第213話 領主代行ルカナ

 市場を歩きながら、食料とどんな商品が売っているか見て回ると、裏路地に入ると孤児がエターナリア達を見て逃げ出す

「御主人様・・・可哀想ですね、孤児が裏路地で過ごすなんて・・・」

 レインが真剣に言う

「限界寸前だな・・・」

 エターナリアが呟くと後ろと前に回り込んだ男達が取り囲む

「エターナリア!死んで貰う!!覚悟しろ!!」

 男が怒鳴るとイキナリ剣を抜いて斬りかかるとケシルが腕を掴み振り回して、男達にぶつけて弾き飛ばすと、後ろではミシルが男達を次々と殴り腕を折り始める


「誰の差し金かな?」

 エターナリアが真剣に睨み聞く

「くそーー!」

 男達は痛みに耐えながらエターナリアを睨む

「ケシル、ミシルお仕置きよろしく」

 エターナリアが笑顔で言うと一ヶ所に集めてボコボコにしてからレインが回復魔法を使う

「何故回復させる!」

「死なれたら困るからね」

「え?・・・・もう止めてくれ!!」

 男達が慌て叫ぶと支部長候補が腕を折り足を折り始める


「早く殺してください・・・」

 男達が必死に懇願をしている

「誰の指示かな?」

 エターナリアが笑顔で聞く

「重臣の命令です・・・」

「そうか・・・じゃあ乗り込もうね」

 エターナリアが笑顔で言う

「一度戻りましょう」

 レインが微笑みながら言うと男達を縛り連行していく


「こいつらは!」

 王国兵士が苦笑いして聞く

「襲われたから、捕まえてきたよ・・・おい!!依頼主を言え!」

 エターナリアが睨むと男達が必死に説明を始める

「・・・あいつか!捕まえます」

「いやまだだね、もう少し炙り出すよ」

 エターナリアが笑顔で言うとヘラが笑顔で配下達に指示をしている

「動きましたね」

 レインが微笑むと男達の聴取を王国兵士が始める


「エター何か有ったの?」

 エニスが笑顔で聞く

「やっぱり治安が悪いね、賊狩りから始めるよ」

 エターナリアが笑顔で言うとみんな笑い出す

「エニス様、周囲を警戒してください、賊だらけです」

 レインが真剣に言うと全員笑い始める

「憂さ晴らし出来そう」

エニスが笑い始める


 翌朝エターナリア達は、孤児院に向かう

「どちら様ですか?」

「院長様にお会いしたいのですが、よろしいですか?」

 クリスが笑顔で言うと白髪の男を連れてくる

「孤児院の院長ですが何かご用ですか?」

「孤児の状況を知りたいのですが、見学しても良いですか?」

 エターナリアが真剣に言う

「見学ですか?良いですが・・・」

 孤児院の院長が不安そうに言うと中を案内してくれると子供達の顔を見ていく

「食料が少ないのですか?」

 エターナリアが真剣に聞く

「恥ずかしながら、寄付が集まりません・・・悲しいことですが・・・」

「治安が悪くなっているのは、どのぐらい前からですか?」

「3年前から急速に悪くなっています・・・孤児達の手伝いも減っています」

 院長が悔しそうに言う

「領主からの支援も無くなったのですか?」

「3年前に打ちきられました」

 院長が真剣に言う

「こちらの食料を使ってください」

 エターナリアが言うと護衛が持っていた袋を下ろすと院長が中を見て涙目になる

「え!こんなに・・・最初から寄付に」

 院長は必死に頭を下げるとエターナリア達は帰っていく


 4件の孤児院を回り確認していくと領主の館に向かうとルカナ達の所に向かう

「ルカナどうかな?」

「あ!御主人様お帰りなさい!気が付かず申し訳ありません」

 ルカナが慌てて言う

「頑張って把握してね」

「はい、御主人様」

「所でルカナ、孤児院の資金は誰が管理しているのかな?」

 エターナリアが聞くと資料を持ってくると説明してくれる

「間違えないですね、流用されていますね」

 レインが真剣に言う

「後は賊狩りかな?」

 エターナリアが笑顔で言うと市場の方に歩いて出掛ける


「御主人様つけられています」

 ケシルが微笑みながら言うと路地裏に入っていくと男達が回り込んで来る

「エターナリアだな!死ね!」

 男が言うと剣で斬りかかってくるとケシルが殴り飛ばしてから残りの賊を次々と金属の棒で両腕を砕いていく


「御主人様お仕置きしますね」

 セレストリアが笑顔で言うと護衛役の者達が次々とボコボコにしていくとアーナが回復魔法を使い始める


「助けてくれ」

 男が涙目で必死に言う

「依頼主は、誰かな?」

「商業ギルドマスターだ!」

 男が泣きながら言う

