第184話 出発準備と降伏

翌朝準備をして出発しようとしている

「御主人様!大変です、クオンドセメルト王国のギゼルドナが来ました」

侍女が伝えに来る

「御主人様!旅に出させてくれないつもりですかね?」

レインが苦笑いして言うと全員が笑い始める

「エター!ぐずぐずしていたら、置いていくよ」

エニスが笑顔で言う

「エニス元気になったね」

「え!それは王妃に成らないで済むから!アジェリナがいてくれたら、平気でしょ?」

「そうだね、じゃあちょっと覗いてから、出発するよ」

エターナリアが笑顔で言うと広間に向かう


ギゼルドナと女性が入ってくる

「アジェリナ様、国王陛下より交易の件の締結したいとの事です」

「解りました、先の連合会議にて、交易の為に交渉を進める方針が示されていますので、詳細について話し合う担当をもうけます」

「アジェリナ様ありがとうございます。」

ギゼルドナが頭を下げる

「申し上げにくいのですが、国王陛下より・・・援軍はして貰えないかと」

「それは難しいですね、貴国の戦争に興味は有りません」

「お願いします!祖父は国民を守るために戦っています!このままだと、国民が苦しみます!お願いします。」

「あなたがどなたか知りませんが、国民を危険に晒すわけにはいきません!もし反対の立場なら援軍出しますか?」

アジェリナが真剣に言う

「え!それは・・・だけど、あの非道許せません!」

「非道?」

「前線でのあの黒の軍団、そして女子供まで皆殺しにする、あれだけは・・・」

「噂は聞いています。しかし、あなたの国がやった事では無いのですか?敵も味方も無く皆殺しですからね」

「え!!それは絶対に有りません!!我が国の将兵にそのような人はいません!!」

「本当でしょうか?貴女の一族の者が犯人だと言う事もあり得ます。使った者が不明では証拠が有りません!貴女が信じている人に裏切られた事は無いのですか?」

「絶対に無いです!!あの戦いで我が軍の主力が全滅して、我が国に戦う戦力はもう・・・」

女性は悔しそうにうつ向く

「アジェリナ様出来れば、この書状をクレセント陛下に渡して欲しい!今回はその為に来たのだから・・・」

ギゼルドナが真剣に言うと書状を差し出すと兵士が受け取り書状をアジェリナが読み始めるとエターナリアを見る


「予想外の事の様だね、姫を連れてきている時点で覚悟の書状だね」

「はい!確認してきます」

レインが微笑みながら言うとアジェリナの方に向かうと、書状を確認して苦笑いしながらギゼルドナを見る

「この書状の内容は知っているのですか?」

レインが苦笑いしながら言う

「え!それは・・・援軍を受ける、最終手段と言っていました・・・」

「私を人質にすると言っていましたが、正確な内容は聞いていません」

女性が真剣に言うとギゼルドナが驚いている

「黒龍連合に降伏と、王女テシナウを人質として差し出す変わりに援軍を求めるとは」

アジェリナが苦笑いしながら言う

「え!!降伏・・・援軍要請の為に・・・」

ギゼルドナが驚いている

「国民が救えるなら!何でもするべきです!!私等どうでも良いから!どうにか援軍を!」

テシナウが言う

「陛下に伝えますが連合会議を召集して回答する必要が有ります」

アジェリナが真剣に言う

「そこを何とか!」

「私の一存では決められませんので、陛下と連合会議の結果をお待ちください」

アジェリナが言うとギゼルドナとテシナウは残念そうに出ていく


「御主人様どうなさいますか?」

アジェリナが真剣に聞く

「敵の敵は味方かな?」

「この状況なら、恩を売って、属国にしてしまっても良いと思います」

レインが微笑んでいる

「姫さんはどうでも良いけど、この際ついでに支配下にしちゃうかな?」

エターナリアが笑いながら言う

「喧嘩売られないですからね」

レインが言うとみんな笑い始める

「アジェリナ、対価は属国だ!頼んだよ」

エターナリアが笑いながら言うと広間を出ていく

「え!まさか私に丸投げ?」

「黒龍連合会議に丸投げですね」

「あ!!まさか!この為に会議を立ち上げたのですか!!」

アジェリナが苦笑いしている

「面倒事は黒龍連合会議にと言うより、一言でアジェリナが属国にすると言えば、誰も反対はしないですね、面倒だから」

レインが笑いながら言うとエターナリアを追うとアジェリナは苦笑いしながら見つめている


「御主人様全員の準備終わりました」

クリスが笑顔で言う

「レベストリアセメルト王国に喧嘩売られた!売られたらどうする?」

エターナリアが大声で言う

「勿論売られた喧嘩は、最後まで買う!!!」

全員が笑顔で言う

「買いにいくぞ!」

エターナリアが大声で言うと全員が笑いながら出発する

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