第146話 国境の町

エターナリア達薬屋に向かう

「あ!ミリシア様!まだ材料の方は送られてきていません」

店員が申し訳なさそうに言う

「北の材料はまだ必要だが、無理する必要は無くなった」

エターナリアが微笑みながら言う

「え?もしかして疫病は終息したのですか?」

店員が驚き声をあげると奥から主人がやってくる

「本当に終息したのですか?」

「まだ確実じゃないが西の町も落ち着いて、薬が少し余っていると連絡が有ったから落ち着きを取り戻し始めている」

「それは良かった!!しかし終息まで早かったですな」

「3万単位で送り込み続けたから住民は我慢せず服用を続けてくれたからだとは思うが薬屋も備蓄を放出始めて一気に広がったのが1番の原因だね」

「相当恨まれているかも知れないので気をつけてください」

主人は言うと大笑い始める

「今日はこれが薬になるか調べて欲しい、迷宮のアイテムなのですが、どう言うものかわからない」

「亀の甲羅か?調べる価値は有りそうですな」

主人は興味深く観察をしている

「今日はこれで失礼します」

エターナリアが微笑みながら言うと帰っていく


「御主人様食料と香辛料は大量に買いましたのでしばらくは大丈夫だと思います」

セリカとアリセリカ笑顔で言う

「後は準備しておくものは有るかな?」

エターナリアがみんなを見ながら言う

「ポーションも大量に有ります、交易品も大量です、準備完了しています」

クリスが言う

「地図は大丈夫かな?」

「はい!大丈夫です」

「明日出発して国境の町に向かうよ」

エターナリアが微笑みながら言うとみんな同意する


翌朝国境の町に向かって出発する

「御主人様!お帰りをお待ちしています!!体にきをつけてください!!」

ミリシアが涙目になって言う

「ミリシアも無理せず体には気をつけてね!」

エターナリアが笑顔で言うとみんなミリシアと別れを惜しんでから出発する


数日後国境の町に到着すると宿屋を確保してから情報を収集始めることにする

「宿屋の確保出来ました」

クリスが笑顔で戻ってくると宿屋に馬車をいれてから情報収集を始める

「御主人様行ってきます」

「セリカ、ヘラ頼んだよ」

エターナリアが笑顔で言うとセリカとヘラのグループが出掛けていく

「主人自分達は始めて来たんだけど、注意する事は有るかな?」

「この頃隣国から逃れてきた者と山岳地帯に盗賊が出る事ぐらいです」

宿屋の主人が苦笑いしながら言う

「町中の盗賊はいるのかな?例えば人攫いとか」

「結構増えているので気を付けた方がよろしいと思います」

「ありがとう」

エターナリアは笑顔で言うと部屋に戻っていく

「エターどうするの?」

「単独行動には気を付けた方が良いね馬車は護衛がいるから大丈夫だけど念の為宿屋内も見張りを置いた方が良いね」

「結構治安が悪いだね」

「念の為だけどね」

エターナリアが言うとレインが見張りの順番を伝えに行く


「御主人様戻りました」

セリカが笑顔で帰ってくる

「セリカお帰りなさい」

エターナリアが笑顔で言う

「報告ですが、商業ギルドの方は余り良い印象は有りません、兎耳国ですが交易はまだ出来ていますが盗賊に襲われる可能性が大きいとの事です」

セリカが笑顔で言う

「セリカありがとう、美味しい食べ物はありそうだった?」

「はい!出店も多いので良いですね、だけど気になったのは裏道に多くの兎耳族の薄汚れた人がいることですね」

「難民と見て良いね」

「そうだと思いますが聞き込みするにしても警戒心が有りますので難しいですね」

「ありがとうセリカ」

「はい!御主人様!!」

セリカ達が部屋に戻る

「難しいですね、商業ギルドが良くないと隣国の情報が収集が難しいですね」

レインが呟く

「夜遅く男だけで聞き込みする方が良いかな?」

「え!御主人様!!危険です」

「そうだけど、仕事が無くて若い女は何をする?特に小さい子供でも連れていたら」