「余罪も吐いてね」

 エターナリアが笑顔で言うと次々と余罪を叫んでいると王国兵士が苦笑いしてメモを取っている

「連行して、取り調べよろしく」

 エターナリアが笑顔で言うと兵士が連行していく


 夕方まで町中を歩き回り賊を狩り続けて領主の館に戻る

「エターナリア殿・・・これをクエールバスコでやっていたのですか?噂は聞いていましたが、一日で8組も捕まえるなんて」

 王国兵士が苦笑いする

「重臣3人に商業ギルドマスター、副マスターまで暗殺に来るなんてね」

 エターナリアが笑いながら言う

「それが狙いですか?」

「楽しみだなー王国兵士の本気を見るのは」

 エターナリアが笑顔で言うとみんな笑い始める

「こう言うことか・・・だからクエールバスコ警備隊隊長が気を付けろと言うのか・・・」

 王国兵士が苦笑いする


 翌日重臣や伯爵領の家臣を集める

「国王陛下より、当面の領主代行をする事になったルカナです。」

 ルカナが真剣に言うと重臣達と家臣達は睨んでいる

「これが国王陛下からの任命書である」

 王国兵士が真剣に言うと説明をする

「まずは、不正を正す所から始めます。重臣、孤児院の資金を流用していますね、申し開きは?」

 ルカナが睨み言う

「何の事でしょう?」

「こちらが記録ですが、孤児院の運営費は合わせて金貨30枚ですね、何枚孤児院に運営費出しましたか?」

 ルカナが微笑みながら言う

「え!・・・全部出しました・・・」

「こちらが孤児院の受け取り状況です。3年前からゼロです。その前も半分しか渡されてないですね」

 ルカナが笑顔で言う

「え!そそ・・・・」

「申し開きは無いのですか?ハッキリ言いなさい!!」

「それがどうした!!孤児院なんかに運営する必要はない!!」

 重臣が大声で言う

「黙れ!!不正を働いて言う事ですか!!」

「小娘!!」

 重臣が叫ぶと短剣を抜いてルカナに斬りかかってくると、ルカナは軽くかわして腕を掴み投げ飛ばす

「暗殺未遂で拘束しなさい!余罪の追求もしなさい!!」

 ルカナが言うと兵士が縛り上げると家臣たちがざわついている

(え!強い・・・軽く投げ飛ばした)


「次は、エターナリア様を襲った賊ですね、解っていますね、あなた達は」

 ルカナが睨む

「何の事でしょう」

 重臣が苦笑いして言う

「こいつらが全部吐きましたよ」

 ルカナが笑顔で言うと王国兵士が賊達を連行してくると重臣達が崩れ落ちる

「連行して、余罪をことごとく調べなさい!!」

 ルカナが言うと重臣達が連れていかれる

「次は兵士隊長、エターナリア様がここに来る前に襲わせるなんて思いませんでした!!」

 ルカナが言うと賊達が入ってきて懺悔を始める

「くそーー!者共ルカナを殺せ」

 兵士隊長が叫ぶと6人の兵士がルカナに向かってくる

「反逆罪で捕らえます」

 ルカナが叫ぶと片手に金属の棒を持ち兵士達を凪払うと完膚なきまでに叩き潰す

「化け物か!!」

 兵士隊長が震え出す

「フフフ・・・御主人様を狙うなんて許すと思いますか?たっぷりお仕置きをしますね」

 ルカナが不敵に笑うと兵士隊長を殴り続けていると家臣たちは青ざめて震えている


「ルカナそのぐらいにしないとダメだぞ」

 エターナリアが微笑みながら言う

「はい!御主人様!!」

 ルカナが笑顔で言う

「回復してからたっぷりお仕置きをするようにね」

 エターナリアが笑顔で言うとルカナが回復魔法を使い回復させて両腕を砕いて遊び出す

(は?止めたよな・・・続けるのか)

 家臣たちが震えながら見ている


「後は明日にしましょうね」

 レインが微笑みながら言うとルカナは座り何もなかったように微笑んでいる

「不正は働かない様にしてくださいね、見付けたらお仕置きにしますね」

 ルカナが笑顔で言う

「はい、ルカナ様!!」

 家臣達が慌てて言う

「全員で調査を開始してください!まだまだいますからね、今許してほしいなら、ここで余罪を言いなさい」

 ルカナが笑顔で言うと家臣達は見合わせてから、何人か自供を始めると他の者達も罪を認めていく


「罪は罪! 罰は必要です! 1番の罪は、領民を蔑ろにした事です!! 領民が幸せに暮らせるように勤めなさい! 罪の軽い者は、罰として、一部俸給を減じます。この領地が復興させる為に誠心誠意務めなさい」

 ルカナが真剣に言うと全員平伏して同意する


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