第190話 エランとアジェリナ
兎耳族の町が見えてくる
「御主人様!国境の町です」
「確かあの町が狼耳族に襲われた町だよね」
エターナリアが微笑みながら言う
「どこの軍勢だ」
兵士が慌てた風に言う
「クレセント陛下の旅路を邪魔するの?」
エーレンが笑顔で言う
「え!!ももももも申し訳ありません!!」
兵士が慌てて門を開けると馬車の列は入っていく
「クレセント陛下お久しぶりです」
族長が慌ててやってくる
「久しぶりだな、あれから村人達は元気にしているか?」
「はい!エラン様の治世見事ですので心配はいりません!食料も沢山取れて飢えるものはいなくなりました」
族長が笑顔で言う
「そうか!それは良かった、長い戦いだったからな」
エターナリアが呟く
「クレセント陛下は私達の永遠の王です!伝承として永遠に語り継ぎます」
「少し恥ずかしいな」
エターナリアが苦笑いするとエミールが笑い始める
「偉大な戦神クレセント陛下ですから既に伝説になっています」
レインが微笑みながら言う
「レインまで」
「エターは戦闘狂なだけだけどね、黒の軍団を一人で楽しそうに殲滅して遊ぶ人はエターだけです」
「そうですね独り占めしていましたからね」
レインが微笑みながら言う
「あれは危険だから仕方無いでしょ?」
エターナリアが言うとみんな笑い始める
「クレセント陛下本当に平和な世界をありがとうございます」
族長が頭を下げながら言う
翌朝王都に出発すると住民と兵士は全員で見送りに出てくると周辺の村から多くの人が一目見ようと街道に来ている
「エターやっぱり凄い人気だね」
「ここまで人が集まるなんて思わなかったね」
「御主人様の偉業を達成したからですね」
レインが微笑みながら言うと3人で並びながら馬車から住民に手を振ることにする
「王都が見えてきました」
エーレンが笑顔で叫ぶと王都の城壁の兵士達が走り回っていると城門が開き人が出てくる
「クレセント陛下お待ちしてました」
エランが笑顔で言うと兵士達が笑顔で並んでいる
「エラン久しぶり」
「陛下が寄ると昨夜連絡が入り発表したら町中が祭り騒ぎになっています。クレセント陛下の人気は凄すぎます。」
エランが笑顔で言うとロブスカが後ろで微笑んでいる
「ここまでの村を見たけど、畑も見違えるほど沢山有って驚いたよ」
「新しい畑を作るためにみんなで協力したら、どんどん畑が増えました、本当に一年でこんなに変わるなんて思いませんでした」
エランが笑顔で言う
「もう立派な王様だね」
エターナリアが笑顔で言うとロブスカが涙を流し始める
「まだまだクレセント陛下の足元にも及びませんが精進します」
エランが嬉しそうに言う
王城でゆっくりしているとエーレンとエミールが中庭を見て微笑んでいる
「どうしたの?」
「え!静かにしてください」
エーレンが微笑みながら言うと中庭にエランと兎耳族の女性が話をしている
「ロブスカから仲良くしている女性がいると聞いていましたが、本当に仲良く話しているから良い雰囲気です」
エーレンが微笑みながら言う
「エランも一人前だから心配はいらないね」
エターナリアが微笑みながら言う
「はい!御主人様、エランは御主人様を尊敬しています。何か有ると御主人様ならどうするか考えて行動します。畑の件もエランが率先して開墾したので誰一人、文句無く一生懸命開墾して民からの信頼を獲得しました。そしてエランが尊敬する御主人様も偉大な王として尊敬をされています」
エミールが微笑みながら言う
「エランは王の資質有るね、安心できるね」
エターナリアが微笑みながら言うとエーレンとエミールは嬉しそうにエランを見ている、そして物陰からロブスカが微笑みながら見ている
翌朝国境の町を経由してリューセルド王都に向かう為に出発する
「このまま帰った方が早いのに」
「そうだね、王都にあんなに長くいたのに領内を旅してなかったから、ちょっと見て回りたいと思っただけだよ」
「そうね・・・私達の国の民を見て回るのは良いけど、厄介事に巻き込まれない事!」
