第176話 オルトロス帰還と報告

オルトロスはクエールバスコに到着するアーガナルド商会の前に到着する

「代表者エリスナはいるか」

オルトロスは商会に入るとカウンターの職員に言う

「え!騎士様!!少々お待ちください」

職員は驚いて慌ててエリスナの元に向かう

「エリスナ様大変です!騎士様が面会を求めています!それもかなりの身分の方です!!どうしましょう?」

職員が心配そうに言う

「解りました、応接室に通しておいてください」

エリスナは考えながら言うと貴族出身の担当者を呼んで一緒に向かう

「お待たせしました、エリスナと申します、お会いできて光栄です」

エリスナが頭を下げながら言う

「王国騎士団北方方面遠征軍隊長のオルトロスだ!よろしくお願いします」

オルトロスが丁寧に言うと頭を下げる

「私共にどのようなご用件でしょうか?」

エリスナが心配そうに言う

「こちらの手紙と旧リューセルド国よりの商品を運んできた、確認をお願いします。クレセント大王に国王陛下まで知っている商会に寄るのが楽しみでした。」

オルトロスが笑顔で言うと手紙を差し出す

「クレセント?北の兎耳族の王の?・・・」

エリスナは呟くと手紙の束を開けて、商会宛の手紙を読み始めると笑顔になり涙目になる

「御主人様・・・やっぱり凄いです・・・だけどやっぱりトラブルになったのですね」

エリスナが呟く

「オルトロス将軍ありがとうございます。早速商品を確認させてください」

エリスナが笑顔で言う

「解りました」

オルトロスが笑顔で言うと荷馬車を回すように騎士を使いに出す

「我が商会も直ぐに商隊を集めてリューセルド地方に送る準備をします。」

エリスナが笑顔で言う

「商隊を送るのですか?」

「はい!手紙にはまだまだ食料が足りないから、商隊の派遣をするように書いてありました。」

エリスナが微笑みながら言う

「北へ商隊を派遣するのは初めてですか?」

オルトロスが心配そうに聞く

「はい、少し心配ですが、何とかします。」

エリスナが微笑みながら言う

「私の任務は北の交易路の確保ですので、小隊を護衛に残しましょう、道案内させて頂きます。」

オルトロスが笑顔で言う

「本当ですか?助かりますが本当によろしいのでしょうか?」

「クレセント王に間違っても喧嘩売らない様にする為です。あの王を怒らせたら、我が国とて勝てるかどうか?王都を1日で降伏させてしまうあの恐怖味わいたくない」

オルトロスが苦笑いしながら言う

「ありがとうございます」

エリスナが微笑みながら言うと表に出て商品を確認に向かう

「え!!これ全部ですか!!」

エリスナが驚くと商品の目録を見ると笑顔になる

「オルトロス将軍この商品を運んで貰ってありがとうございます。これで安心して西側の疫病と戦えます。薬が再び必要になりつつある今、この薬で数万人の命が救えます。」

エリスナが微笑みながら言うと職員に直ぐに別けながら、しまう様に伝える

「え!疫病!!疫病との戦い?数万人の命を救う!!」

オルトロスが驚いている

「この薬の材料は今必要な物です。予備の薬を送り出してしまい、集めていた最中でしたが本当に助かりました」

エリスナが微笑みながら言う

「まさか・・・クレセント王は知っていて運ばせたのか?・・・あの王なら有り得るが何故我らに託した?」

「王家に関わらせる為ですね、王家は西の疫病は任せておけと言いつつ何もしないですから当て付けですね」

エリスナが微笑みながら言うと手紙を差し出すとオルトロスが苦笑いして読み始める

「クレセント王には勝てない・・・内緒にしろと言いつつ国王陛下に手紙を見せる様にと書いてあるとは・・・」

「フフフ・・・その通りですね、先まで読み通しています。何も言わずに何十万人救うつもりですね」

エリスナが微笑んでいる

「クレセント王・・・三原則、喧嘩売るな、面倒事持ち込むな、秘密にしろ、ですか・・・」

オルトロスが苦笑いしているとエリスナが笑い始める


オルトロスは王都に到着すると国王陛下に報告に向かう

「国王陛下ただいま戻りました。」

オルトロスが姿勢を正して言う

「オルトロス、クレセント王は何か言っていたか?」

「こちらの手紙を渡すように言われました、途中クエールバスコのアーガナルド商会に荷物を届けましたが、そこでこの手紙が追加です。三原則を守れだそうです!」

オルトロスが真剣に言うと国王が手紙を読んで大笑い始める

「三原則は本気だな!!オルトロス絶対に喧嘩売るなよ!!この手紙は本気度が有りすぎる!!」

国王が笑いながら言うとオルトロスが苦笑いしている

「その手紙は・・・レストリア王女様への手紙ですね・・・目の前で笑顔で書かれていました。」

オルトロスが苦笑いしていると王太子夫妻とレオリスとレストリアが見て大笑いしている

「アーガナルド商会に任せておけば、通商は問題ない!オルトロスは国境の町でアーガナルド商会を手助けしてやれ!絶対に怒らせるなよ!!怒らせたらどうなるか解るだろ?」

国王が真剣に言う

「戦争にもなりません!蹂躙されてしまいます。黒龍王までクレセント王の援軍に駆け付け、降伏勧告で一夜にして王都が陥落しました・・・」

オルトロスが真剣に言う

「重要なのは三原則だ!!頼んだぞ!国の命運はお前次第だ!後で国境の町にアーガナルド商会交易場建設の国王命令書を出すから頼んだぞ」

国王が笑いながら言うとオルトロスは出ていく


「本当に喧嘩売られて王国まで占領するとは」

レオリスが苦笑いしている

「その為の三原則だな!それ所か全部喧嘩売られたから買ったの一言だ!レオリス絶対に友好関係続けるように!これで公爵の監視を強化できる」

国王が笑顔で言う

「オルトロスに薬の材料を運ばせるとは・・・当て付けも良い所です・・・西側の疫病を甘く見ているのがバレています、再び急拡大始まり対処が出来ていないのを知っていますね」

王太子が苦笑いして言う

「当たり前です!!あの人は常に先を見ています!だから大好きなのです!!」

レストリアが笑顔で言うと急に赤くなる

「親の前で告白ですか?本人に伝えてくださいね」

王太子妃が笑い始める

「お母様!!」

「この手紙だとダメか」

国王が苦笑いしながら言う

「凄く解りやすいですね、ダメ一言とは」

「長い文章より一言ですね」

「うーーー・・・・」

レストリアが涙目になると国王が笑い始めると全員笑い始める

「北の心配はなくなった!それに西側の疫病も薬が沢山手に入った!騎士団も帰ってきた!これで公爵の好きにはさせんぞ!!」

国王が笑顔で言う

「何もしてないような」

王太子が苦笑いしながら言うと国王が笑い始める

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