第128話 商会引き取り

冒険者ギルドを出ると王国兵士が待っている

「エターナリア殿隊長が待っています、同行お願いします」

王国兵士が笑顔で言う

「わかりました、伺うつもりでしたので」

エターナリアが微笑みながら言う


王国兵士詰所に到着すると6人を待機してもらって応接室に行く

「エターナリア殿早速だがエレストニ子爵家の商業ギルドの強制徴収は待って貰いたい、こちらで全部まとめて徴収したい」

王国兵士隊長が苦笑いしながら言う

「そうですね、エレストニ子爵は支部引き継ぎを拒否して、没収したので先に返還して貰うことは出来ますか?」

「ブロスカ殿に聞いている、そこは何とかしたいのだが、エレストニ子爵は既に没収した資産に手を付けて使った様だ・・・」

「わかりましたが、クエールバスコ商業ギルド立ち会いで一緒に作業をする方向に出来ますか?」

「それは構わないが何故だ?」

「借金を踏み倒した愚か者に鉄槌を下すからです」

エターナリアが微笑むと隊長は笑い出す

「それはそうだな!借金の踏み倒しから始まったと解っている以上強制徴収されても文句は言えない」

「トレイソルト伯爵も支部を没収したので、強制徴収対象ですが、こちらも今同行している商業ギルドの担当者の同行をお願いしたいのですが宜しいのでしょうか?」

「わかった、それは構わない」

王国兵士隊長が笑顔で言う

「代理人の方だがちょっと困った事になった、代理人組合の組合長と副組合長が徴収対象なのだが、公爵が横槍をいれてきている」

「面倒な貴族ですね・・・公爵は港町の?」

「そうだ、だから面倒なのだ!」

隊長が苦笑いしている

「ゆっくり厳密に進める事を考えた方が良いですね、だけど愚か者とお仲間を逃がしたくないですね」

「その通りだ!」

「時間かけてその2人は徴収する方向で・・・」

エターナリアは考えているとレインを見る

「御主人様時間をかけてじっくり行った方が良いと思います」

レインが微笑みながら言う

「そうだね、確か任期はどのぐらいだったかな?他の代理人で組合長側の代理人から強制徴収始めたら良いね」

エターナリアが微笑みながら言う

「そんな・・・有効だが、他の貴族から横槍が入るな・・・」

「その貴族事徴収すれば良いですね、何故なら親戚でしょうからね」

「・・・アハハハ!その通りだが・・・癒着か」

隊長が苦笑いしながら言う

「ケルトイス商会の方だが、こちらは資金がまるで足りない」

「やはりそうですか、やはり親戚も?」

「奥さんの実家も徴収するが、それでも金貨数千枚がやっとだな」

「仕方ないですね、全員奴隷落ちですか?」

「その通りだな・・・」

「奴隷になってから、犯罪に手を染めた者を処罰お願いします」

エターナリアが笑いながら言う

「わかったが・・・犯罪に手を出した者は王国を守るものとして許さない」

王国兵士隊長が言う

「親族の奴隷になる者を見てみたいですね」

「言うと思っていた!実は不憫過ぎて何とかならないかと思っていた」

隊長が笑顔になると詳しく事情を説明始める

「本当に兄妹で正反対ですね」

エターナリアが苦笑いすると別室に移動する

「この者達が対象者だ!」

隊長が言うと夫婦と息子と娘が2人いる

「聞くが何が原因でこうなったか解っているか?」

「妹の不始末です・・・決闘などするから悪い」

主人が涙目になり言う

「違うな!ケルトイス商会の主人がリザードの革欲しさに盗賊紛いの事をしたのが原因だ」

エターナリアが睨みながら言う

「は?あいつのせいなのか・・・」

主人は泣き始めるとレインとクリスが帳簿を見て確認しているとエターナリアに報告をする

「何故あなたの商会の売り上げからしたら、もっと財産が有っても良かったと思うが何故だ?」

「え?・・・妹に頼まれて支援をしていました」

主人が悔しそうに言う

「支援をしなければ、こんなことにならなかったものを・・・」

エターナリアが呟く

「父親が一度辞めたのですが、亡くなり妹が不憫で再開したので全ては私のせいです、私はどうなっても良いですが・・・子供達は何とか出来ませんか・・・無理を承知で言いますが・・・」

「お前達はどう考えている?」

エターナリアは子供達に聞く

「決闘は特権・・・逆らう訳にはいきません、強制徴収の為全てを失って当然です・・・」

息子が言うと娘達も頷いている

「そうか・・・・勿体ないな・・・」

「エターナリア殿どうにか出来ないでしょうか?」

隊長が真剣な目で言う

「法を曲げれば、国王陛下への反逆となるのでは?更に他の者達も許せと言い出しかねないですね」

「そうだな・・・・すまん、聞かなかった事にしてくれ」

隊長が頭を下げる

「だけど!奴隷になった後誰が買うか規定はなかった筈だよね」

エターナリアが言う

「確かに無いが・・・」

「丁度少し人が欲しかったんだよね、レイン」

「御主人様、この者達なら安心出来ますね、もし裏切ったらどこまでも追い詰めます」

レインが微笑みながら言う

「今回資産には商会も含まれていた筈だな?」

エターナリアが隊長に言う

「準備は進めていますが、分割で引き渡しは可能です」

隊長が笑顔になり言う

「お前達は俺の奴隷になって商会の運営をする気はあるかな?」

「え?・・・是非お願いします」

主人は考えながら子供達を見て答える

「じゃあ奴隷商を呼んで貰おうかな?」

エターナリアが言うと隊長はすぐに呼び出して奴隷契約を結ぶ

「御主人様気になった事が有るのですが、確か調べではケルトイス商会の犯罪に名前のみの人がいたと思いますが、確認しては如何ですか?」

レインが言うとエターナリアは隊長に書類を持ってきて貰う

「お前達はこの3人の名前は知っているか?」

エターナリアが名前を告げる

「え?両親と弟ですが何故ですか?」

主人が言う

「確定か・・・隊長後は任せます!本当に屑だな」

エターナリアが言う

「不憫すぎる・・・愚かな妹のせいで肉親を殺されて、資産を失い、奴隷になるなど」

隊長が悔しい顔つきで呟く

「え?何故ですか?どうして?」

主人が言う

「まだ調べていた最中だが、ケルトイス商会の代表の調書に暗殺した者の中にこの3人の名前が有ったがそれについては詳しくは調べられてないが状況から可能性は高い」

隊長が説明をすると全員泣き出す


「商会は明日には引き渡しをするが、ケルトイス商会はまだまだ調べないと難しい、犯罪が多すぎる」

隊長が苦笑いする

「わかりました、引き継ぎ準備をします」

エターナリアが言うとレインが考えながら

「御主人様、アーガナルド商会の支部だと警戒されて商売にならないので名前を変えた方が良いと思います」

「そうだな・・・プラトン商会にしようか?」

エターナリアが考えて、微笑みながら言うとレインは笑顔で頷く

「運営は彼らに任せて、名前だけの代表代行としてステラと獣人奴隷2人を護衛に付ければ良いかな?」

エターナリアが言うとレインが笑顔で頷きエニスとクリスも同意する

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