第152話 軍勢と未来

数日後前線から使いが来る

「食料が足りなくなりましたので至急送ってください!これが指揮官からの手紙です」

兵士が疑問に思いながら手渡す

「渡す食料は無い!また軍は全部解散を命ずる」

エターナリアが言うと使いが驚いている

「国王陛下は?」

「あいつなら既に降伏して王位は譲り受けた文句は有るか?反逆者共」

エターナリアが微笑みながら言う

「え!・・・・」

兵士が青ざめながら見ている

「さっさと出ていけ!」

エターナリアが言うと兵士達に連れ出される


「全軍で帰って来ないといけないが戻ってこれるかな?」

エターナリアが微笑みながら言う

「向かい討ちますか?」

レインが微笑みながら言う

「何日で帰ってくると思う?」

「往復ですので10日ですね」

レインが微笑みながら言う

「その間に各部族長に使者の準備をしておいてくれ」

「はい!御主人様、既に準備は終っています」

「エランお前はどうするのが1番だ?」

「え!・・・・わかりません」

「農村から徴兵された兵士は村に戻るだろうが、各部族長から徴兵した者もいる、先に味方になるか敵になるか、確認をするか、軍勢を解散してから確認するかどうする?」

エターナリアが微笑みながら言う

「軍勢を解散してから言った方が良いです」

エランが考えながら言う

「そうか・・・では帰って行った兵士はそのまま部族の兵として攻めてくるぞ」

「あ!!それは困ります」

エランがおどろきながら言う

「先に言えば脅しにもなるが、紙一重だな」

エターナリアが微笑むとエーリンがエランを見ながら微笑んでいる

「色々考えながら解答をするようにします」

エランが笑顔で言う

「そう言う難しい判断はみんなにして貰えば良いから責任は全部とれ!絶対に配下のせいにするなよ」

エターナリアが微笑みながら言う

「はい!」

エランが笑うとレインは各部族に書面を送る


1人の白髪の男を連れて侍女が戻ってくる

「エーリン様!!エミール様!!」

白髪の男は2人を見て涙を流しながら叫ぶ

「ロブスカ!!生きていたの!!」

エーリンが驚きながら言う

「辺境で朽ち果てるつもりでしたが、呼び出して頂きありがとうございます」

ロブスカが頭を下げながら言うとエーリンが事情を説明している

「申し訳ありません、エターナリア様ロブスカと申します、部族の為に老体命をかけます」

「ロブスカ、今は誰も重役を与えない理由はわかるか?」

「横並びで競わせるつもりですか?」

「それも有るが、暫定の状況で重役を決めれば王が即位したら面倒だろ?」

エターナリアが微笑みながら言う

「あ!畏まりました」

ロブスカは頭を下げる

「国内の状況は最悪だが国境の町を押さえられれば、隣国との交易も可能だ!だが今は食料をえるのが1番先だな」

「その通りですが、資金が有りませんね」

「借金してでも全員を養うしか無いだろ」

「畏まりました、隣国から借金出来ますか?」

ロブスカが考え込む

「隣国最大の商会が貸してくれるから心配するな」

エターナリアが笑うとみんな笑い出す

「わかりました、では私は何からすればよろしいですか?」

「どのぐらいの食料が必要か調べてくれ算出が1番難しいがまかせられるか?」

「畏まりました」

ロブスカが笑顔で言う

「エラン少しついてどの様に行うか教えて貰いなさい」

エターナリアが微笑みながら言うとロブスカは嬉しそうに笑う


「エターナリア様国境の町はこちらに着く事を決めてくれました」

元大臣が笑顔で言う

「クリス手紙を出して食料を集めて貰え」

「はい!御主人様!すぐに出しますが護衛に犬人族を1人つけます」

「クリス護衛には男衆から1人追加で付けるように」

エターナリアが微笑みながら言う

「はい!畏まりました」

クリスは微笑みながら言う


「御主人様!!やっと軍勢が戻ってきましたがどうも全軍で攻めるつもりの様です」

レインが苦笑いしている

「やっぱりな・・・兵士が言う事を聞くかだな」

エターナリアが微笑みながら言う

「エター万の軍勢と正面からやり合うの?」

「エニス離れないようにしてね」

エターナリアが微笑むと全員で軍勢が戻ってくる門に向かう

「凄い数・・・やり甲斐が有るね」

エターナリアは微笑むと門の上から軍勢を見下ろしていると1人の男がやってくる

「開門して降伏せよ!!」

「愚か者だな!さっさと軍を解散して消え去りな!」

「この軍勢に勝てるつもりか!!愚か者め!!ワッハッハ!!」

「全軍に次ぐ!!強制的に徴兵された者達に次ぐ!今すぐ村に帰り家族や親類に顔を見せてやれ!!お前達が無事に帰ってくる事を家族は待っているぞ!!更にこの軍にはお前達を養う金も権利も権限も無い!!お前達は愚かな王!反乱で兄を殺し王位を奪った愚か者と関係ないと示せ!!苦難が有るが家族と幸せに暮らせる新たな時代がやってくるぞ!!」