「ハハハ・・・自分達の国民と認めたねエニス」
「え!あ!聞かなかった事にして!!エター」
エニスが慌てて言うとレインが笑っている
「エニス様とクレセント皇帝陛下の国です」
アーナが微笑みながら言う
「平和な時が長く続くことを望もうね」
エターナリアが微笑みながら言うと外を眺め始める
王都に到着するとエターナリア達はクロエプラトン商会の屋敷に向かう
「御主人様何故王城に向かわないのですか?」
アーナが疑問に聞く
「アジェリナが女王として国を治める為と、自由に迷宮探索と町中探索をする為だね」
「え!解りました、御姉様が寂しがるかも知れませんけど」
アーナが心配そうに呟く
「そうかも知れないけど、元に戻るだけだからね、それに優秀な護衛も付いているからね」
「少し不安です」
アーナが苦笑いしていると屋敷に到着する
その夜アジェリナがやってくる
「クレセント様何故王城に戻られないのですか?」
「アジェリナどうしてここに?」
「クレセント様!!どうしてどうしてどうして!!」
「あ!アジェリナ御姉様近過ぎます!」
「クレセント様」
アジェリナが涙目で言う
「アジェリナ!!近すぎる!!離れなさい!!」
エニスが笑いながら怒鳴るとアジェリナが慌てて離れる
「エニス様申し訳ありません」
「アジェリナどうしたの?」
エターナリアが微笑みながら言う
「クレセント様何故王城に戻られないのですか?待っていたのですよ」
「え!今戻ったら帰れなくなりそうだから」
「帰るにしても近くにいるのですから、会いに来てください!!さささ寂しいです!離れて初めて解りました、私はごごごっごしゅじんしゃまがだだ大好きでしゅ」
アジェリナが真っ赤になって言う
「あ!アジェリナ御姉様が愛の告白を」
アーナが苦笑いしている
「はははっはじゅかしいです」
「アジェリナ真っ赤で可愛い!!」
エニスが微笑みながら言う
「おお奥様!えーとーそのーこれはー」
アジェリナが真っ赤になりながら頭を下げると体勢を崩してエターナリアの上に乗ってしまう
「あ!ごしゅじんしゃま・・・」
アジェリナが真っ赤になりながらエターナリアを見る
「アジェリナ御姉様が壊れている」
アーナが呟く
「アジェリナ可愛いけど、大胆!!」
「おおおお奥様申し訳ありません」
アジェリナが慌て出すと立ち上がろうとすると、今度はテーブルの上に倒れる
「アジェリナ御姉様!大丈夫ですか?」
「アーナ変です・・・フラフラしましゅ」
「アジェリナ御姉様落ち着いてください」
アーナが苦笑いしながら言うと手を握る
アジェリナが落ち着くと真っ赤になりながら床に座り込んでいる
「エニス奥様申し訳ありませんでした」
「アジェリナどうしたのですか?」
「クレセント様が近くにいるのに会えないのが寂しくて・・・会いたくて来ましたが顔を見た瞬間何を考えているのか解らなくなってしまい申し訳ありません」
「エターナリアを誘惑するなら、鎧ではなくドレスで来てね」
「え!ドドドドレスで!私等似合わないです!それに寝室以外で鎧は脱がないと決めています」
アジェリナが真っ赤になって言う
「やっぱり可愛い!!壊れたアジェリナは本当に可愛かったー今度は寝室で壊れてね」
エニスが微笑みながら言う
「え!寝室で!!」
アーナが言うとアジェリナは床に倒れている
「え!アジェリナ大丈夫?」
「御姉様!!」
アーナが慌てて揺すっている
「あれ?私は倒れたのですか?」
「御姉様!大丈夫ですか?」
「空耳まで聞こえました・・・どうしたのでしょうか?もうダメなの?」
アジェリナが涙目で言う
「アジェリナ、疲れているのかな?少しソファーで休みなさい」
エターナリアが微笑みながら言うと抱き上げてソファーに寝かせる
「ごしゅじんしゃま・・・」
アジェリナが赤くなりエターナリアを見詰めている
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