第113話 ビレトニア・ハンスト

ビレトニア・ハンストの町に向かって出発すると孫娘が見送りしてくれる


「エター!美人だからって貰ったらダメだからね!!」

エニスが言うとレインが笑っている

「御主人様私は貰っても良いと思います、負けませんから」

レインが微笑みながら耳元で囁くと

「レイン何を言っているの?何?」

「エニスが機嫌を直してくれますように」

エターナリアが微笑みながら言うと

「え?私の機嫌が直るように?」

エニスが言うとエニスは抱き付いて

「こうしてくれれば、機嫌が良くなるよ」

エニスは満足そうに呟くとレインが微笑んでいる


数日後、ビレトニア・ハンストの町に到着すると

「どこからの商隊だ」

門番が聞いてくると

「クエールバスコからですが、数日滞在します」

「中をみさせて貰う」

門番はそう言って馬車の中を見て回り

「怪しいものは無いな、通って良し」

門番が言うと町中に入っていく

「宿屋の確保を頼んだよ」

エターナリアが言うとレインとセリカが宿屋で交渉をして戻ってくる

「問題は有りません」

レインが微笑みながら言うと馬車を納屋に入れてから警備の者を残して部屋に行く


翌日商会に向かい

「誰かいますか?」

「何の用ですか?」

出てきた男は不思議そうに言うと

「クエールバスコのアーガナルド商会ですが」

「え!!申し訳有りませんこちらにどうぞ」

男は慌てて応接室に案内すると商業ギルトの職員が資料を持ってくる

「エターナリア様こちらが引継ぎ資料ですご確認を」

職員が言うとクリスとセリカが確認を始める

「エターナリア様こちらがこの店を仕切っていた奴隷です」

ギルド職員が言うと男は頭を下げる

「1人で支部を?」

「いえ、数人雇っていましたが、辞めてしまいました」

奴隷が言うと

「お前はどうしたい?商会奴隷として生きたいか?」

「え?選べるのですか?・・・他に道は無いのでよろしくお願いします」

男はそう言って頭を下げるが

「支部長はこの者だが良いのか?」

エターナリアが支部長候補を紹介する

「解りました・・・」

少し青ざめている

「早速契約の更新をしようか?」

エターナリアが言うと商業ギルトの職員は奴隷商を呼びに行くと奴隷商がやってくると契約の更新をする

「これで契約は更新完了しました、もしよろしければ私共の商会に来店をお待ちしております」

奴隷商はそう言って帰っていく

「これから嘘を付くことを禁止する良いな」

エターナリアが言うと

「え?はい御主人様」

「不正を働いていたな?」

「え・・・・・」

男は否定できなくて黙り込むと商業ギルト職員も青ざめる

「不正の内容を正確に言うように!」

エターナリアが微笑みながら睨むと

「申し訳ありません・・・」

謝った後、不正の内容を説明をしていくと

「また面倒事増やしたね」

エターナリアが商業ギルト職員に言うと

「申し訳ありません」

職員が頭を下げる

「人数を誤魔化して従業員と出来ていたとはね」

「申し訳ありません」

男は頭を下げて言う


「御主人様また面倒ですが、領主様と会う必要があります・・・また金貸しです」

クリスが言うと

「ベルトセル商会らしいね・・・」

「そうですね、商業ギルドも有りますのでまずは挨拶が必要です」

レインが笑顔で言う

「町の状況の把握を始めてください」

エターナリアが言うとみんなで町中を歩いて町中の様子を見て回る

「普通の町ですね、交易拠点になります」

「商隊が定期的に来ても大丈夫だね」

レインにエターナリアが言う

「商業ギルドと領主様次第です、明日決まります」

レインが微笑んでいる


翌日商業ギルドに向かい

「ギルドマスターにお会いしたいのですが」

レインが職員に聞くと

「お約束は?」

「アーガナルド商会ですが、昨日連絡はしております」

レインが言うと職員は奥にいき応接室に案内してくれる

「お待たせしましたアーガナルド商会の方ですね」

ギルドマスターが言うと

「アーガナルド商会のエターナリアです、この度支部の引継ぎに来ましたので、挨拶に伺いました」

「ご丁寧にありがとうございます」

「町の商業ギルドの状況を教えてくださいますか?」

エターナリアが言うとギルドマスターは驚きながら説明をする