エターナリアが大声で言うと多く兵士が動揺にざわめき始める

「何を言うか!!全軍あやつを殺せ!!殺せば栄誉が獲られるぞ!!」

大将と思われる男が怒鳴る

「帰り道で見ただろう!!荒れ果てた土地を!!何故そうなった!よく考えよ!誰がお前達の敵だか!!考えれば解る筈だ!!平和な時代を取り戻そうぞ!!」

エターナリアが言うと兵士達は周りを見渡し始める

「何をしている!!突撃だ!!奴を殺せ!!!進め!!」

大将が大声で言うが誰も動こうとしない

「何を!!早く突撃しろ!!言うことを聞けないなら斬り捨てるぞ!!」

大将が剣を抜いて怒鳴ると兵士達は困惑しながら

「今日までの給金と食料はくれるのだろうな!!」

兵士が大声で言う

「え!勿論だ!!王城を取り戻せば簡単だ!!」

大将が笑いながら言う

「残念だが!国庫は既にからだったがな!!その男は払うつもりなど無いのであろう!!有ってもそれはお前達が納めた税だ!!そして払っても代わりに倍の税を納めさせるだろう」

ロブスカが大声で言うと兵士達は大将達を睨み始める

「狂言に騙されるな!!」

大将が叫ぶが周りの兵士達も困惑気味になる

「遠征中の行動を見れば解るだろう!!そして今やるべき事も解る筈だ!!国を治める力無き者に天罰を与えよ!!」

ロブスカが大声で言うと一部の兵士がロブスカを見て確信して叫び出す

「騙され続けたが今こそ先代国王陛下の仇を討つべし!!!!」

兵士が叫ぶと徐々に広がり大将達を取り囲み始めると大将は後退りしながら門の方にやってくる

「新たな時代の為に愚か者どもに天罰を!!」

ロブスカが叫ぶと兵士達は武器を構えて大将達を襲い始めると数で圧倒してすぐに全滅させる

「1つ聞きたい!!あなたが次の王か!!人族よ!!」

兵士が叫ぶ

「今は非常事態だ!食べ物が足りない!国庫には資金が無い!この状況で新たな王が即位してもただ苦労するだけである!だからしばらくこの俺が指揮を取る!!しかし安定して食料問題や治世が安定したら新たな王として先代国王の実子ここにいるエランが次の王だ!!それが嫌な者はここで申し出よ!!平和な時代が嫌なものも今ここで申し出よ!!」

エターナリアが大声で言うと兵士達はその場で両膝を付きエターナリアを見上げている

「我らに平和な時代を与えてください!!我らが王よ!!!」

兵士が叫ぶと兵士達は次々と

「我らが王よ!!!」

と叫び出す

「今はまだ苦難の時で有るが次の王の時代は平和な世にする為に一緒に歩もうぞ!!!」

エターナリアが大声で言う

「我らが王よ!!」

兵士達が連呼している、そして兵士達は徐々に家族の元に帰っていく


「エター!!凄い!!本当の王様みたい!!」

エニスが笑顔で言う

「そしたらエニスは王妃を演じないとね、面倒だけど」

「え!面倒だから嫌!!エターと一緒にいれれば良いだけ!!」

エニスは笑いながら言う

「王様はやらないけどね」

エターナリアが笑いながら言うと後ろでロブスカがエターナリアを見ている

「御主人様が王様になったら国は繁栄します!私とエミールを娶ってください!そして本当の王様になりませんか?」

エーリンが笑顔で言う

「ダメーー!ん?子供出来ないから別に良いのかな?」

エニスが考え始める

「クエールバスコに帰るから無理かな?」

エターナリアが微笑みながら言うとレインが横で笑っている

「仕方ないですが!離れませんから!!私の永遠の王よ」

エーリンが笑顔で言うとアリセリカが睨んでいる

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