第188話 クオンドセメルト王国

熊耳族の男達が町を出て走ってくる

「頼む降伏させてくれ」

男が言う

「降伏勧告通りだ」

「頼む助けてくれ!俺が国王だ!全部譲るだから頼む」

国王が頭を下げて言う


「御主人様国王が降伏してきましたがどうなさいますか?」

「なんて言ってくるかな?」

エターナリアが苦笑いして言うと会いに行く

「頼む降伏させてくれ」

「もう遅いね」

「そんな事言わないでお願いします」

「何をどうするから、降伏するのかな?」

「全ての物を差し出す!勿論保有している財産全てだ!この奴隷達もだ」

国王が言うと後ろに涙目の綺麗な奴隷が控えている

「人でなしだね」

「は?女好きだろ?」

「国と保有している財産は全部没収するけど、降伏は民衆が決めることだ!民衆に裁かれると良い」

エターナリアが言うと国王は泣き崩れる


国王を縛り付けて降伏したのを発表すると民衆は安堵の表情と国王に対して憎悪の眼差しを向けている、そして今後の不安に怯えている


数日後全員集まり今後の方針を話し合う

「御主人様、どうなさいますか?」

「黒龍連合の属国だね、国王がいなくなるから、町毎に代表者を集めて中央で会議かな?1つにまとめる必要も無いから、ある程度自由にさせようと思うよ」

エターナリアが微笑みながら言う

「解りましたが、責任者を誰にしますか?」

「監視の兵士を派遣はするけど、最終的には独立だね」

「面倒だからですか?」

「部族毎に独立した方が良いからね、王都以外はまだ貴族が残っているから、頑張って貰おうね」

「かしこまりました」

レインが微笑みながら言う

「次はクオンドセメルト王国ですか?」

「寄ってから帰るよ」

「エター今度こそ帰ろうね!!」

エニスが大声で言う

「後始末はガビゼルが頑張るから大丈夫」

「やっぱり全部押し付けていかれるのですね」

ガビゼルが苦笑いする

「ガビゼル頼みましたよ」

ゼニスが笑いながら言うとみんな笑い始める


数日後各町の代表者が集まる

「この国は黒龍連合国の属国扱いになるが、何か文句が有る者はいないか?」

「我らはどうなるのですか?」

「面倒だから当面町の太守になって貰おうかな?税金の徴収と町の治安維持だね」

「それは・・・今までと変わらないと言うことですか?」

「黒龍連合国からの監視が有るから、無責任な者や税を取りすぎて、民が困るような事になったら、解任と一族郎党処刑だね」

エターナリアが微笑みながら言うと全員青ざめる

「解りましたが、今後の方針は誰が決めるのですか?」

「この会議で決めるよ、だから変な事をしたら、どうなるか解るかな?その方が楽しいけどね、だからお願いね」

エターナリアが微笑みながら言う

「解りました・・・」

全員青ざめている

「後は任せたから、民を傷つけないようにね」

エターナリアが微笑みながら言う

「御主人様、王族の件ですがどうなさいますか?」

「お前達はどうしたい?」

「処刑で構いません!王族も王都に捕まっている貴族全員処刑で良いです」

代表者が言う

「わかった!お前達で処刑するように!」

「え!私達がですか?」

「決めたのだから、決行するようにね」

エターナリアが微笑みながら言うと全員が青ざめている


数日後エターナリア達はクオンドセメルト王国に向かうことにすると国境を越えて漁村に到着する

「塩を作っています」

レインが微笑みながら言う

「丁度良いから買っていこうか?」

エターナリアが笑顔で言うとクリスとセリカが交渉に向かう

「御主人様申し訳ありません、買うには王都で許可が必要だそうです」

「そうか仕方無いね、王都に行ってからにしようね」

エターナリアが微笑みながら言うと魚介類を買いみんなで食べることにする


数日後王都が見えてくる

「御主人様、到着しましたね」

「そうだね」

エターナリアが微笑みながら言うと門に近付くと中から兵士が出てくる

「クレセント陛下お待ちしておりました」

ゼクトが笑顔で言うと兵士が頭を下げる

「ゼクト着いていたんだね」

「簡単にレベストリアセメルト王国を征服すると思っていましたので、交渉も終わっています。」

ゼクトが笑顔で言うと城の中まで案内してくれると広間の玉座に座っていた男が立ち上がり

「よくぞお出でくださいました、正式に諸部族として支配下に入る事を表明します」

国王が頭を下げて言うと玉座に案内されるとエターナリアは座る

「クレセント陛下レベストリアセメルト王国の結末は聞きました、クレセント陛下に立ち向かう愚かさは解りました。これからは黒龍連合を一生懸命支えます」

「この国で困っていることは?」

「戦争が終わりましたが、食料が足りません」

「ならば交易路を開き交易で食料を買うしか無いな・・・前線付近は本当に荒廃していたからね」

「国民の為にどんなに高くても、買うつもりでいます」

「クロエプラトン商会に話すと良い、丁度塩も少し必要だったからね」

エターナリアが微笑みながら言う

「はい!解りました」

「レベストリアセメルト地方からも得られるから困ることも無いが、流通は活性化させないとね」

「解りました・・・それと孫娘を人質として差し出します」

「必要ない!共に繁栄すれば良いからね」

エターナリアが微笑みながら言うと国王が驚きながら頭を下げる

「後はクリスとレインと相談するように」

エターナリアが微笑みながら言う


王城の部屋に移動してみんなで寛ぎ始める

「エター王様みたいで良かったよ」

「エニス王妃様になりたくなった?」

「え!やらない!!」

エニスが笑顔で言うとみんな笑っている


翌日から町中を観光したり、交易品を買ったりして過ごすと奴隷商人から処女の熊耳族の奴隷を20人と男の奴隷を20人買う


「御主人様、全ての話し合いは終わりました、クロエプラトン商会の支部も、この王都に設置します。」

レインが笑顔で言うとクリスが頷いている

「通商問題にならないかな?」

「はい!規律が無いので簡単でした、商業ギルドも黒龍連合との交易に後ろ向きでしたので、クロエプラトン商会と取引で納得させました」

「流石レインとクリスだね」

「提案に有った塩釜も使うようにすると受け取り塩を作っている場所で使うそうです」

「魔石が交易品になるね」

エターナリアが微笑むとレインが笑っている

「国王は本日国民に発表しましたが、国民は黒龍連合国に加入した事に喜んでいます。更にレベストリアセメルト王国が負けた事で戦争が終結した事に驚きと安堵しています。」

レインが微笑みながら言う

「後は監視を緩めないようにね」

「御主人様は買った奴隷を密偵にするつもりですよね」

レインが微笑みながら言う

「鍛えたらね、種族事に密偵は必要だよね」

エターナリアが微笑みながら言う

「一度リューセルド地方に寄ってから帰りますか?」

「そうだね、やっと帰れるね」

エターナリアが嬉しそうにする

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