第168話 ベルゼスとガビゼル

3日間族長と重臣のお仕置を続けると町に残る住民と兵士は降伏する

「そろそろ狐耳族の全権譲渡でもして貰おうか?」

エターナリアが族長に言う

「頼むから早く殺してくれ!!!頼む!!もうセレストリアを近付けないでくれ!!」

「それはセレストリアの気が済むかどうかだね」

エターナリアが微笑みながら言うとセレストリアが微笑みながらお仕置を続ける


「クレセント様四大将軍も降伏を受け入れました」

ゼクトが苦笑いして言う

「そうか・・・わかった会おう」

エターナリアが言うと連れてくる

「四大将軍筆頭ベルゼスと申します。こちらはガビゼルと言います」

2人の狐耳族の将軍が平伏して言う

「ベルゼスとガビゼルか」

「何故我らを殺さない?」

ベルゼスが言う

「殺しても面倒事は減らないからな」

「面倒事・・・・」

ベルゼスとガビゼルは苦笑いする

「ベルゼスこれからお前はどうしたい?」

「出来れば族長の仇を討つ為にあなたを殺したいと思っている」

ベルゼスが睨みながら言う

「そうか・・・族長の仇か・・・まだ死んでないが」

エターナリアが苦笑いする

「まだ処刑していないだけで、処刑するのだろう?」

「そうだな・・・狐耳族をこんなにしたのだからな」

「それは違う!!族長は人間からの部族の解放の為に戦ったのだ!!」

ベルゼスが睨みながら言う

「・・・そうかも知れないが調べる必要も有るがな」

エターナリアが考えながら言うと戦争を始めるまでの経緯を聞いていく


「御主人様、話の内容がかなり違いますね」

レインが苦笑いして言う

「情報操作か面倒だな」

エターナリアが苦笑いする

「前族長を殺したのが人間になっていますから完全に情報操作ですね」

レインが苦笑いする

「何を!!あの王国の奴らの暗殺だろう!!」

ベルゼスが怒鳴るとガビゼルが睨んでいる

「御主人様お呼びですか?」

セレストリアがやってくる

「セレストリアどうも情報操作するような頭が回る重臣がいそうだね」

エターナリアが微笑みながら言うとベルゼスとガビゼルが驚いている

「え!情報操作?」

「セレストリアの一族を襲ったのは人間の暗殺集団となっているね」

「あり得ません!!叔父が祖父と父を殺しました!兄や一族の者も!!私は奴隷商人に売られたのも事実です!!」

セレストリアが言う

「我らを混乱させるための嘘だろう!!」

「嘘は無理だな!セレストリアはまだ奴隷だからな」

「え!!じゃあ・・・・」

ベルゼスとガビゼルが青ざめている

「これは面倒事になるね、本人に全部話して貰おうか?」

エターナリアが苦笑いしながら言うと族長と重臣達を連れてくる

「お前が前族長を殺したのだな?それとも人間の暗殺集団なのか?」

「何が悪い!!俺が族長になったから白狐も人間も支配できるんだ!!」

「お前がやったのだな!!」

「それのどこがわるい!!!」

族長が叫ぶとベルゼスとガビゼルは泣き始める

「何故人間の暗殺集団にやられたとしたんだ!!」

「俺が族長になるためだ!!何が悪い!」

「侵略したのはお前の意思だな!!」

「人間は全員俺の奴隷になるんだ!!」

族長が叫ぶとベルゼスとガビゼルは唖然としている

「セレストリアお仕置の続きをしておけ」

エターナリアが言うとセレストリアが笑顔で連れて行く

「あーーめんどくさい!」

エターナリアが言う

「こんな人でも国は動くのですね」

レインが呟くと苦笑いしている

「多くの人を死地に向かわせて・・・・前族長の仇が人間で無いとは・・・・」

ベルゼスが泣きながら言う

「俺達は何ために戦争を・・・」

ガビゼルが呟く

「あいつの野心の為だね・・・同情出来るな」

「野心・・・・」

ベルゼスは呟くとガビゼルも空を見上げて涙を流し始める

「心の整理する時間が必要だな」

エターナリアが言うと2人は兵士達の方に行く


「ヘラすぐに調査をして欲しい、族長と組んでいた人とこの事で利益を沢山出していた者を」

「はい!畏まりました」

ヘラが笑顔で言うと奴隷の狐耳族の者達を連れて町に入っていく


翌日ベルゼスとガビゼルが再び会う

「クレセント様お願いが有ります、族長に兵士達の前で昨日の話をさせて欲しいのですがよろしいですか?」

「面倒事にならなければ良いぞ」

エターナリアが微笑むと族長を連れて兵士達が座る前で族長に昨日と同じことを聞くと兵士達は怒りに震えている

「我々は愚かな過ちを犯した!!このような者の嘘を見抜けずこの過ちで多くの同胞を死なせ!戦争を起こした!!白狐族にも何の罪も無いのに侵略した!!我らの誇りは完全にこいつのせいで失った!!この罪を我らは背負い歩まねばならない!!私はクレセント様に従い命あるかぎり狐耳族の平穏を取り戻す為に汚名を背負う!!皆はそれぞれの意思に任せる!!民の為に何をするべきか考えよ!!狐耳族の勇者達よ!!」

ベルゼスが大声で言うと兵士達はうなだれる者と立ち上がりベルゼスと共に戦う事を宣言するものに別れていく

「クレセント様!我らの忠誠!受け取って頂きたい!!」

ガビゼルが大声で言うと頭を下げる

「人間の俺に従う必要も無い!しかし狐耳族は戦争で疲弊している!建て直すまで私に力を貸して欲しい!狐耳族の民が飢えない平穏な時代に戻す為に!!」

エターナリアが大声で言うと狐耳族の兵士達は立ち上がり

「クレセント様!!!!」

歓声をあげ始める


「ベルゼス、ガビゼル面倒になりそうだね」

エターナリアが苦笑いしながら言う

「全員を納得させるとは思いませんでした・・・半分残れば良いと思っていましたが、一言で全員の意思を固めるとは・・・・やはり王の器・・・いやそれ以上の器か・・・」

「ベルゼス違うな!軍神の器だ!!我らが最強の仙孤様以来の出来事と思う」

ガビゼルが苦笑いしながら言う

「また伝説か・・・面倒になるから、勝手に奉らないでくれ」

エターナリアが苦笑いするとベルゼスとガビゼルが大笑いする


エターナリア達は町に入り町中の整理を始めるこ事にすると狐耳族全部の町と村に伝令が走っていく

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