第147話 国境の町の商業ギルド
商業ギルドに到着する
「クエールバスコのアーガナルド商会ですが、ギルドマスターに面会したいのですが、可能ですか?」
「ギルドマスターは忙しいので会えないと思いますがどの様なご用件ですか?」
「隣国との取引をしたいので確認に来ました」
エターナリアが微笑みながら言う
「そのように伝えておきますので、会えそうなら宿屋に使いを出します」
職員が笑顔で言う
「わかりましたが少し隣国の情報が欲しいので誰か詳しい人はいますか?」
「少々お待ちください」
職員が笑顔で言うと1人の男を連れてくる
「何が知りたい?」
男がエターナリアを見て溜め息混じりに言う
「3つですね、1つ目は隣国情勢で2つ目は隣国が欲しいと思っている商品についてと3つ目は窓口についてですね」
エターナリアが笑顔で言う
「国外交易権が無いのに知りたいのか?馬鹿だな」
「アーガナルド商会は国王陛下から国外交易権を頂いていますのでこの領地の交易権は必要有りません」
「は?まさか!!そんな事!!」
男は驚きながらレインの持つ書類を見ている
「奥にどうぞ・・・」
男は慌てながら奥の応接室に案内してくれると詳細を教えてくれる
「アーガナルド商会の方ですね、はじめましてこの町の商業ギルドマスターです」
男が入ってくると少し慌てている
「慌てているようですがどうしたのですか?」
「実は隣国の商隊との値段交渉中なのですが、中々手強くて一緒に聞いて貰えますか?」
「何故急に?」
エターナリアが苦笑いする
「王都へ直接話をすると全く訳のわからない事を言うので困っていました」
ギルドマスターが苦笑いする
「なるほど・・・レイン、クリスどうする?」
「御主人様、面倒事になりますからやめましょうか?常識の通用しない相手では話しにならないと思います」
レインが笑顔で言うとクリスも頷いている
「そこを何とかお願いします」
ギルドマスターが頭を下げる
「かなりの事情ですか?」
「相手は向こうの交易担当の大臣で相当上から目線でどうにもなりません、領主様も頭を悩ませています」
「そんな相手したくないですね、暗殺でも仕掛けられたら嫌ですからね」
エターナリアが苦笑いしている
「私達では王都に伝手が有りませんので、中々交渉になりません!もう1ヶ月停滞していますのでお願いします」
ギルドマスターが頭を下げている
「そうすると1ヶ月交易が止まっていると言うことですか?」
「その通りです」
「ある程度の情報が欲しいですね、相手の意図とどんな問題だか・・・やっぱり面倒だからやめとくか」
エターナリアが苦笑いする
「顔を見せてくれるだけでも良いのでお願いします」
「御主人様、この町に伝手が無いのでここで貸しを作るのも良いと思います、会うだけ会ってみては如何かと思います」
レインが微笑みながら言うとギルドマスターは笑顔になり案内してくれる
「お前が別の町の商人か!!若いな!!」
兎耳族の男が睨んでいる
「そちらが買って欲しい交易品は何ですか?」
エターナリアが微笑みながら言う
「これだ!欲しいだろ」
兎耳族の男が出す
「なるほど、これですか・・・質が良いか薬師に確認しないと値段はつけれませんが、今だとこのぐらいですね」
エターナリアが笑顔で言う
「なんだと!!ふざけているのか!!」
兎耳族の男が激怒して怒鳴る
「理由は既に疫病が終息したので、需要が無くなりました、残念ですが、1月早ければ高値がついていたと思います」
「は!!終息しただと!!嘘をつくな!!」
「今はあの町でも薬が余っていますので必要性は無いですね、他の商品は無いのですか?」
エターナリアが笑顔で言うと兎耳族の男は青ざめている
「王都に行って確認してやる!!」
「残念ですが王都まで1ヶ月、途中の町や村に滞在も隣国からの商隊では難しいですね、王都に行けたとしても、取引相手がいなければ無意味ですから」
「国王に会って交渉してやる!!」
「会う約束は有るのですか?交渉するにも値段を交渉する権限はお持ちですか?」
「う!!どうしてだ!!何故そんな事を言う!!」
「王都で国外と取引するには、それに応じた国外交易権が必要です!また国王陛下に会って交渉はしても無意味です、更に途中の町でも国外との取引は不可能ですので町に入れませんね」