「その為にベルトセル商会から借金をしたのですね」

エターナリアが微笑みながら言うと

「本題ですね、借金は必ず返済しますので、猶予をお願いします」

「解りました、この者が新しい支部長になりますので、今後共よろしくお願いします」

エターナリアが紹介をすると支部長が挨拶する

「え?・・・それだけですか?一括で返せと言わないのですか?」

「そうしたら商業ギルドが潰れますので面倒です、ゆっくり返してくださいね」

「え?商業ギルドを支配下に置くつもりでは?」

ギルドマスターは驚きエターナリアが見つめる

「クエールバスコも面倒なのでベルダートに任せていますから」

エターナリアが笑うと

「ベルダートから聞いていましたが、信じられませんでした、商業ギルドを守るために何が重要か考えていました、全力で借金返済しますのでお願いします」

ギルドマスターが頭を下げると

「面倒事が出来たら対応をお願いします」

エターナリアはそう言って帰っていくと領主に会いに行く


「アーガナルド商会ですが領主様に面会に来ました」

レインが兵士に言うと兵士は確認にいき侍女が案内してくれると初老の男が待っている

「よくぞ来たアーガナルド商会のみなさん」

「お会いできて光栄です、アーガナルド商会のエターナリアです」

エターナリアが領主に挨拶をすると雑談をした後

「借金の件だが、返済が遅れていて申し訳ない」

領主が頭を下げると

「返済出来れば問題は有りませんが、返済額は正確に解っていますか?」

エターナリアが言うと

「金貨1214枚になりますが、今は利息しか払えていないのも解っている」

「安心しました、今後ともよろしくお願いします」

エターナリアが笑顔で言うと

「強制徴収もされる事を覚悟していたのだが・・・有難い・・・約束に有った孫娘の件はどうする?」

領主が心配そうに言うと

「どうなされたいのですか?」

「孫娘は可愛いだから・・・奴隷等にしたくは無い・・・必ず返済はするので・・・頼むから連れていかないで欲しい」

領主は頭を下げながら言うと

「解りました、御面会だけでもさせて頂いてもよろしいですか?」

エターナリアが微笑みながら言うと領主は孫娘を呼ぶ

「はじめまして、エターナリア様」

エターナリアを見つめながら言うと

「こちらこそお見知りおきを」

エターナリアが挨拶をすると孫娘は意外そうに

「わたくしを奴隷にするために来たのでは有りませんか?覚悟は出来ています」

孫娘が言うと

「いえ、挨拶に来たので面会しただけです、誰か心に決めた相手がいましたから幸せになる事も考えてください、後これは挨拶ついでの手土産です」

エターナリアが言うとクリスがリザード革の鞄を渡す

「え?こんな高価なものを頂いてもよろしいのですか?」

孫娘は少し赤くなりながら言うと

「これは先行投資です、革細工をいろんな人に見せて貰えれば、欲しい人が沢山現れますので買い手が増えます」

エターナリアが微笑みながら言うと孫娘は笑顔でお礼を言っている

「人柄も一流か・・・借金は必ず返済をするが今後ともよろしく頼む」

領主も笑顔になり言うとエターナリア達は帰っていく


「エター何で革細工あげたの?」

エニスが聞くと

「レイン説明を」

「はい!御主人様、孫娘様は大臣の息子から求婚をされていると情報が有りましたので、革細工を持って貴族のパーティーに参加して貰えます、それにもし婚姻したら、両家に印象が良いので商売が広がります」

レインが微笑みながら言うと

「え?・・・だから投資・・・やっぱりレインは怖い」

エニスが苦笑いすると

「御主人様はもっと怖いですよ」

レインが微笑みながらエターナリアを見ると

「え?何を企んでいるの!」

「この町は通商の基点になるから、商業ギルドに恩を売り、領主に文句を言われなくしたから、商隊が沢山来ても文句は言われないからね、敵対不可能かな?」

エターナリアが微笑むと

「恐ろしい・・・もしかしたらこの町は利息だけ貰えれば一生アーガナルド商会が牛耳るつもり!!」

「今気がついた?遅いね」

エターナリアが微笑むとクリスとセリカが笑っている

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