第129話 商会引き継ぎ

詰所を出ると6人が笑顔で待っている

「待たせたか?」

「いえ、御主人様」

「ステラとお前達2人は王都に残って貰う事になる、良いな」

エターナリアが微笑みながら言う

「え?何故ですか!私に何か落ち度が!!」

ステラが驚き声をあげる

「落ち度は無い!詳しい話しは宿屋に戻ってからする、簡単に言えば俺の代理として残って貰うと言う事!」

エターナリアが微笑みながら言うがステラは納得していない


帰り道店を見ながら帰る

「お帰りなさい!御主人様!」

みんな帰ってくるのを待っていた

「何か有ったか?」

「いえ、何もないです!暇だったのでみんなで掃除をしていました」

クーラが笑顔で言う

「商会の件で話がある」

エターナリアが言うとみんな椅子に座り、ケシルとミシルは入口で見張りをしてくれる

「ケルトイス商会の親族の商会は明日引き渡される事になったが、エレストニの支部は当面引き渡しになりそうに無い!それに伴い王都の商会の代表代理にステラに就任して貰う」

エターナリアが言う

「御主人様!無理です!商人などしたこと無いので・・・」

ステラが涙目になって言う

「商会の運営は元々商会を運営していた代表一家に任せるから本当の役目は監視と決闘申し込まれた場合の撃退役だ!」

エターナリアが笑いながら言う

「え?それだけ?」

ステラが呟く

「王都の為、貴族と言う面倒な人が沢山いるから貴族出身のステラが適任だと思っている、それに支部長候補を置いていくとアーガナルド商会の支部と思われて色々面倒だからステラが1番適任だ!それに王都ならトレイソルト伯爵の末路を聞くことが出来るぞ」

エターナリアが笑い出す

「え!末路?・・・・」

ステラが真剣に考え始める

「信じられないなら明日隊長に頼んで会わせて貰えるか聞いてみようか?」

エターナリアが微笑みながら言う

「わかりました、出来るか解りませんがやってみます」

ステラが言うとみんな拍手をしている

「引き継ぎ後、一度クエールバスコに戻り準備をする良いな!」

「はい!御主人様!!」

全員が言う


「御主人様ただいま戻りました!」

ヘラが笑顔で部屋に来る

「貴族達は横槍をいれる他は様子を見ているようですが、水面下で動き回っているようですが、クエールバスコ公爵が後ろ楯になってくれていますので、表立って批判は出来ない様です、大臣もエレストニ子爵とトレイソルト伯爵が悪いと言っているので、貴族達は正面切って批判は出来ない様です」

