第112話 ルミルの実

数日後山間の村に到着すると

「果実ですね」

「ルミルの実ですが・・・渋みが有って売り物になりませんでした」

孫娘が悔しそうな目で言う

「渋みか・・・食べてから考えよう」

エターナリアはそう言って村人から1つ貰いみんなで食べてみる

「甘いですが渋くてダメですね」

レインがいうと

「渋いです」

アニタが舌を出して言う

「渋味さえ無ければ良かったのですが・・・」

孫娘は残念そうに見ている


孫娘は墓参りに行ってくると言って斜面を登っていく

「料理して何か良い方法を探してみようか?」

「え?御主人様どうしてですか?」

「ベルトセル商会ならもしかしたら邪魔になって暗殺した可能性が有るからね」

エターナリアが言うとレインは早速村人に聞いて回る

「御主人様村人も試したみたいですが干したら渋みが収まると言っていましたが容姿が悪いので安く取引されてしまうそうです」

レインが言う


エターナリアは鍋に水を入れてから火にかけて沸騰させてから、ルミルの実を薄切りにして入れると灰汁を取りながら煮詰めていくと甘い香りがしてくる

「1口食べてみて」

エターナリアがレインに言うと1切れ食べて

「甘くて美味しいです、渋みが無くなりました」

「これなら食べれるからパンに付ければ良いね」

エターナリアが言うと

「加工品ですので、どのぐらいで取引すれば良いか解りません」

「エリスナに送って商談会に出せば良いよね」

「あ!試食させてから商談会で取引させれば欲しい人が商談出来ます」

レインが微笑みながら言うと


「エターナリア様お待たせしました」

孫娘が戻ってくると

「ルミルの実の独占販売権を交渉したいのですが」

エターナリアが微笑みながら言うと

「え?販売権?渋くて食べれないのに?」

孫娘が驚くと

「この実は生では渋くて好む人はいませんが、これを食べてください」

エターナリアが鍋を差し出して食べて貰うと

「え?甘い!!」

孫娘は驚くと

「これなら売り物になります、もしかしたら御両親は見付けていたのかも知れないですね」

エターナリアが微笑むと孫娘は泣き始める

「高値で取引出来たらルミルの木を増やしてください」

エターナリアはそう言ってから、ルミルの実の収穫をお願いする


領主の館に戻り

「エターナリア様何か特産品は有りましたか?」

領主は諦めた様に言うと

「ルミルの実を独占販売権を欲しいですね」

エターナリアが微笑みながら言うと

「え?ルミルの実?あんな渋いものを?」

領主が驚くと

「他の果実も全てアーガナルド商会で取り扱いたいと思います」

「本当によろしいのですか?」

「お祖父様、エターナリア様は素晴らしい人です、偉ぶらないでルミルの実の素晴らしさを見付けてくれました」

孫娘が領主に言うと

「売り物になるならお願いします」

領主が頭を下げると

「上手くいったら栽培量を増やしてくださいね」

エターナリアが微笑みながら言う

「え?本気ですか?」

「御主人様は既に先が見えています、契約書も作ってありますがこの条件でどうでしょうか?」

レインが言うと契約書を出す

「加工後の販売額の3%ですか・・・有りがたいです」

領主はそう言ってサインをする

「即決するのですね」

エターナリアが言うと

「私達に何も出来ませんので任せるしか有りません」

「この実や果実が救うと思います」

エターナリアが言うと

「お祖父様私をエターナリア様に下げ渡してください、お願いします」

孫娘が言うと

「え?気に入ったのか?」

領主が驚くと

「はい、この数日本当に楽しかったです、エターナリア様は優しくて素晴らしい方ですが、周りにいる人も全員役割を考えて行動する素晴らしい人ばかりです」

孫娘が笑顔で言うと

「エターナリア殿どうでしょうか?」

領主が言うと

「申し訳ありませんが、人を物の様に扱うのは嫌いです、又妻もいますのでお断りします」

エターナリアが真剣に言うと

「解りました・・・財政が悪くなれば孫娘を頼みます」

領主が頭を下げる

「エターダメだからね!」

エニスが言うと

「エニス奥様お願いします」

孫娘が言う

「絶対ダメ!!私より綺麗だからダメ!!」

エニスが声をあげると

「レインさんが奥様では無かったのですか?」

領主が苦笑いして言うと

「え?・・・何でみんなレインが奥様と言うのよ!!何で!」

「え?仲良く見えますので」

領主が呟くと

「お祖父様それ以上は言わない方が」

「あ!そうですね申し訳ない」

「もう!エターどうして?」

エニスが聞くと

「え?レインどうして?」

エターナリアがレインに聞く

「私には解りません、御主人様」

レインが微笑みながらエターナリアに言うと

「これが原因!!レイン、エターを見つめすぎ!!」

エニスが言う

「領主様今日はこの辺りで失礼します」

エターナリアが苦笑いしながら言うと

「余計な事を言って申し訳ない」

領主は苦笑いしているとエターナリア達は帰っていく


商会に戻るとすぐに町中の土地を買い取りとルミルの実の加工場を作るように指示を出すと準備をして次の町に向かう準備をする

レインは加工した物とルミルの実をクエールバスコのフレイに送る準備をする

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