第215話 エレストニ・バスコ

エターナリア達は出発の準備をして、エレストニ・バスコの町に向かう事にする

「ご主人の名誉を傷付けないように、頑張ります。」

ルカナが真剣に言う

「名誉なんてどうでも良いね、住民の為に考えて、体調に気を付けて統治するようにね」

エターナリアが微笑みながら言う

「はい、御主人様!!」

ルカナが真剣に言うとレインが微笑んでいる


数日後、エレストニ・バスコの町に到着する

「もしや・・・アーガナルド商会の方ですか?」

門番が馬車の列を見て言う

「そうだ」

カシムが笑顔で言う

「お通りください」

門番が慌てて言うと、使いが走っていく


「御主人様、調べずに通してくれるなんて、何か有るのでしょうか?」

レインが門番を見ながら言う

「門番さん、どうして、調べもせず通してくれるのですか?」

エターナリアが真剣に聞く

「アーガナルド商会だけは、怒らせるなと、新領主様が言われておりました。それに・・・アーガナルド商会が強制徴収されたら、町は全部アーガナルド商会の持ち物ですので・・・」

門番が真剣に震えながら言う

「解りました」

エターナリアが微笑みながら言う


「御主人様、門番まで状況を知っているのですね」

「あの様子・・・かなり厳しく言われているな」

エターナリアが考えながら呟く


宿屋に到着すると、クリスが交渉に向かう

「御主人様、向こうにアーガナルド商会の宿屋が有るので、そちらへ向かって欲しいと言われました。」

クリスが苦笑いすると、アーガナルド商会の宿屋に向かうと、クリスが交渉に入っていくと、戻ってくる

「屋敷の引き渡しまで、確保は出来ましたが、領主様より、3日前から確保してくれていました」

クリスが真剣に言う

「ブロスカか、レインのお兄さんのどちらかが、手配したのか?」

「恐らくブロスカ殿だと思います。」

クリスが真剣に言うと、全員部屋を割り当て、待機して貰うと、エターナリアとレインとクリスとセリカと支部長候補達とケシルとミシルとアリスを連れて商会に向かう


「クエールバスコの商業ギルドの担当者はいますか?」

クリスが笑顔で聞く

「え! 直ぐに呼んできます」

女性が驚いて奥に行く

「エターナリア殿お待ちしておりました」

男が出てくると、応接室に案内されると、書類が山積みになっている

「こちらが、引き継ぎ書類です。王都より、そろそろ来訪されると、連絡が有りましたので、準備してました。」

「直ぐに確認しますね」

エターナリアが笑顔で言うと、クリス達が書類の確認を始める

「商会奴隷等の更新必要な人は、どのぐらいいるかな?」

エターナリアが真剣に聞く

「屋敷関係と、商会関係ですが、結構な人数でした。奴隷に子供を生ませて、奴隷として売っていた様です。クエールバスコと同じです」

商業ギルド職員が真剣に言うと、レインが資料を読み始める

「御主人様、これはエニス様に話された方が良いと思います。300名が屋敷に居るようです。」

レインが真剣に言う

「300人!! 多いな」

「商業ギルドが、差し押さえした時には、奴隷服を着せられた、人と普通の服を着た人に別れており、食事状況も良くありませんでした。」

商業ギルド職員が真剣に言うと、エターナリア達は、商会内を確認して回る


「御主人様、貸し出しが凄い事になっています。それも、貸出しの返済が滞っている人も、多いです。」

クリスが真剣に言うと、セリカが頷いている

「面倒だね」

エターナリアが苦笑いする


「この者達が、商会を仕切っていた、奴隷達です。奴隷以外は、下にいる者達です。」

商業ギルド職員が真剣に言うと、奴隷達が両膝をついて、エターナリアに忠誠を誓うと約束すると、奴隷の更新をすると、商会奴隷達と雇っていた者達と話し合いを始める


「御主人様、大体解りましたが、資産の多くは、屋敷と宿屋とこの商会です」