ヘラが笑顔で言う

「大臣に貸しを作って正解だね」

「御主人様の狙い通りですね」

レインが微笑んでいる

「は!!まさか!これを狙って襲ってきた人を見逃したの!!エター!!」

エニスが驚くとレインが微笑みながら頷いている

「北の情報は有りませんでしたが、北側に騎士団が出発して援軍を出していた様です」

「ゲルトバナに行って確認した方が良いね」

エターナリアが呟くとレインが真剣な目になり頷いている

「商業ギルドが臨時の集会を明日の夜に行います」

ヘラが笑顔で言う

「御主人様、明日の昼間に商業ギルドマスターに挨拶をして牽制した方が宜しいと思います」

レインが言う

「そうだね、何を仕掛けてくるか・・・もしもの時はあれの出番かな?」

エターナリアが微笑むとレインが頷いている


翌朝王国兵士が迎えに来るとエターナリア達は詰所に向かうと隊長が待っている

「強制徴収の目録と引き渡し確認書類です確認をしてください」

隊長から渡された書類をレインとクリスとセリカが確認をすると不明な点を隊長に確認しながら全てを把握後

「御主人様、間違えないです」

レイン達が確認終わりエターナリアに言うとエターナリアはサインをする

「後は商会の建物と資産を確認して終わりです」

隊長が言うとみんなで商会に向かう

「エターナリア様お待ちしておりました」

元代表の一家が出てきて挨拶をするとみんなで状態と資産を確認していく

「思ったより綺麗で整理されています、すぐに運営可能です」

クリスが確認終わり伝えに来る

「手際が良いですな・・・見るポイントも正確で指摘内容も落ち度が無い」

隊長が苦笑いしている

「支部の引き継ぎでなれましたね」

エターナリアが笑う

「決闘を挑む馬鹿が近付かない事を祈る」

隊長が笑いながら言うと商会奴隷の更新と引き渡し確認書類にサインをする

「引き続き強制徴収をしておくが時間がかかるからまた王都に来た時に全て引き渡せるようにしておく」

隊長はそう言うと帰ろうとする

「隊長1つ聞きたいのですが、トレイソルト伯爵はどうしていますか?」

「牢屋で大人しくしているがどうかしたのか?」

「ここにいるステラは伯爵に両親を殺されて、自身は奴隷にされた様なので、伯爵の惨めな姿を見せてあげたいと思っただけです」

エターナリアが微笑みながら言う

「は?・・・殺したいとは思わないのか?」

「当人は恨みを晴らしたいと言っていましたが、奴隷として惨めな姿をさらし続けるのが良いと思います」

エターナリアがニヤニヤしながら言う

「殺したら楽になるか・・・生き地獄が1番か・・・奴隷に落とされてから見ると良い!」

隊長は考えながら笑い出すと帰っていく


「御主人様!本当だったのですね、ありがとうございます!惨めな姿になったら見下してあげます」

ステラが笑顔で言う

「セリカはステラに商会書類の見方と把握を手伝っていてくれ」

「はい、御主人様」

セリカが言うとステラと書類を一緒に見始める

「挨拶に行ってくるかな」

エターナリアが言うとレインとクリスとケシルとミシルと元代表を連れて商業ギルドに向かう


商業ギルドに到着すると職員に伝えて商業ギルドマスターに面会をする

「これはエターナリア殿どうかいたしましたかな?」

商業ギルドマスターが笑顔で言う

「知っているとは思いますが、王都の商会を引き継ぎましたので挨拶に来ました」

「そうですか・・・しかし商業ギルドに入ってない商会は交易は出来ません!エターナリア殿の商会をギルドには入れられないので運営は諦めて頂きたい」

商業ギルドマスターが笑いながら言う

「どうしてもダメですか?」

「ダメです!秩序が守れませんので引き取りを」

「どうしてか!明確な理由を言ってください」

エターナリアが聞く

「クエールバスコで大人しく商売をしておけ!!」

商業ギルドマスターが笑いながら言う

「商業ギルドの顔を立ててあげようと思いましたが、仕方ないですね、残念ですね・・・商業ギルドに入っている商会が潰れるまで競争をするしかないですね」

エターナリアが微笑みながら言う

「は?やれるものならな!ワハハハ!」

「これが発行されていますので、王都でもどこの町でも交易は可能ですからね」

エターナリアは微笑みながら国王認可の国内交易許可証を見せる

「ななななんだと!!まさか!!」

商業ギルドマスターが青ざめる

「後これも有るので、あなたが文句言うなら国王陛下に先に文句を言ってください」

エターナリアが国外交易許可証も見せる

「そんな・・・・」

「アーガナルド商会は自前の商隊が有りますので王都を経由しなくても他国と交易も出来ますから王都に商品は回さないで済みますね~~」

エターナリアが笑顔で商業ギルドマスターを睨み付ける

「そんな事したら!商売が!!」

商業ギルドマスターは青ざめて叫ぶ

「あなた達が売った喧嘩は買いますよ、だけどあなた達が潰れるまで、ヤルと思います」

「うっ!・・・・けっ・・・あ!!」

商業ギルドマスターは気が付き青ざめる

「さぁ~どうしましょうか?選択肢は2つですね」

エターナリアが笑顔で言う

「わわっわかった!王都で交易を認めるから!共存を・・・・」

商業ギルドマスターが言う

「そうですか・・・仕方ないから、プラトン商会で登録と交易許可証を国内と国外両方発行してくれて自由に交易が出来れば、今回あなたがやろうとした事には気を止めない様にしてあげます!どうですか?」

「わっわかった!だが何故アーガナルド商会の支部としない?」

「そうしても良いですが、困るのは商業ギルドですね!違いますか?」

エターナリアが微笑みながら言う

「確かに・・・困る・・・すぐに発行するから待っていてくれ」

商業ギルドマスターはそう言うとすぐに作成するように指示する

「後この約束をして契約してくれれば、私は何も言わないようにしますね、この後の集会でアーガナルド商会を潰す為の話し合いをするなんて言う事はね」

エターナリアが微笑みながら言う

「は?まさか・・・・知っていて来たのか!!まままずい!!何故だ!!」

商業ギルドマスターは慌て出す

「どうしますか?私も隠れて参加して楽しませて貰おうかな?面白そうですね」

「は!・・・・・もう無理だ・・・」

商業ギルドマスターは青ざめてうつ向くと文章を見てからサインして契約を結ぶと出来上がった国内と国外交易許可証を受け取り一度帰ることにする

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