「は?そんな事聞いていない!!そんな事有るのか!!」
兎耳族の男が青ざめて座る
「商業ギルドマスター!基本的な事を説明してないのですか?」
「は?知っているものだと思っていましたが・・・もしかして基本的な事を知らなかったのですか?」
ギルドマスターが苦笑いしている
「念の為お伺いしますが、交易に来たのは始めてですか?」
エターナリアが笑顔で聞く
「そうだ・・・国境の町に任せていたから、何も聞いてない・・・国王と交渉すれば良いと思っていた・・・・」
「そう言うことですか・・・残念ですが、商隊では王都に到着する事は無理です、国境のこの町で取引するしか無いですね」
「どうしたら・・・」
「まずはお互いのルールについて話しませんか?ギルドマスターもいますのでルールは説明してくれます」
エターナリアが笑顔で言うとギルドマスターが説明を始める
「この1ヶ月無駄な事をしていたのか・・・」
「今後どうなさいますか?交易をする為にこちらから商隊を向かわせて貴国の国境の町で取引も出来ますが・・・」
「資金が無いと何も出来ない・・・これの価値が落ちてしまっては・・・交易をする為には一度国王に確認をする必要が有るから一度戻って確認をする必要が有る」
兎耳族の男が青ざめながら言うと部屋を出ていく
「エターナリア様ありがとうございます!これで少しは話し合いが出来ます」
ギルドマスターが笑顔で言う
「思っていたより、深刻ですね、素人に薬の材料を持たせて取引に来させるなど、尋常の沙汰では無いですね」
「その通りですがやっぱり隣国との取引は難しくなりますか・・・」
「交易ルートの開拓の為に来ましたが、やはり隣国まで足を延ばす必要が有りますね、このままだと隣国との交易が出来なくなりますね」
「その通りですがアーガナルド商会の持つ許可証だと、私達を越えて取引をしますか?」
ギルドマスターが不安そうに言う
「御主人様、私が説明します、アーガナルド商会は単独で取引も可能ですが、なるべく取引には国境の町を使いたいと思っています、難しい場合は強制的に拠点を作りそこを通して取引をしますが、商業ギルドとしてはどうなさいますか?協力するか敵対するか?」
レインが微笑みながら言う
「協力はしますが・・・」
「この町の商業ギルドが発行している、国外交易許可証と国内交易許可証に商会支部設立許可証等を発行お願いできますか?」
「それは・・・今回の件の借りは作りたくないから、発行はしますが、アーガナルド商会は無くても取引は出来ますよね?」
「出来ますが、そんな事をしていたら、国内の商業ギルドは全部潰してしまいますので面倒事は全部その町の商業ギルドに押し付けています」
レインが笑いながら言う
「わかりました・・・アーガナルド商会が支部をここに置かなくても、商業ギルドに加盟を許可します、それでよろしいですか?領主様」
ギルドマスターが苦笑いしながら言うと後の男を見ている
「それで構わんが噂には聞いていたが、アーガナルド商会は敵に回したく無いな・・・」
領主が苦笑いしている
「これは失礼しました、アーガナルド商会のエターナリアと申します」
エターナリアが挨拶をする
「しかしこの調子だと隣国との取引は難しくなるか・・・」
「だから向こうの国境の町まで出向いて確認をしてくる必要が有りますね」
エターナリアが微笑みながら言う
「それしか無いな・・・それにしても交渉前に薬屋に疫病が終息したと噂まで先に流されたら相手はどうにもならないな・・・」
領主が微笑みながら言う
「情報収集していたら薬の材料が兎耳族から買っているのが、わかりましたので、事実の噂を流しただけです」
「今頃奴らは急いで状況を確認しているだろう」
領主が笑い始めるとギルドマスターは驚きながらキョロキョロしている
「薬屋が買わなければ意味は有りませんけどね、全部お見通しとは交渉相手としては1番安心出来ますね」
エターナリアが微笑みながら言う
「この町としたら交易は重要だから頼んだぞ!!」
領主が言うと帰っていく
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