第110話 南に出発

迷宮を出て屋敷に帰ると

「御主人様お帰りなさいませ」

「ただいま何か有ったの?」

エターナリアが聞くと

「実は昨日無理矢理侵入して御主人様に会わせろとうるさい人がいましたので・・・」

侍女が言うと

「カルセトと一緒に来ていた人か?」

「はい!そうです」

「警戒を頼んだよ」

エターナリアはそう言って屋敷に入るとみんな休みに部屋にいく

「御主人様、出発を早めますか?」

「レイン・・・面倒事になりそうだからね」

「準備を早めさせます」

レインはそう言って指示を出しに向かう


夜になるとカルセトが訪ねてくる

「御主人様私の方で対応します」

レインはそう言ってカルセトと会う

「レイン様、エターナリア様は?」

「疲れて寝ております」

「そうですか・・・」

「どの様な御用でしょうか?」

「昨日の件ですが、考え直して欲しかったので・・・」

「あなたは誰の代理人ですか?」

「え?」

「エターナリア様の秘密を守る義務を捨て、利益も損失を与えようとしている」

「それは・・・最終的にはエターナリア様の利益になります」

「最終的にはカルセト様の利益になりますが、御主人様の利益にはなりません!それ以前に御主人様の許可無く人を連れてきて迷惑でしかないですね」

「あれは・・・頼まれて・・・」

「頼まれて御主人様に迷惑をかけて、代理人を名乗るのですか?」

「え!・・・」

「御主人様を敵に回したことを後悔してください、4日後王都に向かって出発しますのでもう来ないでください」

レインが言うとカルセトはうつむき帰っていく


翌朝準備を完了させて、南のクエレスト・ハンストに向けて出発する

「商業ギルドの職員3人も来ましたので準備完了です」

レインが微笑みながら言うと

「出発だね、だけど大商隊になったね」

「はい!御主人様、二台は通常の商隊用で引継要員が1台です4台が御主人様の商隊です」

レインが微笑みながら言うと出発する


町の門に着くと

「どこかにお出掛けか?」

「最終的には王都まで行ってきます、狙われているようで、つけられている様なのですいませんがよろしくお願いします」

エターナリアが言うと門番は少し驚くと通してくれる、そして一路傘下の村を通り抜けて南に向かう


代理人はカルセトに詰め寄り

「嘘の情報をよくも掴ませたな!!どうなるか教えてやる!!覚悟しておけ!!」

「聞いたのは4日後に王都に向かうと言われていたのは本当です!!」

「じゃあ何で!!今日出ていったんだ!!なぜだ!」

「知りません!聞いた内容は伝えた通りです」

カルセトが震えながら言う

「クソーー使えない奴め!!」

男はカルセトを殴り出ていくとエターナリアを追いかけて出発しようとするが

「どこへ向かうつもりだ!」

門番に止められる

「王都にだ!文句有るか?」

「こっちの方向で無いな!こっちの門から出るのは何故だ?」

「え?あいつらはこっちから出て王都に向かったんだろ!!良いから通せ!!」

「黙れ!!怪しい奴め!ちょっと事情を聞かせて貰うぞ!」

門番が言うと詰め所に来る様に言うと

「何を!!無礼な!!エレストニ子爵を怒らせて良いのか!!」

「それがどうした!怪しい奴め!!」

門番は怯まず応援を呼び出す

「え?何故だエレストニ子爵を敵に回すつもりか!!良いのだな!!」

「クエールバスコの町でエレストニ子爵が何を言う!!さっさと降りてこい!!」

「え?・・・本当にいいだな!!エレストニ子爵を敵に回して!!」

「エレストニ子爵がどうした!!ここはクエールバスコだ!!」

「この仕打ち!許さんぞ!!」

代理人はそう言うと馬車を発進させるが門番達は車輪に槍を差し込み馬車を停めると代理人を捕らえる

「停止を無視するなど!許されると思うなよ!!」

「ふざけるな!!許さんぞ!!」

代理人は暴れるが、牢屋に連行していく


エターナリア達は順調に進み村に到着すると

「御主人様!お久しぶりです」

村長が挨拶に来る

「村長変わりはないか?」

「はい、飢える者もいなくなり、欲しい商品が有れば商隊が運んでくれますし、魔物も退治してくれるので安心して生活できています」

村長が笑顔で言うと

「それは良かった」

「御主人様、紙を作るように指示していますのでご確認を」

レインが微笑みながら言う

「あ!そうだったな」

「こちらへどうぞ」

村長の案内で家に入ると

「何とか商品になる程度の紙が出来始めました」

紙を確認する

「材料の管理は出来ているか?」

「それが中々材料を集めるのが大変です」

「材料の木を栽培するのも考えてみたらどうだ?」

「え?木を栽培?・・・やってみます」

村長は笑顔になり答える

「紙が安定的に出来れば特産品になるから頑張って研究して欲しい」

「はい!畏まりました」


翌朝出発する前に

「もし追いかけて来る者達が来たらここを通っていないと言って欲しい、狙われている可能性が有る」

エターナリアが言うと村長は村民に気を付けるように伝えてくれると南に出発する

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