第148話 兎耳族の国へ

その夜商業ギルドより使いがくる

「エターナリア殿実は兎耳族より交易の説明のために来て欲しいと依頼があり、アーガナルド商会にも来て欲しいそうです」

「わかりましたが今から兎耳族に会うのですか?それとも一緒に隣国まで?」

「今から少し時間があれば兎耳族に会いに来て頂けたら良いそうです」

使いが言うとエターナリア達は一度兎耳族に会いに行く

「来たか!このまま帰っても何を言われるかわからない!そこで貴公に同行して欲しい」

兎耳族の大臣が微笑みながら言う

「身の安全と貴国に行った際の交易の許可と財産の安全を約束してくれれば良いですが、約束出来ますか?」

エターナリアが微笑みながら言う

「わかった!約束しよう」

大臣が笑顔で言う

「いつ出発ですか?」

「明日の朝出発したい」

「交易品を集める時間は無さそうですね、仕方無いですが、明日の朝出発する準備をします」

エターナリアが微笑みながら言う

「よろしく頼む」

大臣が笑顔で言うとエターナリア達は帰っていく


「クリスすぐに食料を中心に交易品を集めて欲しい」

「はい!御主人様!」

「レイン一度商業ギルドに向かうよ、ギルドマスターにも話をする必要が有る」

「はい!御主人様!!」

レインが微笑んでいると急ぎ商業ギルドに向かう


「アーガナルド商会ですが、ギルドマスターに会いたいですが」

エターナリアが職員に聞くと職員は奥に行くと応接室に案内してくれる

「エターナリア殿如何でしたか?」

ギルドマスターが不安そうに言う

「ちょっと明日出発で隣国まで同行する事になりましたので挨拶に来ましたが、許可証の方を急ぎ発行をお願いします」

「危険が伴いますな・・・好転する事を祈ります、こちらが許可証です」

ギルドマスターが苦笑いしながら言う

「あの調子だと多分行き当たりばったりで窮地に陥るでしょうね、仕方無いですが・・・」

エターナリアが溜め息をする

「その通りです・・・隣国から帰れる可能性は低いと思いますが大臣次第ですね、交易の素人相手ですと不可能に近い事を言われます」

ギルドマスターが苦笑いしている

「取り急ぎ準備をしますので、領主様に挨拶を出来なくて申し訳無いとお伝えください」

エターナリアが言うと帰ることにする


翌朝合流場所に行くと数台の馬車が集まっている

「アーガナルド商会の商隊ですが大臣はいますか?」

クリスが笑顔で言うと兵士は驚きながら大臣を呼びに行く

「まさかこれ程の商隊とは!!驚いたぞ!」

「アーガナルド商会は王国有数の商会ですので、小さい町の商業ギルド並の実力が有ります」

エターナリアが微笑みながら言う

「なるほど!クエールバスコと聞いていたが、その他にも商会を持っているのか?」

「5つの支部を持っています」

「まさか大商会とは知らなかった・・・見た所獣人の奴隷もいるようだが・・・」

「奴隷とはいえ、仲間で有り護衛ですからね」

エターナリアが微笑むとケシルとミシルが後ろで微笑んでいる

「なるほど装備もしっかりしている・・・獣人を嫌って無いのだな!」

大臣は馬車を見ながら獣人の種類に驚いている

「そろそろ出発しますか?」

「準備出来ているならしっかり付いてこい」

大臣は笑顔で言うと馬車は山道を進み出すとエターナリア達も付いていく


数日後山道の終わりに差し掛かると盗賊に待ち伏せに合うと兵士と盗賊の戦いが始まっている

「危ないから後ろで見ていろ!!」

兵士が必死に言う

「御主人様どうなさいますか?」

「アニタ相手の数はどうかな?」

「右の方に十人ぐらい伏兵がいます、前方は20人ぐらいです」

アニタがウズウズしながら言う

「右側の伏兵が近付いたら叩き潰すよ、護衛2人を連れて行ってね」

「はい!!御主人様!!」

アニタは嬉しそうに言うと護衛2人にも準備をさせると右側の賊が近付き兵士達の横から攻撃を始めようとする

「しまった!!伏兵だ!!」

兵士が気が付き叫ぶ

「バキッ!!」

アニタが盗賊の腕を殴ると骨の折れる音がするとアニタは反対の腕を掴み地面に叩きつけると腕を折る

「は?」

兵士が唖然とするとアニタは次々と盗賊の両腕を折っていくそれを見た盗賊達は慌て出して逃げ始める


「アニタご苦労様、返り血拭かないとね」

エターナリアが微笑みながら言うとアリスが返り血を拭き取ってあげている

「エターナリア殿!!援護感謝する!しかし見た目と違い強いですな!!」

「アニタはこう見えて最強の護衛ですからね、ただし人を殺さない様にして貰っています」

「確かに両腕を折って戦闘不能にして終らせているが何故殺さなかったのですか?」

大臣は不思議そうに言う

「私達は商隊ですからね、身を守れればいいだけですから、それに仲間に人殺しはさせたく有りません」

エターナリアが真剣に言う

「あまいな!!戦場で生きていけないぞ!!」

「私達は兵士では有りませんからね、戦場に興味はありませんよ」

「そうであったな・・・勿体無い」

大臣は呟く

「兵士から抜擢されて交易担当になられたのですか?」

「その通りだ!ここまで交易交渉が難しいとは思わなかった・・・」

「相手有っての交易ですからね、駆け引きになったら本当に難しいです脅して無理矢理しても上手くいかず次が無くなりますからね」

「そう言うことか・・・」

「相手が欲しい物を適正な価格で取引するのが1番ですね」

エターナリアが微笑みながら言う

「高く売り付けようとするとどうなる?」

「必要量以上に買わないですね、もしくは買わないで安くなるのを待ちますね」

「そう言うことか・・・もしエターナリア殿があの薬を買うなら提示した価格か?」

「今ならそれより安くなりますね、運搬の費用を考えるとあの価格はあの町だからですね、備蓄が一杯になったらもう3分の1になりますね」

エターナリアが考えながら言う

「そんなに・・・簡単にはいかないのか・・・」

大臣は考え始める

「逆に伺いますが、小麦や塩の値段が10倍になったらどうしますか?」

「は!!それは・・・買えないな・・・安くするように命令するしか無い」

「交易相手だと命令しても売って貰えないだけですよ」

「くっ!!それはどうにもならない」

「それが交易です、最終手段は物々交換ですね」

「物々交換?」

「相手が欲しい物と自分が欲しい物をどのぐらいの量ずつ交換すると言うことです、実際金貨より効果は有りますね」

「そう言う事か・・・それでギルドマスターは交渉してきたのか・・・」

大臣が苦笑いしているとエターナリアは微笑んでいる


国境の町に到着すると大臣は泊まる所を手配してくれて待機する事にする

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