第172話 愚かな国王

平定が終わり町に戻ると

「クレセント様!!こんな早く平定するとは思いませんでした!」

「ベルゼス町中の様子は?」

「警備だけしているだけで、住民は反抗も無く平和です」

ベルゼスが笑顔で言っている

「要塞を落として王都に向かおうか?」

「クレセントさまその一言を待っていました!!兵士が喜びます!戦争に終止符うてます」

ベルゼスが笑顔で言う


「御主人様!オルトロスが至急会いたいそうです」

レインが微笑みながら言うと会いに向かう

「これはクレセント様お会い頂きありがとうございます」

「オルトロス、レオリスは一緒でないのか?」

「レオリス様は戻ってきていません」

「そう言うことか・・・」

エターナリアが呟くとレインが微笑んでいる

「クレセント様停戦をする気は有りませんか?」

「もう無いな!」

「そうですか・・・仕方無いです」

オルトロスが呟くと帰ろうとする

「オルトロス撤退はしないのか?」

「え!それは私だけの判断は出来ません!!交易路確保が私の任務ですので・・・」

「そう言う事か・・・だからレオリスが帰ってこないのか、レイン手紙を書いてくれ!」

エターナリアが笑顔で言うとレインが手紙を書き始める


「オルトロスこれを持って国王とレストリア王女に渡せば任務完了になる」

エターナリアが手紙を手渡す

「は?任務完了に?レストリア王女??」

オルトロスが驚いている

「オルトロスの任務の交易の確保が出来るからな!この戦争が終わり次第交易が再開されるからもう必要は無いだろ?違うか?」

「え!・・・実はクレセント様に交易の件を言われたら、これを渡すように言われていました」

オルトロスが苦笑いして言うと手紙を差し出す


偉大なる冒険者にして、大商人にして、獣人族の大王様、我が国は貴国との交易の再開に対して我が国最大のアーガナルド商会を通して全て行う事を提案する。アーガナルド商会と交渉して好きに取引をして欲しい

