第137話 訓練と領主来訪

夜ご飯後デザートにルミルの実のタルトとルミルケーキをみんなで食べる

「美味しすぎる・・・これ売るの?勿体無い!!」

エニスが目を輝かせて言う

「ルミルの実凄い売れ行きになると思うけど、確実に売り切れになるね」

「御主人様、契約ですが、増額を考えてあげた方が良いですね」

レインが呟く

「そう言えばそろそろ領主の孫の結婚式だったよね」

「あ!そうです!!」

「エリスナ、商会からの御祝いを送って欲しい」

「はい!御主人様!何がよろしいですか?」

「ケニーのバックと果樹園の増設の依頼かな?後は料理人を派遣して、盛り上げる事も忘れない様に」

エターナリアが考えながら言う

「御主人様、了解しました、男性用の革細工も送るようにしますが、何故料理人を?」

エリスナが疑問に聞く

「費用が無い家だから金貨を渡すより、パーティーを盛り上げる事で貸しを作る為かな?アーガナルド商会からの支援だね」

「御主人様、畏まりました!!」

エリスナが笑顔になり言う

「明日は新しい奴隷達の訓練の為に迷宮に潜るよ」

「はい、御主人様!」

みんな笑顔で答える

「御主人様、鎧を作りたいのですがよろしいですか?」

クーラが申し訳なさそうに言う

「クーラ頼んだよ!ブラックゴーレムの鉱石出してあったかな?」

「千個ぐらい出して貰ってもよろしいですか?」

「後で出しておくね、良い防具を作ってね」

「はい!御主人様!」

クーラは笑顔で言う

「ルシアとルティナは両親に会ってくる?」

「え!はい!御主人様一度会ってきます」

ルシアが言う

「ウザいから行きたくないです」

ルティナが嫌そうにするとみんな笑い出す

「ルティナ!ダメよ!帰ってきたのだからお母さんだけには挨拶をしてこないと!!」

ルシアが笑顔で言う

「邪魔者がいるから、面倒だよお姉ちゃん」

「薬の作り方をお母さんに教えて貰うのも私達の仕事だよ、ルティナ」

「ウザいから嫌だよ・・・お姉ちゃん守ってね」

ルティナが嫌そうに言う


翌朝新しい奴隷達を連れて迷宮に向かいアニタ達に瀕死にさせてから新しい奴隷達にトドメを討たせて、18層から21層を10回往復した所で帰る事にする

「今日は早く戻るだね・・・」

エニスが残念そうに言う

「明日の商談会見たいからね」

「あ!私も見に行きたい」

エニスが笑顔で言う

「ルミルの実どのぐらいで売れるかな?」

「全部で金貨5枚いけば良いですね」

レインが笑顔で言う

「もしかしたら倍になるかも、高級品として販売されるからね」

エターナリアが微笑む

「エターが言うと本当になりそう」

エニスがルミルの実の味を思い浮かべて笑みを浮かべている


迷宮を出て屋敷に帰ると屋敷の前に馬車が停まっている

「誰だろう?」

エターナリアが呟くとレインが苦笑いしている

「エターナリア殿、迷宮に行かれていましたか」

馬車から領主が降りてきて言う

「これは領主様お久しぶりです」

エターナリアが挨拶をすると全員挨拶をすると応接室に移動する

「エターナリア殿疲れている所申し訳無い」

領主がほほ笑みながら言う

「こちらこそ、王都で後ろ楯ありがとうございます」

エターナリアが頭を下げながら言う

「あれは出過ぎた真似かと思いましたが、港の公爵に嫌がらせしただけです」

領主が笑い出す

「エレストニ子爵の顛末はお聞きしたのですね」

「エターナリア殿を敵に回す事自体が愚かですな・・・実は息子と娘が顛末を聞いて寝込んでしまいました」

「え?何故ですか?」

「理由を聞いたら、エレストニ子爵と組んでアーガナルド商会を潰そうと企んでいたので、バレたら潰されると泣いて謝っていました」

領主が苦笑いしている

「そう言えば代理人に手を貸した人もいたようですね」

エターナリアがほほ笑みながら言う

「やはりバレていたのですね・・・」

「今後仲良くしてくれれば、気にはしませんが、ちょっと商会が大きくなりすぎましたね」

「クエールバスコ最大なだけでなく、他の町でも支部が出来ていると聞いています」

「交易で国内を活性化させるように王太子夫妻に頼まれましたからね」

エターナリアが笑い出す

「やはりそういう事ですか・・・国王陛下からアーガナルド商会が国外交易許可証を受け取っていると噂が有りました」

領主が苦笑いしながら言うとレインが書類と旗を見せる

「は?国内交易許可証に国外取引拠点設立許可証もですか!!それに王国交易団の旗印!!!」

領主は唖然としている

「商業ギルドが敵対不可能になりましたね」

エターナリアが笑い出す

「商業ギルドだけでなく領主でも文句は言えません・・・公爵が慌てているでしょうね」

「公爵なら国王陛下を怒らせて、国外との取引の専売を取り上げられた様ですね、騎士団が監視に向かいましたから」

「え!!公爵家に!!そうすると公爵の求心力が落ちますね・・・」

「決闘の対価支払いの為に公爵派はかなり取り潰しになりそうですから、国王陛下はこれ幸いと手を回し始めていますね」

「なるほど・・・それでアーガナルド商会代表と会えるように話して欲しいと使いが沢山来るのですね・・・」

領主が苦笑いしている

「領主様も気を付けてくださいね、恨まれない様にしてください」

「今は誰も事を荒立てたくないでしょう・・・トレイソルト伯爵はやはり王女様の件も有ったのでしょうか?」

「解りませんが、王太子様は尻尾が掴めず手出しできなかったと嘆いていましたから、今回は徹底的に調べていますね、どうせ借金奴隷落ちなので返済出来ても今度は費用がどこから出たのかで大問題ですからね」

エターナリアがほほ笑みながら言う

「もう逃げ道なしですね・・・愚か者です」

領主が苦笑いしているとルシアがパイを持ってくる

「どうぞ試食してください、口に合わなかったら申し訳ありません」

エターナリアが進めると領主が一口食べると一気に一つ食べ終わる

「甘いが果実の旨味も上品で非常に美味しい!!これは何の果実ですか?」

領主は笑顔で言う

「口に合って良かったです、明日の商談会で出す予定ですが、南の町の交易品になります」

「交易品ですか!!なるほど誰でも食べたくなります・・・明日誰か買いに行かせましょう」

「商談会ですので買えるかどうかは解りませんがこの交易品は1つの町の命運がかかっています」

「町の命運?何故ですか?」

領主は驚きながら聞く

「借金で破綻していますが、この果実が高値で取引されれば持ち直せます」

エターナリアがほほ笑みながら言う

「なるほど・・・特産品は大事です・・・果実で町一つ救われるとは」

「この近くで加工可能な果実が見つかったら、果樹園を作って貰っても良いですか?」

エターナリアが聞く

「それは良いですね、果樹園なら北側で作りましたが中々上手くいかないで困っていました」

「え!そうなのですか?今度見せて貰っても良いですか?」

エターナリアが笑顔で言う

「エターナリア殿なら喜んで案内させます」

領主も笑顔で言う


「最後にまた旅に出てきます、次はちょっと厄介なことなので、説明は出来ませんが喧嘩を売られる前に潰しに行ってきます」

エターナリアがほほ笑みながら言う

「喧嘩を売られる前に潰しに!!!なんだかただ事では無いですね、エターナリア殿に喧嘩売るバカはまだいたのですね」

領主は苦笑いしながら呟く

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