クリスが真剣に言う

「借金は?」

「金貨10000枚越えていますが、商業ギルドが3000枚と、領主が3000枚で残り、重臣と商会と村です。」

クリスが真剣に言う

「かなりの犯罪も有りそうです」

レインが真剣に言う

「エニス達と合流してから、屋敷かな?」

エターナリアが真剣に言うと、クリス達に任せて、セリカとレインと宿屋に戻る


「エターもう帰ったの?」

エニスが笑顔で言う

「宿屋の引き渡しね」

エターナリアが苦笑いして言う

「頑張ってね」

エニスが笑顔で言う

「屋敷の引き渡し一緒に来てね、奴隷が多いからね」

「奴隷?」

エニスがレインを見ている

「エニス様、クエールバスコと同じ事をしていた様です。」

レインが真剣に言うとエニスが苦笑いすると、宿屋の引き渡しを終わらせてから、奴隷達の更新も終わらせると、全員で屋敷に向かう


屋敷に入ると、奴隷達が真剣に挨拶する

「エター凄い数・・・それも綺麗な人が多い」

エニスが呟く

「選り分けて、犯罪者は兵士に突き出すしかないけど、解放望む者は、解放した方が良いかな?」

エターナリアが真剣に言う

「そうしよ・・・美人沢山居たら大変」

エニスが呟く

「大変?」

「え! エター、何でも有りません」

エニスが真っ赤になっている

「御主人様、居ても構いませんが、負ける気は有りません」

レインが耳元で囁く


みんなで選り分けていく

「護衛の者達はほとんど犯罪者です。」

ケシルが真剣に言うと、どんな犯罪に加担したか確認する

「兵士を呼んで、連行して貰うしかないね」

エターナリアが真剣に言うと、護衛役が走って呼びに行く


「ここにいるのは、幼い子供がいる者です。ほとんどは、あちらにいる料理人の婦人です。あっち側の人は、愛人兼娼婦です」

クーラが真剣に説明を始める

「解放を望む者はいるかな?」

エターナリアが真剣に言うと、幼い子供がいる者達は、キョロキョロしながら、困惑している

「旦那さんと話し合う時間は与える」

エターナリアが微笑みながら言うと、料理人等の男達と話す時間を与える


「御主人様、ここの男は、全員雑用をしていた人です。」

アリスが笑顔で言うと説明を始める

「御主人様に忠誠を誓いますので、どうかよろしくお願いします。」

男達が真剣に言う

「解った」

エターナリアが答えると次に向かう


「御主人様、こちらは、処女の女ですが、ほとんど、この屋敷で生まれた者です。あそこの40人が借金奴隷で、ここに連れて来られた者です。」

リリスとキャスカが真剣に言う

「凄い数だね」

「凄い数ですけど、誰も解放を望んでいません」

リリスが真剣に言う

「え? なぜ?」

「解放されても、生活出来ないからだと思います。40人は、解放されても、又売られるだけの為、御主人様の奴隷が良いと言っていました」

リリスが真剣に言うと、エニスが溜め息を吐く


「エター、選別しても減らないのね」

エニスが呟く

「幼い子供や未成年の子供を、解放しても可哀想だね・・・養うしかないのかな?」

エターナリアが考え始める

「エターお父さん頑張ってよね」

エニスが笑いながら言う

「親がいない子は、連れて帰るしかないね・・・屋敷では、足りないかな?」

エターナリアが考えていると、エニスが微笑みながら見ている


「御主人様、解放の件ですが、3組の夫婦が望んでいます」

クーラが笑顔で言うと、連れてくる

「本当によろしいのですか?」

男が真剣に言う

「奥さんと子供を幸せにするように」

エターナリアが笑顔で言う

「ありがとうございます」

全員が涙を流しながら言うと、奴隷商人を呼んで、奴隷から解放する

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