉様いいな・・・」

キャスカが見て呟くと、クリスとセリカとアーナも見ている

(レイン御姉様、いいな・・・)


夜になると、ヘラが報告に来る

「御主人様、町中は、アーガナルド商会が来たと噂が流れています。どちらかと言うと、恐れているようです。行商人達もどうしたら良いか迷っています。」

「ヘラ、恐れているのは何故かな?」

「既に借金がかなり多く、取り立てられたら、終わりと、思っています。兵士達も強制徴収の実態を知っているので、路頭に迷うと、不安に思っています。行商人達は、取引が上手くいかなくなるのではと、思っています。」

「ブロスカの策略か・・・」

エターナリアが考え込む

「ブロスカは、悪く言う人がいませんが、一部の者が恨んでいます。特に商業ギルドは、かなり恐れています。」

「ブロスカ、上手い手を使いましたね、下手に強制徴収出来ない様に、手を回した様です。」

レインも真剣に言う

「そうしたら、領主の館と兵舎と門や城壁は、貸出しにして、領地の資金を巻き上げるしかないか?」

「そうですね、それが1番ですが、収支を見て、ギリギリの所を探る必要が有ります。」

レインが微笑みながら言う

「後は町中か・・・孤児や職が無い人は、かなりいるのかな?」

「路地裏等に孤児はいました。孤児院も既に3年前に廃止され、孤児の行き先が有りません。窃盗や盗賊も結構いましたが、王国兵士が沢山来ているので、別の町に逃げた様です。」

ヘラが真剣に言う

「孤児院は作られた方が良いと思います。」

レインが真剣に言う

「責任者は、奴隷の夫婦にして貰えば良いかな?後は、町中の元々していた人がいたら、聞いてみるしかないかな?」

エターナリアが考えながら言う

「はい、御主人様」

レインが微笑みながら言う


「ここからは、ブロスカとの駆け引きと、町中の情報戦かな?」

エターナリアが考えながら言う

「調査は少しゆっくりして、先手を打っていきましょう」

レインが微笑みながら言う

「カシム達が、使いに行ったので、マニタさんが到着まで10日は有ります。配下には、情報を集めて貰う様にします。」

ヘラが笑顔で言う

「取引も活発にして、行商人をまずは味方にして、孤児院の準備を早急にして貰う事から始めるよ」

エターナリアが微笑みながら言う

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