「しかし・・・何かあったら・・・」

「レイン・・・心配は解るけど、カシムがいるから余程の事でなければ大丈夫だよ」

エターナリアが微笑みながら言う

「ヘラが情報を持ってこなければそうするしかないのでしょうけど・・・」

レインは真剣に考え始める


「御主人様遅くなりすいません」

「ヘラ大丈夫だった?」

「はい!御主人様心配かけてすいませんでした」

「問題がなければ良かった」

「隣国の情報ですが、前国王派は追い詰められています、現国王派は占領した領地にはかなりの重税を課していますので逃げてきた獣人が多いのですが、問題は向こうに交易や友好の気が有りません」

「え!そうしたら向こうに着いたらどうなる?」

「国境の町は大丈夫と思いますが、監視下におかれると思います」

「難しくなるね」

「隣国から来た商人は余り帰りたく無いようで滞在を延ばしていますが、問題は税が高くて交易品が隣国にほぼ無くなっているので帰らない様です」

「結構難しい状況だね」

エターナリアが呟くとレインは考え込んでいる

「御主人様かなり難しいと思います」

「確かに難しいね、だけど交易品が無いわけでは無いよね、交易相手がいないだけだよね」

「商業ギルドも交渉をしている見たいですが交渉が頓挫した様です」

「ヘラ、商業ギルドと領主は交渉は継続しているんだね」

「はい!交渉中ですが・・・状況が掴めませんでした」

「ありがとう商業ギルドに聞くのが1番だね」

エターナリアは考え込んでいる

「向こうで自由に行動できるのは兎耳族だけかな?」

「はい!そうですが、獣人ならある程度動けると思います」

「ありがとう、他に情報は有るかな?」

「今日はこのぐらいでした」

ヘラが頭を下げる

「ヘラ貴重な情報をありがとうね、これからもよろしくね、ご飯はちゃんと食べたかな?」

「はい!御主人様!みんなで買い食いをしました」

ヘラは笑顔で言う

「食事は忘れずに食べてね」

エターナリアが笑顔で言うとヘラの頭を撫でている

「薬の材料は隣国からも買っていたのかな?」

「え!あ!そうです!その通りです」

「ヘラ頼みが有るんだけど、疫病が終息したと情報を流して欲しい、もし奴らが吊り上げて売る目的で滞在しているなら、一撃で終わりだからね」

「あ!はい!御主人様!!」

ヘラが笑顔で言う

「向こうから買う交易品を無くすつもりですね」

レインが微笑んでいる

「資金源無くしてあげた方が良いからね」

エターナリアが微笑んでいる


翌朝エターナリア達は薬屋に向かい

「薬の材料を依頼したい」

「疫病の薬ですか?」

「そうだけど、次の発生の為の依頼だからこのぐらいの価格でお願いします」

「は?この値段だと今は買えないですよ!!」

「次期に下がるから良いよ、もう終息したからね」

エターナリアが笑顔で言うと店員は急いで奥に行くと主人が出てくる

「疫病が終息したのは本当ですか?」

「薬が余り始めていますが各地の薬屋が在庫を処分始めていますね」

エターナリアが微笑むと主人は考え始める

「それが本当なら・・・この価格で取引も可能ですね・・・需要が無くなれば高く買っても損するだけですから」

主人が苦笑いしている

「在庫は少し多めに持つことにしたのでよろしくお願いします」

「どちらから来たのですか?」

「クエールバスコですが何か?」

「なるほど・・・わかりました、この価格で注文を承ります」

主人が言うとエターナリア達は帰っていくと主人は急いで出掛けていく


町中を歩きながら見世を見て回ると宿屋に戻る

「御主人様!お帰りなさい、薬屋に注文をしてきましたが、どこの薬屋も驚いていました」

セリカとクリスが笑顔で言う

「じゃあ乗り込もうかな?商業ギルドに」

エターナリアが微笑むと商業ギルドに向かうことにする

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