第117話 領主と交易許可証
翌日、レインとエニスとクリスと支部長候補とケシルとミシルを連れて領主の館に向かう
「アーガナルド商会のエターナリアと申しますが、領主様に御面会で参りました」
兵士に伝えると侍女が案内してくれる部屋で待っていると
「アーガナルド商会のエターナリア殿ですね」
男が入って言うとエターナリアは挨拶を交わす
「早速本題は、借金の件だな!」
領主が真剣に言う
「その件と支部の引継ぎの挨拶です」
エターナリアが微笑みながら頭を下げるとみんな下げる
「総額は確か200枚と500枚だったな」
「はい、その通りです領主様、今年から利息猶予は終わりましたので利息がかかるようになりますがどうなされますか?」
「返済したいが、資金が足りない利息猶予をもう一年延長は出来ないか?」
「延長は出来ません、多くの相手に利息を頂きながらお金を貸し出しておりますが、特別に猶予を続けたら不平不満が出ます」
「致し方無いな・・・条件として国外との交易許可証を商業ギルドに出して貰うのはどうだ!」
領主は笑顔で言うと
「交易許可証はこの通り持っています」
エターナリアが言うとレインが国王陛下からの交易許可証を見せる
「ん?・・・は?まさか!国王陛下からだと!」
領主は目を見開き驚いている
「これが無効だと言われるのであれば、許可証を与えた人に文句をまず言ってください」
エターナリアが微笑みながら言う
「それは・・・不可能だ!実質商業ギルドでは条件が付くが、この交易許可証は条件無しで国外と交易が出きる・・・」
領主が苦笑いする
「商業ギルドの許可証は要りませんね」
エターナリア笑顔で言う
「これでは無理をしてでも返済をしなくてはならない・・・」
領主はあてが外れて頭を抱え出すとエターナリアは微笑みながら見ている
「仕方無い・・・金貨700枚準備をするから待っていてくれ」
領主が言うと執事を呼び耳打ちすると執事は驚きながら部屋を出ていく、重臣を連れて戻ってくる
「領主様・・・一括で返済は財政難になりますのでお控えください」
重臣が言うとエターナリアを睨み付けている
「勝目が無い!毎年の利息を払い続ける方が財政難になる」
「しかし・・・金貨700枚の即金は厳しいです」
重臣が考え込んでいる
「保有している宝を金額分でどうだ?」
「宝は要りませんね」
エターナリアが即答すると
「奴隷ではどうだ?」
「必要有りません」
「そんな・・・・必要な物は無いのか!」
重臣が言うと領主が苦笑いしている
「娘ではどうだ?」
「結婚しているのでお断り致します」
エターナリアが苦笑いしている
「欲が無いのか・・・商業ギルドと別口で特別に国外との交易許可証を発行するが、それでもう一度利息を考えてほしい、頼む」
領主が頭を下げると
「レインどう思う?」
「はい、御主人様現在の領主様の経済力では無理が有ります、商業ギルドと重臣の癒着をどうにかしないと返済しきれないと思います、この許可証を使うよりも領主様からの直接の交易許可証で取引した方が領主様に貸しが出来ますので良いとは思います」
レインがエターナリアに言うと
「解りました、それで良いです」
エターナリアが言うと領主はすぐに重臣に許可証の作成を命ずる
「アーガナルド商会を敵に回すと一番厄介と感じたが・・・欲が無い上、金銭的に余裕がある・・・地位や名誉に興味が無い・・・国王陛下からの交易許可証を持っているとなると・・・普通の許可証など必要ともしない」
「自由にさせて貰えれば良いだけですね、売られた喧嘩はキッチリ潰させて貰います」
エターナリアが微笑みながら言う
「今喧嘩を売られているのか?」
領主が苦笑いしながら言うと
「エレストニ子爵家から喧嘩を売られましたね、ベルトセル商会とお仲間だからこれから潰しに向かいますけど」
エターナリアが笑顔で言うと
「エレストニ子爵か・・・」
(様子を見て考えるか・・・どれ程の事になるか)
領主は苦笑いしながら考えている
「魔法珠はまだ売りに出しているのか?」
「商談会に出しています」
「何故オークションにしないのか?」
「アーガナルド商会として有益な交渉相手と取引をした方が今後良い関係が築けます、チャンスが有った方がみんなアーガナルド商会との取引をしてくれますからね」
「友好的関係が出来れば・・・取引相手が増えるか・・・支部は必要なのか?」
領主は疑問に聞くと
「情報源と商隊の定期運用の為に拠点が有った方が有効ですね、それに拠点で商品の中継と新しい特産品を開発できれば利益を増します」
エターナリアが微笑みなから言うと
「この町にも商隊が定期的に来てくれるのか?」
「そのつもりです」
「商業ギルドでも商隊の運用はしてないのにか?」
「現在訓練中ですが可能ですね」
エターナリアが言うと領主苦笑いしている
「領主様国外との交易許可証の件ですが、私達は反対します」
重臣が3人入ってきて言うと
「決めたことだ!」
「商業ギルドの利権を破壊してしまいますので御再考を!!アーガナルド商会等に与えるなど絶対に反対です!!!」
「わかった、商業ギルドに与えている交易許可証を無効とする」
領主が言うと重臣達は慌て出す
「そのような事をすると国外との交易が出来なくなります!我が領地は破綻します」
「破綻するのはお前達の懐だけだな」
「領主様!何を!逆にアーガナルド商会に交易許可証を出さなかったらどうなるのですか?」
重臣が言うと
「この町では国外との交易が出来なくなるだけだな・・・アーガナルド商会と競争したら間違えなく負ける」
「は?・・・」
「アーガナルド商会は交易許可証を我が領地で得なくても交易が出来るから完全に領地に商品が来なくなる」
「そんな事あえりません!!商業ギルドが有る限りそんな事になりません!!」
重臣が言うと
「やはり見識が狭すぎる・・・」
領主は溜め息を吐いてから重臣達を説得するが重臣は否定だけをする
「領主様、完成しました御確認を」
重臣が入ってくると許可証を領主に渡す
「エターナリア殿これをどうぞ、有益に使用してくれ」
領主が手渡すと重臣達は睨め付けている
「有効に活用出来るようにします」
エターナリアはそう言って帰る事にする
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