まだレストリアを娶る気は無いか?一夫多妻でも良いのだから考え直してくれ

それと、オルトロスは好きに使って構わん、頭が堅いから中々約束は守るぞ


「レインこれはまだ諦めて無いのか?」

エターナリアが苦笑いして言う

「その様ですね・・・しつこいですね」

レインが大笑いする

「エニスに解答をして貰おうかな?」

「そうですね、エニス様から一言の手紙で良いと思います」

レインが笑いながら言うとエニスを呼ぶ

「あの・・・なんて書いてあるのですか?」

オルトロスが苦笑いして言う

「アーガナルド商会を通して交易する事を提案されただけだ!読んでみろ」

エターナリアが手紙を見せるとオルトロスが固まっている

「これは・・・え!指揮権がクレセント様に?どう言うことだ?え?何故?」

「面倒な事を押し付けただけだな!」

「はい!御主人様!!何で仕返ししますか?」

レインが微笑んでいる

「何をするにしても、めんどくさい」

エターナリアが笑いながら言う


「エター何の用?」

エニスが笑顔でやってくる

「この手紙に付いて一言言って」

エターナリアが手紙を手渡す

「ダメ!!!」

エニスが笑いながら言うとレインが大笑いするとオルトロスが苦笑いしている

「書いてね」

エターナリアが笑顔で言うと紙にダメと大きく書くとオルトロスに手渡す

「え?これは・・・レストリア姫様の返事ですか?」

オルトロスが苦笑いしているとみんなで笑っている


エターナリア達は要塞包囲はベルゼスに任せてガビゼル軍に合流すると別の砦を落としに向かう

「クレセント様まさかこっちから攻める事を考えていたのですか・・・」

「面倒だからねあんなに外に兵士を配備されたらね」

エターナリアが苦笑いしている

「効率的で良いと思います」

レインが微笑んでいると日が暮れると砦が見えてくる

「じゃあ行ってくるね」

エターナリアが笑顔言うと城門に歩いていく

「止まれ!!夜は通れない!!」

「そうですよね・・・仕方無いからここで寝ても良いですか?」

エターナリアが門番に言う

「ダメだ!邪魔だからどこかに行け!!」

門番が怒鳴る

「仕方無いね」

エターナリアが言うと黒龍王剣を抜くと闘気を纏い門を一刀両断するとエターナリアは中に入ると遠くで見ていた軍勢は砦に近付く

「どこに行った!」

門番がエターナリアを見失い下を覗き込んでいるとエターナリアは門の上に階段を上がり来る

「どうしたのですか?」

「え!何故ここに!!」

門番が驚いている

「門なら穴が開いていますよ」

エターナリアが微笑みながら言う

「はぁ?どうしてだ!!」

門番が驚いて言う

「後ろを見た方が良いですね」

エターナリアが微笑みながら言う門番が後ろを見て軍勢を見ると慌てて鐘を鳴らそうとするがエターナリアが殴り飛ばして気絶させると全員両腕を折っていく


「御主人様!お疲れ様です」

ケシルとミシルが笑顔で言う

「どのぐらいで制圧出来るかな?」

「セレストリアとアリスとアニタとキサラが先頭に走っていますのですぐに終わります」

「不用心な要塞だね」

エターナリアが微笑みながら呟くとケシルとミシルが笑い始める


「クレセント様全員捕らえました」

ガビゼルが笑顔で言う

「今日は休息をとって明日は王都だね」

エターナリアが笑顔で言う

「こんな簡単に落とすなんて思いませんでした」

「相手が油断しすぎているからね」

エターナリアが呟くと遠くを見ている

「御主人様来ましたね」

ケシルが見つけて言う

「これで包囲する戦力が揃ったね」

エターナリアが微笑んでいる

「え?戦力?」

ガビゼルが言うと遠くを見て苦笑いしている

「わかった?喧嘩は狐耳族に売られたもので無いからね」

「アハハハ・・・狼耳族の精鋭ですか?だから時間を掛けていたのですか?」

「そうだね、愚か者だよね早く決戦に持ち込めば王都包囲されなかったのにね」

エターナリアが笑いながら狼耳族を迎え入れる


翌朝王都を包囲しに出発するとエターナリア達は要塞からの通り道を魔法で崖を崩してから王都に向かう


「大変です!!国王陛下敵軍が進軍してきています!!」

「何だと!!要塞が突破されたのか!!」

「いえ!北の方向から進軍してきています」

「バカな!!すぐに要塞に軍勢を戻すように伝えろ!!」

国王が激怒しながら言う

「大変です!!敵は狼耳族の軍勢も合流しています!!」

兵士が青ざめながら言う

「何故だ!!何故狼耳族が!!停戦を破りしたな!!」

国王が怒り怒鳴る

「降伏勧告の使いです」

兵士が言うとボロボロの将軍が入ってくると手紙を渡して控えている

「何だと!!降伏などしない!!全軍で敵を皆殺しにしろ!!」

国王が怒鳴る

「無理です・・・あのクレセント王は強すぎます・・・宣戦布告したのが間違えでした」

「宣戦布告?」

「狐耳族を掌握したクレセント王に戦いを挑んだ事です・・・もう終わりです」

将軍が泣きながら言うと重臣達は青ざめて国王に説明を始める

「バカな!!何で!!我が国が宣戦布告をしただと!!」

国王が崩れ落ちる

「国王陛下!こうなったらあの笛を使いましょう!!黒龍王に焼き払って貰いましょう」

重臣が言うと国王は頷き決心をする


国王は城門の上に行く

「愚かな獣人共!!我が国の守り神黒龍王の怒りを知れ!!」

国王が大声で言うと笛を吹く


遥か遠くから大きな黒いドラゴンが飛んで来るのを見つけると兵士と重臣達は歓声をあげる

「偉大なる黒龍王よ古の盟約と盟友の窮地を救う為!!我らが敵を討ち滅ぼせ!!」

国王が笑顔で言う

「汝我が盟友の名を答えよ」

「え!我が先祖リューセルドの名の元に!!」

国王は大声で言うと黒龍は空に羽ばたきながら口に炎を集めて放つ

「何故だ!!何故!!城壁を!!」

「愚か者め我が盟友は月の王クレセントである!!我が盟友一族から笛を奪い我が物にしても無駄だ!そして、新たな盟友はクレセントを怒らせるとは!!愚かな略奪者全て焼き払おうか?」

黒龍王はそう言うと後ろの陣の方に移動する


「御主人様!あれは」

「ブラックスターだね・・・守り神か」

エターナリアが苦笑いしながら呟くとブラックスターは炎を城壁に放ち破壊する

「ブラックスターどうしてここに?」

「呼ばれて来たら、まさか笛があんな愚かな人間の手に・・・どうする?」

「面倒だから背に乗せて飛んでくれるかな?降伏勧告するからね」

エターナリアが笑顔で言うとエターナリアとエニスとケシルとミシルが背に乗ると飛び立つ

「クレセントの名の元に敵を討ち滅ぼす!!死にたくなければ、武器を捨てて降伏せよ!!」

ブラックスターが上機嫌で言うと王都を飛び回ると多くのドラゴンが集まり上機嫌で飛んでいる


「勝てる訳無い・・・・」

国王と重臣達が座り込むと兵士達は唖然として武器を落としていく

「王都内の敵を拘束してください」

レインが微笑みながら言う

「勝てる訳無いな・・・黒龍王を呼んだ時点でクレセント様は無敵だ」

ガビゼルが笑いながら言うと兵士達を王都内に行かせると次々と兵士達を捕らえていく


「ブラックスターありがとう」

エターナリアが笑顔で言う

「楽しかったぞ!」

「この笛はどうすれば良いかな?」

「持っていてくれ!あの山脈のこちら側ならどこでも助けに行くぞ・・・助けは要らないと思うがな!!」

「今度遊びに行く時に使うかな?」

「それは良い」

「ドラゴンと戦闘訓練したくて堪らないのが沢山いるからね」

「は?戦闘訓練か?強いのか?」

「獣王神に剣神に冒険神に槍神に空孤だね」

「は?そんなに強いのがいるのか!」

「あそこにいる全員だね」

「・・・本気だしたらこんな人間共瞬殺出来るだろう!」

「そうだね簡単に殲滅できるね」

エターナリアが笑い始めるとブラックスターも笑い始めるとブラックスターは帰っていく

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